FT-901E, FT-101ZSD 修理/整備
表題の通り、FT-901E と FT-101ZSD の修理/整備依頼がありお預かりましました。まずは、FT-901E から。ヒータースイッチを入れるとヒューズが飛ぶとのこと。オーナー様は、内部をチェックされ、焼損している箇所を写真撮影して同梱いただきました。
FT-901E という機種はデジタル表示ユニット無しの100W機で、901発売当初の少ないロットで製造されたもののようで、ある意味、貴重なのかもしれませんね。
<FT-901E>
オーナー様が指摘してもらった基板で抵抗が焼損し、取り外されたようです。
配線図を見ると、ファイナル6146BのCgバイアスに関係しているものです。取り外したままだと、Cg=0Vなので過大電流が流れ、ヒューズが飛ぶということです。これが、焼損する理由/原因もスグにピンと来ました。
悪名高きYAESUブランドのキャラメル型マイカコンデンサーの絶縁不良。ドライバーの12BY7Aのプレートは約300V印加されており、このコンデンサを通ってバイアス回路に逆流し、抵抗が焼損したというカラクリ。6146Bカットオフ時は -120V となるので、420Vが常時加わっており、キビシイ条件であることは間違いないですが、YAESUの他機種も含め、この形のコンデンサは、ほぼ100%絶縁不良を起こすようです。
キャリアポイント、キャリアバランス、その他一連を調整、チェック。24時間エージングを実施、問題ないことを確認し、完了としました。
<FT-101ZSD>
100W化されていません。ある意味、HF機の10Wモデルは珍です^^。
トラッキングがズレていて送信と受信のピークが合わないとのこと。確かにズレており、再調整します。
その他、多数のVR, スイッチ類に接触不良があり、接点復活剤、接点洗浄を実施し、なんとかまともに動作するようになりました。
エージングしていると、VFOが数百Hzズレ、また元に戻るという症状(QRH)を確認しました。まずはVFOのメカに注油したり、VFO供給電圧変動などを調べましたが問題ありません。
VFO内部となると少しやっかいです。
そうこうしているうちに、RITを入れるとこの妙なQRHは無くなることを発見。RITを使わない時のバリキャプ電圧が不安定であることを突き止めました。(これを特定するに3日を費やしてしまった・・・)
RITゼロ点調整用の半固定VR接触不良と、RITスイッチ自体の接触不良が原因でした。
マーカーの発振周波数も結構ズレがあり、その他一連の調整を実施し24時間エージングを行い問題ないことを確認、完了としました。
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コメント
901のファイナル回路にはトロイダルコアが使われているのですね。コア表面にはワニスも塗布されています。
投稿: jf3lop | 2017年2月11日 (土) 19時30分
初めまして國吉です沖縄県FT-101zsdですがメーターの交換際にAMの基盤がシャーシ触れショートしてしまいその後、電源入れると度にヒューズが飛びます。修理依頼を検討して貰いたくお便りしました。宜しくお願いします。
投稿: 國吉 盛男 | 2020年10月12日 (月) 11時27分
初めまして國吉です沖縄県
FT-101zsd(改)です。
電源入れると度にヒューズが飛びます。Sメーターの交換際AMの基盤がシャーシ触れショートしてしまいました。それ迄は問題無く使ってました。修理依頼を兼ねてご連絡しました。宜しくお願いします。
投稿: 國吉盛男 | 2020年10月12日 (月) 11時45分
修理、メンテ等は現在受け付けていませんのでご了解願います。
投稿: JF3DRI | 2020年10月12日 (月) 20時12分