IC-2500 1200MHz PLLアンロック
久々の修理記事です。
知り合いからIC-2500、1200MHz側が動作しないとヘルプ。この機種は表面実装部品への移行時期であって修理できないかもしれないと了解いただいた上、お受けしました。
1200MHz側のVCOをスペアナで調べてみると…発振はしているもののデタラメにふらついている状態。はい、PLL アンロックです。VCO は約550~600MHz付近を発振させているのでHF機のようにトリマーコンデンサやコイルは無く、調整するところはありません。
ちなみに、スペアナでの調べ方は周波数が高いため、VCOにリード線(ワニグチタイプのBNCケーブル使用)を近づけるだけで十分ピックアッフできます。このあたりは楽かもわかりません。
PLL部の回路図を解析してみます。VCOバリキャプへの供給電圧(ロック電圧)が3V程度でダイヤルを回しても変化ありません…
また、この回路を見て驚いたのが2SK125を発振に使っているところ。こんな高い周波数で使えるのかなとデータシートで調べてみると700MHzまでのパラメータが有って、無理な使い方では無いようでした。
既に「不良」と書いてますが…
目星を付けていた、ループフィルターに付いているタンタルコンデンサーがショートモードで壊れ、電圧がコントロールできない状態でした。タンタルをやめて、大容量のチップ積層セラミックコンデンサに交換したところ、ばっちりロックするようになりました。
その他、メモリーバックアップ用リチウム電池は空に…CR2032 + ソケットに。その他、リファレンス周波数の再調整などを実施して完了としました。
1200MHzの無線機は貴重ですもんね。
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コメント
さすが西村さんお見事!
投稿: JA2HVW水島 | 2023年11月14日 (火) 17時40分
・電解コンデンサ⇒液漏れ
・タンタルコンデンサ⇒ショートモード
・トリマー経年劣化による不良
・ハンダクラック
・・・・このあたりにめぼしを付けて調べればたいていなんとかなる感触ですね。抵抗や半導体はまず壊れてない…
投稿: JF3DRI | 2023年11月16日 (木) 09時34分