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2017年12月

2017年12月20日 (水)

凶器と化したFT-655

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取っ手を持ったところ、崩壊して右足かすめて落下。まともに落ちたら足の甲を骨折しているところでした。FT-655オーナーの皆さん、ご注意を。

<追記>
YAESUさんへ報告がてらメールで連絡したところ、すぐに電話があって怪我の状態を尋ねられました。また、このような事例は初めてだと言ってましたが、報告されていないだけじゃないかな。FT-102などは、鋼板が入っていて、まず破断はしない構造になっていますので。

古い無線機だしメール送っても無視されて当然と思っていたのですが、ちゃんと電話があったことは良心的です。

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2017年12月18日 (月)

ヒースキットSB-1000リニアアンプ修理

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ヒースキットSB-1000 リニアアンプ
の修理依頼があり、お受けしました。3,000V以上の高圧を扱い、非常に危険なのですが名の通り「キット」で販売されていたものです。今の時代だと製造物責任とかPL法とかで絶対ダメでしょうね。

・3-500zが不良と思われるのでチェックして欲しい。
・Amperex 3-500zを同梱。
・動作はAC100Vとしたいため、ステップアップトランスも同梱。


とのことです。

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付いていたEimacの3-500z、NGとマジックインキで書かれており、とりあえずフィラメント点灯をやってみたところ・・・。

もくもくと内部で煙が上がり、もはや真空管でなく空気管になっていました。これはダメです。


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例のごとく、バイアス用ツェナーダイオードも完全ショート状態。3-500z内部フラッシュで破壊されてました。


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ハイパワーのツェナーダイオードは入手不可なので、TL-922で実施したトランジスターによるブースト回路を組み込みました。ちょうど良い取り付け穴がありました。


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Amperexの3-500z、まずはトランス1次側配線を240Vとし、半分のフィラメント電圧でエージング、および高圧回路が問題無いかのチェックを実施。このまま10時間以上放置です。


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問題なかったのであたらめてAC120Vとし、電源をON。少し焼ける臭いがしてビクビクですが、長年電源を入れていなかったため、ブリーダ抵抗の表面に付着したゴミが熱で臭ったようで、問題ありません。この機種は、3400Vと、3-500z使用リニアとしてはフルに近い高電圧を印加して動作させています。入力を入れて稼働させてみたところ、50W入力で600W以上出てきました。もう少し、Igの読みからしてドライブをもう少し上げてもOKなのですが、当方のAC100Vラインが音を上げてしまい、ブレーカーがトリップしそうなので、ステップアップトランスを用いてのフルテストは実施できませんでした。チムニー無しなので冷却のことを考えても、フル出力まで引っ張らない方がよさそうですし。

やはり、500Wを超えるリニアアンプはAC200V, AC240Vで動作させるのがよろしいようです。

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2017年12月10日 (日)

TS-900Dライン フルレストア・・・その4(追加)

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まだ続きです。
CWフィルターがロスが多くてNGになっていると、前の記事で書き、その旨をオーナー様に伝えたところ、新しいものを入手して送付するから、そこまではお願いしたいとのことで対応することとしました。

しかし・・・

  「交換しても症状は変わらない・・・」


うーん、おかしいなぁ・・・。というこで、再度じっくりとネットで検索してみたところ、YG-3395CはTS-900には対応していないことが判明しました。純正の型名はModel FFC-309-Jとなっており、配線図から解析するとクリスタルフィルターの入出力インピーダンスが大幅に異なっており、マッチングしないため大きなロスとなっていることが判明しました。

YG-3395Cのインピーダンスは2000Ωとハイインピーダンス、TS-900用のはリンクコイルで結合しているので、ローインピーダンスということまではわかりました。

通常なら時間や手間の都合もあり「フィルターが異なり、入手できないので修理不可能です」で終わるのですが、ここまでやって放置するのは、自分としても不甲斐ないのでなんとかならないかと頭を絞りました。

「インピーダンス変換してマッチングさえできれば、なんとかかるのでは?」

というこで、9:1の変換トランスとか考えたりもしたのですが、最終的にはTS-520のNBユニットのジャンクがあり、ここにIFTが付いていることに目を付けました。

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このIFTは、3.395MHzに同調しており、一次側ローインピーダンス、二次側ハイインピーダンスであることは確かです。正確な数値はわかりませんがやってみることと。

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幸いにも基板には余分なスペースがあり、取り付けることができました。

早速この状態でテストしたところ、コアの調整が必要でしたが、受信でSメーター1つ以内、送信は、ほぼ問題ナシの100WがCWモードで出力することができました。

TS-900の情報は非常に少なく、ネット上ではYG-3395Cが使えると書かれているところもあるので注意が必要です。

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2017年12月 3日 (日)

TS-900Dライン フルレストア・・・その3(完)

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CWフィルター、その他入手不能部品を除いてようやく完了が見えてきました。7MHz帯で110Wを出力し、終段管も元気てす。

⑦VFO-900S 発振停止

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外部VFOですが電源も内蔵されていおり、本体VFOとのキャリブレーション(ゼロビート検出回路やスピーカー)も内蔵してある凝った作りです。

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ところどころ発振停止します。TS-520/820で良くある症状で、バリコンの接触不良が原因。

窓が開くようになっているのは520/820と同じ・・・というか全く同じものを使っているようです。

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IPAや接点復活剤を使ってこの窓から洗浄したところ、全域に渡って発振停止は無くなりました。この状態で電源供給し、スペアナで停止しないかをチェックしています。


⑧外観のお手入れ

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ツマミ類、パネルを洗浄します。

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金属光沢のある部分がくすんでいたので、金属磨きで研磨。きれいになります。

最終的には・・・

・CWフィルターの不良
・7MHz, 28MHz, 28.5MHz, 29.5MHz、それぞれの局発水晶不良


ということで水晶に関しては、特注してまで対応するかオーナー様と相談中で、一旦、完了と致します。長い道程でありました。

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2017年12月 2日 (土)

TS-900Dライン フルレストア・・・その2

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つづきです。

③④音が割れる、ハム音が乗る

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まずは電源を調べてみました。
配線図が見つからなかったので、目視。半導体回路の電源は、安定化していないようで、平滑コンデンサとチョークコイルのみ。特に問題は見当たりません。
安定化無しなので少しハムが出るのは仕様だと判断。

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音が割れる状態をオシロで見てみました。音量を上げると右のようになり、歪んで聞こえます。はい、Peakで発振してますね。小音量だと大丈夫なので、プロダクト検波段まではOK、それ以降のAF回路に問題ありと判断できます。

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AF基板を取り出して入念に目視チェック。発見しました、コンデンサの液漏れ
このコンデンサは、前段の電源デカップリング用コンデンサで、容量が無くなれば発振することは明らかです。

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このコンデンサ交換で音質は正常、ハム音もうんと少なくなりましたが、他のコンデンサも、怪しそうだったので全数交換。こころもち、全体的な音質が良くなったよーな?


⑤VFO発振停止

⇒本体のVFOに関して、これは問題ありませんでした。

⑥CWフィルターの取り付け

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TS-520と同じYG-3358Cです。オーナー様から同梱いただいたもの。
取り付けはハンダ付けが必要です。

そのまま取り付けてもナローとなりません。どこかにジャンパーやスイッチがあるのかと回路をさがしまくったのですがよくわかりません・・・。海外も含めてネット検索することでようやくわかりました。

   「右の写真のコネクターを逆向きに差し込む・・・」


これは意表を突いた方式でした。

しかし、このフィルターを取り付けたことでパワーが少なくなったり、受信感度が大幅に落ちてしまい、取り付けを間違ったのかなぁ・・・と4時間に渡って悩み続け、ようやくわかったのが・・・。

  「取り付けたCWフィルターが挿入損失が大きくなった不良品」


ということでした。ご勘弁願いたい・・・。

つづく・・・

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