FT-1011 送信できない
YAESU FT-1011 誘導雷があり、受信ができるところまで修復したが、送信ができないとのことでお預かりしました。誘導雷に当たった機種は、お受けしない方針ですが受信ができるとのことだったのでなんとかなりそうという判断でお受けしました。
当機種は初めてで、何台も修理している FT-1021X と同等なんだろうと思っていたのですが、基板がプラグイン式になっており、全くの別物です。どちらかと言えばFT-1000MPに近い感触です。
診断するとICが流れるので、ファイナル部は壊れていないと見当を付け、その検証のため、LPF部の前から出力を取り出してパワー計、ダミーロードを接続してみると、正常に出力されるので、ファイナル以降に問題があると判断できました。
次に通るLPF部に問題があるのは確実です。この状態で、動作させ、LPF切り替えリレーが動作するか診てみると、動作しません。ここで出力がブロックされていることを確認。
リレーの駆動回路を調べてみると、バンドデータ(BCDコード)は正常に届いているのに、リレーが動かない・・・BCD to Dicimalデコーダ4028とリレードライバーが不良になっていることをテスターで突き止めました。
交換後のバンド別リレー動作確認を兼ねて、動画撮影してみました。バンドスイッチと共に、リレーがカチカチと正常に動き出したことがおわかりかと思います。
しかし・・・まだパワーが出ません。LPF通った以降にも、まだ不具合が残っています。
入念に調べたところ、送受切り替えリレーが働いておらず、リレードライバーQ6001が不良であることを確認し、交換しました。しかし、まだダメです。リレーが動きません。
またまた慎重に調べたところ、リレーのサージ吸収ダイオードD6006がショートモードで破壊されており、これも交換することでようやくパワーが出て来るようになりました。
オーナー様は、送受切り替えリレーとSWR検出ダイオードを交換したとのことなので、誘導雷でこの基板内のそこらじゅうの部品が破壊されたことになります。
プラグイン式なので細かい調整はできませんでしたが、各バンド毎に送受問題無いことを確かめ、完了としました。
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