TS-780 いろいろ修理
TRIO TS-780 前回修理したものですが再修理です。オーナー様からの故障状況は下記の通り。
①時々FMで無変調となる。その症状がだんだん悪化してきた。
②IF UNITが不良ではないかと思ってオークションで入手、交換してみた。
③交換したところ、送信が一切できなくなった。
あと、無変調となった時、マイクに向かって喋るとパワーが下がるマイナス変調のような現象が発生するとのこと。
<送信ができない>
まずは、パワーが全く出ない件について。テスターで調べたところ、送信時に加わるべき電圧がありません。回路を追ったところ、AVR UNITの安定化した +9V を作るところの抵抗4.7Ωが断線していることを突き止めました。
断線していないように見えますがNGです。
<送信/受信が不安定>
とりあえず、パワーが出るようになったもののなんだか不安定です。絶縁ドライバーであちこち軽く叩くと、当機種でよくFズレを起こす41.56MHzの発振付近で大きな変動を示します。ここはFM変調とも絡んでいるので変調が乗らないのもこの付近かと・・・。基板をよく見ると、ハンダクラック(パターン切れ)のようなものを発見、これを修復することでパワーや周波数は安定しました。
しかし、時々FMの変調が途切れる症状は残ったまま。
<難関だったFM無変調が起こる理由>
いくら考えてもわかりません。オーナー様は、一度交換したというIF UNITをお持ちなので、送付いただき交換してみました。
しかし、症状は同じ。
IF UNITを交換しても変化無いということは、この基板以外に原因があるということ。FM送信時に、本来発生してはならないSSB発生回路に微弱な電圧がリークしているのが原因なため、必死で回路を追うと共に、回路を切り離しながらリークしているところを調査していきました。
ようやく突き止めたのがCAR UNITのスイッチングダイオード。この基板は、AVR UNITの下にあり、調整用の穴がAVR UNITにあります。TS-780はバックアップに乾電池を使っていて、それが液漏れした時に、調整用の穴を通じてこのダイオードを腐食させ、絶縁不良からSSB回路へリークしていたと、ようやく判明しました。
このダイオードを3本とも交換することで、マイナス変調は無くなり、ようやく修理完了となりました。いやはや、今回はやっかいでした。
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