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2025年5月

2025年5月14日 (水)

可変BPFを作ってみた、その後盛大に発振してしまう

ダイレクトコンバージョン受信機の入力側に入れる狭帯域のBPFをバラックで作ってみた。

外観、配線図はこんな感じのもの。

D_conv_14

20250512-144027

良くある2セクションの同調回路をCで結合させたもの。手持ちの部品で作ったし、コアへの巻数も適当で4μH前後となりました。結合用のトリマーコンデンサは小さくすると帯域が狭い単峰特性となり、大きくすると双峰特性となります。

スペアナで測定してみるとこんな感じの特性が得られました。

 


6MHz~18MHz程度まで可変することができましたが、11MHz付近を超えると特性が破綻するのでダメなようです。よって7MHz帯と10MHz帯の2バンド用に限定されます。他のバンドも受信したい時は、バンド毎のBPFを作ってリレーやダイオードで切り替えるのが良さそうです。

早速、ダイレクトコンバージョン受信機に接続してみたところ...

なんだかおかしい...

・音が歪む
・時々ぴぃーぎゃー音
・RFアンプに手を近づけると酷くなったり収まったり
・横にあるパソコンのWiFiが突然切断された...

これはRFアンプが発振しているなぁ~とピンときた。

スペアナをフルスパンにしてどこで発振しているかを探ると、1.1GHzと高い周波数でハデに発振していました。

D_conv_12

デバイス不明のRFアンプ基板は0.1~2000MHzと書かれています。最近のこの手のRFアンプIC (MMIC) はゲインが20dB以上で上限も数GHzに達するのが一般的で、何かの原因で発振しても不思議ではありません。

発振を停止させる方法を探ってました。

まず、BNC <--> SMA変換コネクターで直接接続した状態で発振...

D_conv_10

それを同軸ケーブルで接続すると発振停止...

D_conv_11

高周波あるあるの不可解な現象。高周波の手練れ技術者だと
「入力マッチングがおかしいのでこうなる」と気づくはずです。

そこで、3dB PAD (18Ω/300Ω/18Ωをパイ型に組んだもの) を構成したところ、発振は収まりました。
D_conv_13

測定していませんがRFアンプ基板はゲインが高いので何ら問題はありません。出力側にも入れたほうが安定するとかもしれません。


とりあえずは完成しましたが、フルサイズのダイポールをつなくと夜中のCRI北京放送などの電波で飽和して7MHz帯に同調すると常時聞こえるなんてこともありますので入力側にON/OFFできる10dB程度のアッテネータを入れるとより実用的かもしれません。

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2025年5月11日 (日)

Aliexpressで安く購入できるモジュールを使ってダイレクトコンバージョン受信機を作ってみる


AliexpressにはICやパーツを実装済のモジュール基板が多数販売されていますが、それらを活用することで高度な技術スキルを必要としないでそれらを単純にパズルのように接続していくだけで自作を楽しめるんではないかという考えでモジュールを集めてみました。

ダイレクトコンバージョン受信機ですがアンテナさえまともなものを接続すれば7MHzで使うにおいては、十分な感度が得られました。ただ、AGCが無いので強い局は爆音で飽和気味になってしまいます。フィルターが入っていないのでSSBは、送信そのものの良い音質で聞こえます。CWを専門に受信したい場合はAFに800Hz付近でカットするAFフィルターか可変APFのようなものを入れれば良さそうです。

購入したモジュール、部品は...
D_conv_02
20250507-112944

いづれも高価なものではありません。

回路(接続)はこんな感じ。

D_conv_03

20dBアッテネータはこんな基板を使う必要は無くて抵抗で構成(68Ω、270Ω、68Ωのパイ型)しても十分です。ただ、入力側には目的周波数にあったできるだけ狭帯域のBPFを入れる必要があり、不要周波数をカットしないとRFアンプが飽和して雑音だらけや中波放送が常時混入してしまうということになってしまうので要注意です。

ちなみに仮にプロ用の強力な可変BPFを入れてます。
Bpf

ここまで強力なBPFは不要なので同調回路を2つ接続したBPFを構成すれば良いでしょう。

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