Collins KWM-2A の修理とTwitterでのプチバズリ
知り合いのOMさんよりCollins KWM-2Aを修理してくれないかと依頼があり、引き受けました。
1960年代に販売され、26,000台も製造された機種でTRIOやYAESUのSSB機のお手本になったような先駆け的存在な無線機です。
受信も送信もできません・・・
AFからチェックしていきました。VRを上げるとサー音は出るのでIF以降は生きており、それより前に不具合が。
リレーに接触不良があることを突き止めました。50年前のリレーなんて当然入手できないので接点洗浄ってことで分解です。IPAを染み込ませた紙で接点を擦ると真っ黒・・・。これで受信はできるようになりました。
でも送信がダメです。
この機種はCWやTUNE時は1750Hzのトーン発振器を動作させて、いわばマイクの前で口笛を吹いてシングルトーンを出すしくみになっています。1750Hzはスペアナで見ることできないのでオシロも登場させての原因探りとなりました。
内部配線はこんな具合…スパゲッティ?? カオス??? 配線を追いかけるのか非常に大変。
この写真をTwitterに上げることで後述する「プチバズリ」が発生します。
送信できない原因はコレでした。
(写真みても何の部品だかわからないと思う、多分)
これ、バランスドモジュレーターに使っている4本をワンパッケージに入れたクワッド・ダイオードなんです。当然、こんなものありません。無いので作るしか対策は無しです。
1S73Aというゲルマニュウムダイオードが多数所持しているのでこれでブリッジを組んでみることに。「ブリッジ」じゃありませんでした、似ているけど向きが異なり、これはリングダイオードですよね。
ピンボケで見ずらいですが、うまく動作しました。
(キャリアバランス調整は必要)
米国仕様なのでAC 115Vで動作させるのが通常、それをAC 100Vで動作させているのでこんなもんです。
まだまだ不具合はありますが、ひとまず動作するところまで持ってくることには成功です。
<バズリの原因>
あのカオスな配線をTwitterで見た方。。。
2500以上のいいね、940のRT、30万 PV・・・が付きました。
そのコメントは。
多くのコメントが「なぜ基板を使わないんだ」という意見。
今の技術者はシャーシ+ラグ板でこのような配線を行っていた時代を知らないので「配線において基板は基本であって必然なもの」と考えているようで、この配線が新鮮に映ったんでしょうね。確かにあの配線で20年間に渡り26,000台も製造されたのは不思議ですが、ジェネレーションギャップを感じた次第です。
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