TS-830V 100W改整備
TS-830V 100W改造機の整備依頼があり、お預かりしました。まるで新品のように非常に綺麗な個体で、内部にはホコリ一つありません。綺麗ですが、やはり年数が経つとNGになるのは仕方ないですね。
①VFOが飛んだり安定しない時がある。
②IPメータの振れが異常
③WARCバンドが出力出ない。
④28MHz帯の100W化
⑤RIT中心的ズレ
その他、A4用紙2枚に渡って細かく指示事項をいただきました。
①はこれまでにも有った通りFIX SWの接触不良。その他、METER SWの接触不良も発生しており、接点洗浄やら何度も回すことでOKとなりました。
WARCバンドに関してはオーナー様は開放されていないと指示が有ったのですが、既に開放済でした。しかし、パワーが殆ど出ません。トラッキング調整が大幅にズレていました。
WARCバンド以外も結構なズレがあり、全てのバントに対してトラッキング調整のやり直しを実施。
28MHz帯の100W 化は実施されてませんでした。この基板のPD1とPD2をジャンパーすることでSg電圧がUPします。
各バンドを入念にテスト、数日間のエージングも完了。これでOKだ。さて、梱包して発送・・・という時、あるバンド送信テストをやっていると、バシッとファイナル部がら音がして、IPが振り切れてしまいました。しかし、ヒューズは飛んでいません。
その原因は、6146Bの内部でフラッシュが発生したことでした。GE製の殆ど使われていない6146B、しかし、交換するしか解決方法はありません。
IPが振り切れたのは、交換した金属皮膜抵抗がフラッシュした時のサージで一瞬にして高抵抗化してしまったことが原因でした。金属皮膜抵抗は、サージに弱いのですね。まぁ、ヒューズ抵抗というのがあるくらいですから。
10Ωが2つとも25Ω以上になってしまってました。
オーナー様より6146Bを手配いただき、交換することでやっと完治しました。交換に従い、ファイナル中和調整のやり直しを実施したことも言うまでもありません。
細かい要望が有ったので半月以上を要してしまいました。
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