TS-900Dライン フルレストア・・・その1
TRIO TS-900D VFO付きのライン、レストア依頼がありお受けしました。
多くの修理箇所かあるので、何回かに分けて記事を書きます。
ざっと見たところ・・・
①7MHzが受信できない。
⇒局発が発振しておらず、水晶を交換する必要がある。
②バントスイッチ接触不良
⇒スイッチを洗浄する必要あり。
③AF音が割れて音質が悪い。
⇒AFアンプのトランジスターまたは電解コンデンサーあたり??
④AFにハム音混入
⇒これは最初から当機種はこのような仕様??
AFを絞っても少しブーンとハム音がある。
⑤VFO発振停止?
⇒バリコンの接触不良?
⑥CWフィルターの取り付け依頼
送信系はテストしていないので、まだまだ出てくるかもわかりません。
①7MHzが受信できない。
TS-900は初めての患者さんです。プラグイン基板になっていますが、一つの基板内回路規模が小さいので、基板だけで単体テストが可能なレベルのため、修理はできそうです。
トラッキング機構が冠歯車で90度回転を曲げてバリコンを回す非常に凝った機構になっており、分解はできるのですが、その機構を良く理解していないと元に戻らなくなってしまいます。バントスイッチのシャフト回転位置、ギヤの位置を確認し、分解に臨みました。
ローカル発振ユニットです。
単体で調べたところ、やはり7MHz帯用の水晶が不良で交換しか方法がありません。
水晶は15.895MHz これはTS-520と同じ周波数構成となっているため、TS-520のジャンクから移植することにしました。
取り外し、交換してみました。発振はばっちりOKとなったのですが、水晶の負荷容量/発振回路が異なるせいか、15.892.5MHzで発振してしまいます。いろいろと調べ、なんとか発振周波数を上げることができないかとやってみたのですが、低い方へ持ってくることは簡単なのですが高い方へ持ってくるのは、他のバンドも絡んでいるため、どうしてもできなく、約2.5kHzのズレは目をつぶってもらうこととしました。
ついでに、悪名高き2SC460Bがバッファーとして付いてあり、足が黒ずんでいたので、こちらも交換。
②バンドスイッチの接触不良
アンテナコイル、ミキサーコイル、ドライブコイルも外れるようになっており、接点洗浄を行うこととしました。
洗浄前、洗浄後です。流石に、40年以上経つ機種なので接点が酸化しており、メンテナンスは必要なようです。
元に戻す組み立て作業に非常に難しくて時間を費やしましたが、この部分に関しては7MHz周波数のズレを除いて正常となりました。
つづく・・・・
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