« FT-1000MP バックライトのテープLED化 | トップページ | Transistor testerキット »

2017年11月15日 (水)

R-599S / T-599S メンテナンス

599_00

TRIO R-599S / T-599S 599ラインの修理、メンテナンス依頼です。この機種は初めてですが、デザインが良いと熱心なファンが多いようですね。
TS-520より古くからあるので40年は経つでしょうか。

・オーナーさんは、別OMさんより譲っていただいたもの。
・T-599Sは送信すると、IPメーターが振り切る。
・R-599Sは受信するが総合的なチェックと動作確認。


とのことです。

<R-599S>

599_01

599_02

599_03

まずは目視でチェック。VFOランプが切れていましたのでLED化しました。


599_04

マーカー発振周波数が結構ズレていたので再調整。


599_05

50MHz / 144MHzを28MHzに落とすクリコンが入っていて受信可能です。この部分も動作確認致しました。

その他、スイッチの接触不良が多数あり、洗浄および接点復活剤で対応致しました。各バンド毎のトラッキングも診ましたが大きなズレは無く、品位が高い個体でした。

AMフィルター、CWフィルターも内蔵されおり、特に41m帯のコマーシャル局のBCLは音質も良くトリオの機種としては珍しい感じです。

<T-599S>

599_06

まず、目視でチェック。IPが振り切れるのはファイナルカソードに入っている検出抵抗が怪しいのは、これまでの経験から診ると・・・交換した形跡があり、そのハンダ付けがダメ、いわゆる「天ぷらハンダ」状態でした。

ハンダ付けのやり直したところ、振り切れは無くなりパワーは出ることを確認。

599_07

高圧電源回路の電解コンデンサーに抱かせてある470kΩが600kΩ以上になっていたため、交換。


599_08

599_09

とりあえずパワーは出るのですが、VFOを回すと不安定なところがあることを発見。バリコンローターのアース側接触不良でTS-520/820で多発する症状と同じです。全分解は大変であり、他の不具合を産む可能性があるので、隙間から綿棒、ピンセットを使って洗浄、接点復活材塗布を実施しました。いわば「腹腔鏡手術」です。

送信側のVFOはあまり使わないので、回すことが少なく、このようになる確率が多くなっているのではと思慮致します。

599_10

599_11_2

送受繰り返しテスト(少なくとも100回は実施します)をやっていると、20回に1回程度、送信しないことがありました。こういうのは原因特定がすごく難しいのですが、回路を確認し、リレー接点が接触不良を起こしていることがようやくわかりました。

リレーは交換品が無いので、接点洗浄で対応。問題は無くなりました。

599_12

599_13

最後にR-599/T-599を専用ケーブルにて接続、トランシープ操作ができるかをやってみたところ、受信が全くダメ。おかしいなぁ~、リレーは洗浄したし・・・・。

ながいこと悩んで調べたところ、なんのことは無い送信機から受信機に渡る同軸ケーブルのMコネクター内部でハンダ付け不良となっており、やり直すことでようやく完了となりました。

やはり40年以上経つ無線機はいろいろと不具合が出るようです。

|

« FT-1000MP バックライトのテープLED化 | トップページ | Transistor testerキット »

無線機修理/リストア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: R-599S / T-599S メンテナンス:

« FT-1000MP バックライトのテープLED化 | トップページ | Transistor testerキット »