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2017年9月

2017年9月30日 (土)

TS-780 いろいろ修理

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TRIO TS-780 前回修理したものですが再修理です。オーナー様からの故障状況は下記の通り。

①時々FMで無変調となる。その症状がだんだん悪化してきた。
②IF UNITが不良ではないかと思ってオークションで入手、交換してみた。
③交換したところ、送信が一切できなくなった。


あと、無変調となった時、マイクに向かって喋るとパワーが下がるマイナス変調のような現象が発生するとのこと。

<送信ができない>

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まずは、パワーが全く出ない件について。テスターで調べたところ、送信時に加わるべき電圧がありません。回路を追ったところ、AVR UNITの安定化した +9V を作るところの抵抗4.7Ωが断線していることを突き止めました。
断線していないように見えますがNGです。


<送信/受信が不安定>

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とりあえず、パワーが出るようになったもののなんだか不安定です。絶縁ドライバーであちこち軽く叩くと、当機種でよくFズレを起こす41.56MHzの発振付近で大きな変動を示します。ここはFM変調とも絡んでいるので変調が乗らないのもこの付近かと・・・。基板をよく見ると、ハンダクラック(パターン切れ)のようなものを発見、これを修復することでパワーや周波数は安定しました。

しかし、時々FMの変調が途切れる症状は残ったまま。


<難関だったFM無変調が起こる理由>

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正常な時もあるし、無変調な時もある。こういうのが一番やっかい。無変調が出た時、本来ならFMは関係ないSSB MICゲインのVRを回すと、より強くマイナス変調なような症状が出ます。バラモジのAFアンプ部に、FMモードだと本来出ではならない微弱な電圧(1.3V~1.7V)が発生しており、動作してはならないバラモジが働いてしまっていることが原因であることまで、突き止めました。

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いくら考えてもわかりません。オーナー様は、一度交換したというIF UNITをお持ちなので、送付いただき交換してみました。

しかし、症状は同じ。

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IF UNITを交換しても変化無いということは、この基板以外に原因があるということ。FM送信時に、本来発生してはならないSSB発生回路に微弱な電圧がリークしているのが原因なため、必死で回路を追うと共に、回路を切り離しながらリークしているところを調査していきました。

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ようやく突き止めたのがCAR UNITのスイッチングダイオード。この基板は、AVR UNITの下にあり、調整用の穴がAVR UNITにあります。TS-780はバックアップに乾電池を使っていて、それが液漏れした時に、調整用の穴を通じてこのダイオードを腐食させ、絶縁不良からSSB回路へリークしていたと、ようやく判明しました。

このダイオードを3本とも交換することで、マイナス変調は無くなり、ようやく修理完了となりました。いやはや、今回はやっかいでした。

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2017年9月20日 (水)

FT-102 連チャンとDAIWAのアンテナチューナ

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体調がイマイチだったり、家事都合でなかなか進みません。

FT-102 連続の修理です。今回は、いろいろと修理箇所も多く時間がかかってしまいました。内容的には、いつものリレー、WARCバンド送信開放、28MHz 50W制限解除なのですが。

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基板のハンダ面から、不具合の起こるリレー位置です。この4つは交換、または接点洗浄必須です。

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WARCバンド送信開放、28MHz 50W制限解除。前回と基板が異なりますね。YAESUさんおなじみのロットによって基板も回路も異なるってやつです。

<メーターランプ交換>

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これは初めての対応ですが、ランプ切れしていました。特殊な電球を使ってあり、オーナー様といろいろ相談した結果、この電球を特注し、ネットで斡旋されてる方を見つけて手配いただくこととなりました。

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手配いただいた電球とグリーンのカバーです。

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交換は、ちょっと気を使いますが難しくはありません。

これでOKとテストすると7MHz等のローバンドでは、フルパワーが出るのに21MHz等のハイバンドだと50Wぐらいしか出ません。また、ドライブを掛けていくと、逆に出力が落ちてしまうという妙な挙動。この挙動、前に有ったような・・・・。

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ドライバー管、12BY7Aの劣化が原因でした。ハイバンドでゲインが無くなって、グリッド電流が流れてしまうのでしょうかね?? 目視しても管面が黒くなっており、劣化していることがなんとなくわかりました。

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交換部品はこれだけ。長期間放置されていた形跡があり、ボリュームガリ、スイッチ接触不良が酷かったです。モードスイッチはまだ時々接触不良を起こすようで完璧なカタチにはできませんでした。

<ダイワのアンテナチューナー>

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クロスメーターのSWR計側が動かないということで同時にお預かりし、分解してみると、何かに引っかかりがあり、拡大鏡を使ってその引っかかっている部分をなんとか修復することで動作するようになりました。時計屋さんの技術が必要です

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ダミーや実際のANTを接続して正常に測定できるか、マッチングが取れるかをテスト。OKでした。

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中身はこんな具合。こちらもスイッチに接触不良がありました。

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