TS-120S, VFO-120 整備
TS-120S, VFO-120の整備依頼で、お預かりしました。
・周波数ドリフト (QRH) がある。 (両方とも)
・VFO-120でスプリットすると1.5kHzズレする。
・CWフィルターの取り付け。
・その他、各調整、チェック依頼
まずはドリフトから診てみます。
冷えた室内(気温15℃台)で電源スイッチを入れ、そのまま1.5時間放置してみました。
内蔵のカウンター(カウンター自体のリファレンスも動くので100%正確とは言えませんが)で見たところ、 -700Hz 周波数が落ちました。(室温は21℃に上昇)
最近の無線機と比較すると「大変なQRHを起こしている!!」と感じられると思いますが、TS-120Sの仕様は
[ 電源ON 1分から1時間まで最大1kHz, その後30分当たり100Hz以内 ]
となっており、仕様上のスペックに入っています。時間経過後の100Hz以内も大丈夫です。これはアナログ式VFO (LC発振器) のため、これ以上の精度を出すのは不可能に近いのです。
7MHzあたりで
「あなたの無線機は100Hzズレました。修理された方が良いですよ !」
なんてイヤミ言われたら・・・。
「私の無線機にはQRHする機能があるのです!! すごいでしょう !」
と自信を持って返答しましょう。
実際に「10Hzズレていると言われました、故障していると思いますので修理してください」なんていうナンセンスコールが時々あります。QRHというものが死語となり、おまけに1Hz単位までデジタル表示になってしまっているんで、そう感じるものと思いますが、自分の無線機の安定度/周波数確度をマニュアルで確かめてください。
100万円するロレックスのゼンマイ式腕時計より、1000円で売ってるオモチャのクオーツ式時計のほうが時刻を刻む精度が高いのと同じです。だからと言って、ロレックスがダメとは誰も言わないでしょう。
VFO-120、確かにRITがゼロ点より大きくズレてしまってます。この調整は、写真の半固定VRで修正することができます。この半固定抵抗が接触不良を起こしていたのが原因でした。
同梱いただいた、CWフィルターを取り付けます。なお、装着するとコネクターを刺す位置の変更が必要となります。
その他、本体RIT VRのガリ、キャリアバランス、キャリアポイントなど再調整し完了としました。ただ、CWモードでALCの振れが少ないのではないかとの指摘もあり、いろいろとチェックしたのですが、決定的な原因はつかめず、定格パワーは出ているので問題無しと判断致しました。
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