TS-780 2台修理
TRIO TS-780 2台の修理依頼です。1台は、センターメーターが動かない、もう一台は送信が出来ない、モードスイッチがぐらぐらということでお預かりしました。
<1台目>
スケルチも正常なので、セラミックディスクリミネーターか、その前のIFTが不良であるしか考えられず、部品入手困難なため、回路を眺めたところダイオードでリミッターを掛けてあるの外して、メーターの振れを良くする作戦としました。
結果は、写真の通り少し振れが少ないですがセンターがわかるようになり、これでご勘弁いただくことにしました。
<2台目>
当機種は、メモリーバックアップに乾電池が使ってあり、その液漏れが非常に多く発生する機種で、ごたぶんに漏れず電池ボックスを交換してありました。しかし、漏れ出た腐食性の液体をきっちりと取り除いていなかったせいで、天板の裏と基板に腐食が回っていました。
あと、これを掃除し処理している時に、腐食した電池ボックスのカケラが転がり出てきました。どうやら、このカケラが回路のどこかをショートさせて送信できなくしていたようで、きれいにしたところ送信が問題なくできるようになりました。
<共通: Fズレ調整など>
特に2台目は、水晶の特性が経年劣化で変化し、トリマーで調整しきれなかったため、トリマーと並列に抱かせてあるコンデンサーを除去することでようやく合わせ込むことができました。
430MHz帯のリファレンスも再調整。また、IF基板に付いている41.560MHz合わせのトリマーも大幅ズレがありました。このトリマーは非常にクリチカルで、写真に写っているものでは、先端の金属が触れるだけでズレするので、セラミック製の調整ドライバーでないと合わせ込みが難しいです。
その他、受信系のIFTも結構なズレがあり、調整することで、ずいぶんと感度がよくなりました。
| 固定リンク
「無線機修理/リストア」カテゴリの記事
- ほこりまみれのきったないラジオを発掘したので・・・(2021.04.12)
- 私は超能力者ではありません、普通の人間です。(2021.03.24)
- ファイナルが飛んだ2mリニア LA-2065R、別トランジスタに(2020.12.08)
- 1200MHz機の豚のしっぽは交換するほうが良い(2020.11.26)
- IC-PS35のN110 【CDS+ネオン管】は不要か?(2020.09.13)
コメント