100W機のパワーを絞って50Wで運用するとファイナルに優しいか??
100W機、いや200W機でも1kWのリニアでもかまわないが、半分の出力に絞って運用すると、果たしてファイナルのトランジスター、MOS-FETに「優しい」か、間違って認識されている方が多いので解説を。
答えはファイナルデバイスに限っていうとNoです。
ANALOG DEVICES のテクニカルノートTNJ-019に詳しく書いてあってので、数式を見て拒否反応を示さず受け入れられる方はこちを見たほうが早いかもしれません。
拒否反応がある方のためにちょっとばかり重要なところを切り取って解説。
解説では1kW出力を例として書かれていますが、最大出力100Wとしても200Wと見ても同じです。計算すると、ファイナルで最も損失が発生、すなわち損失、熱となって負荷がかかるのは最大出力の40.5%のところなのです。100W出力機だと40Wぐらいに絞った時が最も熱となってしまう。
グラフも書いてあって、これを見るとわかりやすいので引用しておきます。
ただし、これは「ファイナルに限って」であって、無線機の送信部はファイナルだけではなく、LPFや切り替えリレー、電源回路など付いているので、それらの回路に対してはパワーを絞ることは「優しい」と言えるでしょう。
もうひとつの問題は「移動する局」対応の50W機の設計は、その殆どが100W機のままでALCで絞って50Wにしているので、100Wモデルより発熱が多いと考えられます。V, UHFは50Wで設計してあるのでそのようなことはなさそうですが。
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