« ワンチップマイコンPICに足をつっこむ | トップページ | TS-120S, TS-120V 修理 »

2017年1月15日 (日)

TS-780 2台修理

780_00

TRIO TS-780 2台の修理依頼です。1台は、センターメーターが動かない、もう一台は送信が出来ない、モードスイッチがぐらぐらということでお預かりしました。

<1台目>

Ts780_02

センターメーターが動かない・・・しかし、FMの受信は正常で十分な感度もあります。テスターで当たって見ても電圧は正常。メーターアンプのFET (2SK192A) が不良であることも考えられるので、交換してみましたが問題ありません

780_01

780_02

スケルチも正常なので、セラミックディスクリミネーターか、その前のIFTが不良であるしか考えられず、部品入手困難なため、回路を眺めたところダイオードでリミッターを掛けてあるの外して、メーターの振れを良くする作戦としました。

結果は、写真の通り少し振れが少ないですがセンターがわかるようになり、これでご勘弁いただくことにしました。

<2台目>

780_03

780_04

当機種は、メモリーバックアップに乾電池が使ってあり、その液漏れが非常に多く発生する機種で、ごたぶんに漏れず電池ボックスを交換してありました。しかし、漏れ出た腐食性の液体をきっちりと取り除いていなかったせいで、天板の裏と基板に腐食が回っていました。

あと、これを掃除し処理している時に、腐食した電池ボックスのカケラが転がり出てきました。どうやら、このカケラが回路のどこかをショートさせて送信できなくしていたようで、きれいにしたところ送信が問題なくできるようになりました。

780_05

モードスイッチがぐらぐら状態。取り付けナットが緩んでいて、締め直しを実施。当機種のギミックであるFM CHにするとメインダイヤルがクリック感を持つ機構も絡んでいて、結構難しい作業でした。

<共通: Fズレ調整など>

780_07

まずはPLLユニットの10.24MHz±10Hzを合わせる作業。2台とも結構ズレがありました。

Ts780_12

特に2台目は、水晶の特性が経年劣化で変化し、トリマーで調整しきれなかったため、トリマーと並列に抱かせてあるコンデンサーを除去することでようやく合わせ込むことができました。

780_06

780_08

430MHz帯のリファレンスも再調整。また、IF基板に付いている41.560MHz合わせのトリマーも大幅ズレがありました。このトリマーは非常にクリチカルで、写真に写っているものでは、先端の金属が触れるだけでズレするので、セラミック製の調整ドライバーでないと合わせ込みが難しいです。

その他、受信系のIFTも結構なズレがあり、調整することで、ずいぶんと感度がよくなりました。

|

« ワンチップマイコンPICに足をつっこむ | トップページ | TS-120S, TS-120V 修理 »

無線機修理/リストア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: TS-780 2台修理:

« ワンチップマイコンPICに足をつっこむ | トップページ | TS-120S, TS-120V 修理 »