可変BPFを作ってみた、その後盛大に発振してしまう
ダイレクトコンバージョン受信機の入力側に入れる狭帯域のBPFをバラックで作ってみた。
外観、配線図はこんな感じのもの。
良くある2セクションの同調回路をCで結合させたもの。手持ちの部品で作ったし、コアへの巻数も適当で4μH前後となりました。結合用のトリマーコンデンサは小さくすると帯域が狭い単峰特性となり、大きくすると双峰特性となります。
スペアナで測定してみるとこんな感じの特性が得られました。
6MHz~18MHz程度まで可変することができましたが、11MHz付近を超えると特性が破綻するのでダメなようです。よって7MHz帯と10MHz帯の2バンド用に限定されます。他のバンドも受信したい時は、バンド毎のBPFを作ってリレーやダイオードで切り替えるのが良さそうです。
早速、ダイレクトコンバージョン受信機に接続してみたところ...
なんだかおかしい...
・音が歪む
・時々ぴぃーぎゃー音
・RFアンプに手を近づけると酷くなったり収まったり
・横にあるパソコンのWiFiが突然切断された...
これはRFアンプが発振しているなぁ~とピンときた。
スペアナをフルスパンにしてどこで発振しているかを探ると、1.1GHzと高い周波数でハデに発振していました。
デバイス不明のRFアンプ基板は0.1~2000MHzと書かれています。最近のこの手のRFアンプIC (MMIC) はゲインが20dB以上で上限も数GHzに達するのが一般的で、何かの原因で発振しても不思議ではありません。
発振を停止させる方法を探ってました。
まず、BNC <--> SMA変換コネクターで直接接続した状態で発振...
それを同軸ケーブルで接続すると発振停止...
高周波あるあるの不可解な現象。高周波の手練れ技術者だと
「入力マッチングがおかしいのでこうなる」と気づくはずです。
そこで、3dB PAD (18Ω/300Ω/18Ωをパイ型に組んだもの) を構成したところ、発振は収まりました。
測定していませんがRFアンプ基板はゲインが高いので何ら問題はありません。出力側にも入れたほうが安定するとかもしれません。
とりあえずは完成しましたが、フルサイズのダイポールをつなくと夜中のCRI北京放送などの電波で飽和して7MHz帯に同調すると常時聞こえるなんてこともありますので入力側にON/OFFできる10dB程度のアッテネータを入れるとより実用的かもしれません。
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