FT-401S レストア
YAESU FT-401S ファイナルの6JS6が壊れたので修理して欲しいとの依頼があり、お預かりしました。非常にきれいな個体なのですが、40年以上経つ無線機であり、診断していくと多数の不具合が見つかり100%完璧にとは行きませんでした。
エンブレムはFT-401Sですがファイナルは2本、しかしオプション類は入っていないという構成です。
まずは終段管6JS6Cが壊れた理由、それはすぐに解りました。過去に実施した当方の401Dと同じ故障です。ドライバー段からカップリング用マイカコンデンサの絶縁不良⇒Cg電圧上昇⇒IP増大⇒真空管が不良⇒Sg抵抗焼損・・・この故障パターンです。
13MΩと大きな値のように見えますが、真空管の場合、グリッドのインピーダンスは非常に高いため、このリークは致命的です。
同様にドライバー管12BY7AのカップリングコンデンサもNGでした。これまでにいくどとなく事例がありますが、YAESUのキャラメル型マイカコンデンサは、ほぼ100%絶縁不良になるようです。
オーナー様はNECの6JS6Cを手配、同梱いただきました。当初はGE製のはどうかと打診が有ったのですが、GE製はCpgが大きくて中和が取れない可能性があります。
401系の中和は重要で、ヘタなことすると発振したりハイバンドでパワーが出なくなったりするので要注意です。

SSBモードにしてテストすると、キャリア漏れが酷く、1W以上ありサイドバンドサプレッションは20dBぐらいしか取れていません。これではダメ、キャリアバランスを再調整しようしたのですが、追い込むことができません。
更にチェックしていくと21MHz, 28MHzで受信感度が落ちることがあり、調べたところバンド切り替えスイッチの接触不良がありました。接点洗浄や復活剤吹付けをやったみたのですが、接点自体が劣化しているようで、完全に修復することはできませんでした。
ファンの音が大きいので、分解してベアリングに注油しようとしたのですが、イモネジが固着してしまって外すことができませんでした。
今回交換した部品です。
ここまで1週間以上かかってますが、このクラスの古い無線機は、半年以上かけてゆっくりとリストアしていくのが良さそうです。
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