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2018年4月

2018年4月22日 (日)

TS-520X100W改 Sメーター振り切れる

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久しぶりのTS-520X 100W改の修理依頼がありお預かりましました。Sメーターが振り切れて受信不能とのこと。その他、送信系もドライブ不足らしき症状があるとのことです。大切に使われていたようで、非常に美品です。

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お預かりした520は、最も初期型で、ダイヤルスケール部の照明が付いていません。また、サブの目盛り板は、削りだしの分厚いものが付いています。このカタチは初めてです。

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Sメーターが振り切れるとのことで、IF UNITのAGC系を、細かく診たのですが原因がわかりません。ただ、デュアルゲートMOS のバイアス電圧が低いのは確かです。
写真の通り、あちこち触ってありSメーター調整用のVRも交換してあります。

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時々、受信できる時もあると症状に加えられていたので、あちこち軽くショックを与えていると、FIX.CH AVR UNITで一瞬感度が上がることを発見。バイアス用3.3Vを設定する交換されたトリマポテンションメーターが原因であることをようやく突き止めました。

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ハンダ付けは問題ありません。しかし、原因であることは、間違いありません。

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外してみてようやく・・・。
ごらんの通り、摺動電極がはんだ付けされておらず、巻き付けてあっただけで接触不良を起こしていたのです。
きっちりとハンダ付けし、元通りにしたところSメーターの振り切れはなく、受信が復活しました。

送信系も再調整したのですが、ハイバンドでドライブがかかりにくいのは確かなようです。12BY7Aを交換したりしたのですが改善せず、これは仕様なのかが良く分からなく、とりあえずは80W程度は出るので、これでOKと判断しました。ファイナルのS2001が劣化している可能性も。

古い機種に良かれと、手を加えむやみに部品交換すると、このように2次被害が発生し、修理をよけいややこしくすることは良くあることです。よって、当方は「交換しなくとも良い部品は極力交換しない」という方針でやっています。

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2018年4月 1日 (日)

FT-901DM 周波数ふらつき送信できず

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FT-901DM 初期型、お預かりしました。

①周波数がふらついたり、飛んだりする。
②ヒューズが飛ぶことがある。


とのことです。①については、詳細な変動データーを事前に測定していただき、単なるVFOドリフトではないことを確認させていただきました。

<周波数のふらつき>

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周波数が動いて、また元に戻ったり、すごく不安定なのを当方でも確認しました。VFOの電源系を調べていたのですが、RITスイッチに偶然触れると大きく動くことを発見、故障内容が見えました。RIT ON状態だと変動しません。
はい、RITスイッチの接触不良が原因でした。
<ヒューズが飛ぶことがある>

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まずRECT A 基板を見ると・・・
派手に抵抗が焼損しています。この状況、以前にもありましたので、不具合個所はスグに理解できました。

炭化してもオープン状態にならなかったので被害がより大きく・・・。

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はい、YAESUブランドのキャラメル型マイカコンデンサーのショートです。12BY7Aのプレート電圧300Vが、6146Bバイアス回路に流れ込んでこうなってしまったということです。

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被害は、バイアス調整用半固定VRにも及んでいました。このカタチの大きい半固定抵抗は、入手が困難です。

さて・・・・。

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手持ちのパーツボックスをかき回して、1個だけ見つけました。少し小さいけど、バイアス電流などを計算し、電力容量的には使えることを確認しました。

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リード線の切れ端で延長し、取り付けました。

しかし、まだパワーが出ません。正確には1W程度出ているようですが・・・。
ドライブ回路を調べていくと12BY7Aのプレート電圧が、殆ど無いことが判明しました。

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RECT C 基板を見ると・・・。
こちらの抵抗も派手に焼損してしまってます。ここまで被害が及んでいるとは当初思いもよりませんでした。

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マイカコンデンサー絶縁不良が、抵抗4本、半固定抵抗1個を道連れに破壊してしまったという結論になりました。

ドライバー管12BY7Aは、プレート電圧が無くてスクリーングリッド電圧のみという、あってはならない状態(Sgが焼損してしまう可能性がある)で、不良の懸念もあったのですが大丈夫でした。

その他、28MHz帯の100W化、マーカー周波数の再調整、その他チェックを実施し、24時間エージングして完了としました。

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