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2017年5月

2017年5月25日 (木)

HT-750 完全修理できず

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THPのHT-750、パワーが少ない、周波数ズレがあるとのことでお預かりしました。

まず、電源ONすると受信も送信も全く不可です。そして、そのまま10分~30分入れたままにすると動作を始めるという、寝起きぐせが悪い症状がありました。オーナー様からは、この指摘はありません。

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スペアナで確認したところPLLのVCOアンロックが発生しいることが原因です。サービスマニュアルが無いので回路上から追ったところ、VCO調整のコイルを調整したりやってみたのですが大きな変化無し。


3日以上悩みましたが、チップ部品使ってあるし、不良部品の特定もできず、これ以上手を加えるとよけい悪化させてしまう危険性があるので、この不具合は修理不能という判断にしました。

PLL ICが怪しい感触ですが特定できませんし、入手や交換が困難です。

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とりあえず、その他の部分をチェックということで電池ボックスに液漏れが有ったのでIPAで清掃とパターン損傷などが無いか確認。電池ボックスはオーナー様が修復した痕跡がありました。また、この液漏れとVCOアンロックは関係ない模様でした。

回路図上からわかる範囲で調整を実施したところ7, 21MHz で約4W、50MHzで1W(少し少ない)となりました。周波数ズレも再調整でOKと。

ただし、寝起きが悪いところは当方では解決できませんでした。

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2017年5月21日 (日)

FT-901SD 100W改 スパゲティ配線をさぐる

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YAESU FT-901SD 100W機に改造したもの。入手したが、パワーが20W程度しか出ないとのことでお預かりしました。

WARC付きでディスプレーがアンバー色、ディマー付きなので、最終モデルですね。YAESUは同一機種でもいろんなバージョンが有って、修理屋泣かせなのはこれまでの経験から・・・。

実際に稼働させ、現在の状況を把握すると・・・。

①パワーは40W~60Wは出ている。
②SSBだとALCはちゃんと振れる。


②の状況から、ドライブは正常に掛かっており、そこまでは問題無いと判断できます。怪しいのは、ファイナル球がボケている、Sg電圧が低い。この2つに絞れます。

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推測は当っており、送信時のファイナル6146B Sg電圧を測定すると、160Vと低く、これでは100W出ないです。さて、Sg電圧を低減させる条件を調べると・・・。

①FSK,  AM,  FMモードの時。
②28MHz帯バンドの時。


この2つで、まずは①の条件において、LSB, USB, CW時になぜ低減されてしまうかチェックから捜査開始。モードスイッチ部は配線がスパゲッティ状態でワケワカメ・・・。1本、1本入念に回路を追ったところ、こちらは問題なしとなりました。

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では28MHz帯パワーダウン回路ということで捜査すると、明らかに間違ってました。どうやら、10W⇒100W化する時に配線を間違ったようです。最終的には写真の黄色い線を直接接続することでOKとなりました。


<WARCバンド送信開放>

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送信テストをしている時に10/18/24MHzが送信不可になっていることが判明しました。さて??  どこにも資料が無く、配線図とにらめっこしながら調べていくと。。。ダイオードカットとかではなく、バンドスイッチの配線変更が必要だということがわかりました。

左が作業前、右が作業後です。

後から気がついたのですが、FT-101Zも同様なようです。

その他、トラッキング、マーカー発振器周波数調整、カウンター部リファレンス周波数調整などを実施し、完了としました。上から見るとスッキリしているのですが、裏から見ると配線がごちゃごちゃで手ごわかったです。

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2017年5月 6日 (土)

MFJ-259 電源逆接

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MFJ-259 アンテナアナライザー、電源のプラス、マイナスを逆接し動作しなくなったとのことでおあずかりしました。

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非常にメンテナンス性が悪く分解するのも一苦労な機種です。やっと分解できて目視チェックすると・・・3端子レギュレーターが壮絶死してしまってました。交換したところ、カウンター部は働きましたが、発振しないようで、まだ動作しません。

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回路の電圧を調べたところ、A点の電圧が高くQ3がONになっていないことがわかりました。このMOS FETは、発振回路にAGCをかけて発振出力を一定にするものです。ゲート電圧も来ていなかったのでOPアンプが不良であると推測できます。

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LM324、幸いにも手持ちがあり、またソケット式になっているので交換してみたところ、元気に発振が始まりました。逆接で、これも壊れたようです。

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また逆接すると同様なことが起こるので、基板パターンをカットし、逆接防止ダイオードを取り付けることとしました。これで安心です。後継のMFJ-256Bはちゃんとこのダイオードが入れてありました。

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左側が50Ωのダミーロード(SWR=1.0),  右側が100Ωの抵抗(SWR=100/50=2)、メーター指示が正しく出るように再調整し各バンド別に発振するかを確認し、完了としました。

当機種は、原因究明より、分解/組み立てに時間が掛かってしまいました。ややこしい構造をしています。

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2017年5月 1日 (月)

2017 ALL JAコンテスト

Allja

今年も参加しました。部門は例のごとくC50H。
昨年比較で、マルチは落ちてしまいましたが局数的には上回ったので、同一レベルといったところです。Esも発生せず、GWの伸びも不安定でコンデションは良くなかったようです。

更に・・・

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日曜日の昼ごろ、ご覧の通りノイズで完全にホワイトアウトしてしまい、ある程度信号が強くないと全く取れない状況に陥ってしまいました。

昨年の6Dでもこのような状態になったのですが、天気がよく快晴で乾燥した日、そして春先から真夏にかけてよくこんな状態になってしまいます。

レアなマルチ(鳥取など)は、昼間はこういう状況になることを踏まえて夜中にアンテナを振ってCQ出していたのでなんとかGetできましたが、最悪な状態なのでした。

大人気なく500WでCQを出してたので、当局をコールしても無視されるとか、取れないという状態が例年より多発したことと存じます。

コールいただいた各局、ありがとうございました。

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