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2016年7月

2016年7月22日 (金)

FL-2100B 整備

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YAESU リニアアンプ FL-2100Bの修理依頼です。パワーが出にくく整備して欲しいとのことでお預かりしました。オーナー様は、送信管572Bを2本も準備していただており、真空管不良だったら交換して欲しいとのこと。

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まずは目視チェック。すぐに気がついたのは、パラ止めの抵抗が焼損して
しまっています。

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取り外すと、片方はボロボロ、灰のような状態となっていました。


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過去、自作の4-400Aアンプでいろいろ実験したところ、セメント抵抗でも使えることを確認しています。念のため、LCRメーターで測定してみたところ、インダクタンス成分は殆どありませんでした。

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内部清掃も兼ねて、更に目視確認。インターロックスイッチに付けてある47kΩがハデに焼損しています。これは、RF部のカバーを外して電源ONしたために、47kΩに2,400Vが印加され、瞬間的に破損したと考えられます。
このインターロックは電源OFF後の電源平滑コンデンサーのディスチャージを目的としており、電源ONしたまま外すと、焼損/断線し、高圧が印加したままになりますので、大変危険、安全対策としては不十分な設計です。


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バンドスイッチも相当な汚れがあったので接点洗浄しておきます。


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真空管や、内部も清掃し、きれいにします。


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裏面をチェックしていたら、バイアス調整用のレオスタット紙が残っており、レオスタットとしての働きを全くしていていないことを発見。これは製造時のミスですね。出荷検査時にバイアス電流を測定しなかったのでしょうか??
紙が残ってスライダーが絶縁されている状態だと、バイアス点が深くなるけど、IPが少なくなるが流れ、パワーも出るのですり抜けたのかもわかりません。

ここまで整備し、動作させたところ、正常にパワーが出ますがIPメーターの振れが異常に小さい。200mAしか流れていないのに500W出てくる・・・。IPメーター回路に何か不具合があります。

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原因はIP測定のメーターシャント抵抗がショートして抵抗値が低くなっていることでした。写真右側のように巻き直しすることで正常になりました。

真空管もそれぼと劣化しておらず、まだ十分使えそうなので交換の必要はなさそうです。

思ったより、あちこちが劣化、焼損しており修理には時間がかかってしまいました。無理にパワーを絞りだすような使い方はダメですが、400W程度に押さえて使うなら、このFL-2100シリーズは良いアンプだと思います。

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2016年7月18日 (月)

FT-1021X パワーが出ない

1000_00_2YAESU FT-1021X もうこの機種も何台目の修理になるのでしょうかね。
症状は下記の通り。

・パワーが出ない。
・送信にするとICメーターが振りきれる。
・  〃    ALCメーターも振りきれる。


何度も記事に書いているように、FT-1021X, FT-1000Dの送信不良はファイナル系が多く、まずはPAユニットからチェックすることにしました。

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PAユニットを取り出して全てのトランジスター、抵抗を目視およびテスターでチェックしても問題ありません。ここまで取り出すのも結構時間がかかります、既成概念にとらわれてはイケませんね

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そこでICメーターがなぜ振りきれるか調査開始。もし、ホントウに振りきれるぐらい電流が流れると間違いなくヒューズが飛びます。ということは流れていないのに振りきってしまう理由を解明せねばなりません。
回路はシャント抵抗0.025Ωの両端電圧を見ているだけです。動作状態にして、IC+, IC- の電圧を診たところ、30Vと6.5Vと大きく電位差が発生してました。これではおかしいです。

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この IC+, IC- はOPアンプの作動入力に印加されており、この微弱な電位差でメーターを振らせる回路になっています。
30Vと高い電圧がかかっているのは、左図で示した抵抗が断線していると推測できます。

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AF基板の取り出しも膨大なハーネスが絡んでして結構大変。部品は強敵チップ部品です。

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場所を特定し、テスターで測定してみると、目論見どおり断線してしまってました。これが原因です。チップ抵抗は手持ちが無いので、リードタイプをなんとか装着。

これで完了かと思ったのてすが、ダメでした。

  今度はメーターが逆に振りきれる!!

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ICのゼロ点調整VRは、上記の配線図に示したとおり付いているハズなんですが。ジャンパーしてあり、ありません。

「ゼロ点調整できないやん!!」

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仕方無しに、配線図どおりに半固定抵抗を追加し、ゼロ点調整できるようにし、メーター逆振れを回避、ゼロに合わせこむことができました。

IC電流が流れすぎると、ALCも同時に働き、パワーを抑える二重保護になっていたため、ALCメーター振りきれは、これで同時に解消されました。

最初の写真の通り、200W出力を得ることができるようになりました。その他、いろいろと調整を実施し、完了としました。

<おまけ>

・ゼロ点調整が付いていない理由。

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別のサービスマニュアルをダウンロードして診たところ・・・そのカラクリは、誤差0.5%級という精密抵抗を用いて、調整を省くよう回路変更されていたせいでした。他も相当回路が異なってます。

YAESUさんの無線機は、ロットによって回路が異なることが多々あるので修理屋泣かせです。いや、これはYAESU社の文化なのかもしれない。(勘弁して欲しい!!)

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2016年7月 4日 (月)

2016 6m AND DOWN コンテスト

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今年も6m AND DOWN コンテスト参加しました。昨年より大幅に局数/マルチを落としてしまいましたが、こちらでは下記のような状況でした。

・開始直後はグランドウェーブ(GW)の伸びが良くなく、ALL JAの悪夢再来かと。
・しかし、夜が深まると共にワンエリアの信号が強くなって、よく聞こえるように。
・深夜になっても、そのコンデションは一向に衰えず、ワンエリア連続13局
 ログイン
となる場面も。調子に乗って午前4:00までやってしまった。
・ノイズも少なく非常に快適。神奈川の P (5W)局とも交信できた。
・一方、開始~夜中はEs, Scが発生する気配無し。
・6:30から参戦(目が覚めた、自分でも信じられない)。まだGWは伸びている。
・9:00を過ぎて太陽が高くなってきたらノイズが出てきて弱い信号が取りづらく。
・9:50 ようやくEs発生、沖縄から呼ばれる
・12:00 になって、北海道とのEs発生。探しまわって数局をログイン。
・北向きのEsは北海道のみで、青森/秋田あたりは全く聞こえない。
・このころからノイズが極端に増加
・こんな状態。ホワイトアウトみたいな・・・。

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・それでもCQ TESTを出していたんだけど、コール貰うも取れない。
 (後でJA2YKAメンバーがコールしたのに取ってくれなかったとお小言^^)
・貴重な鳥取マルチ、JR4FLW/4局を苦労してGet (お手数おかけしました)
・また、関東で唯一埋まっていなかった山梨県からコールもらった。
 これも、苦労してなんとかQSO成立。
・コンテスト終了と共に、この妙なノイズはきっぱり収まった、いったいなんなんだ。

QSOいただいた各局、ありがとうございました。昼ごろの私の耳は最悪であったのは否めません。

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2016年7月 2日 (土)

チェコスロバキアからの大嘘付きSWLカード


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チェコスロバキア届いたSWLカード、なんと昨年の全市全郡コンテスト50MHzでQSOしたJH9DRL/2局とのレポート。内容は間違っていません。

こんな時期に50MHzでEuが開ける訳ありません。このLog情報はJARLへE-mailで送ったのみであって他人が知り得ることはありえなく、どこで漏洩したかは全く不明。

このSWL、大嘘付き野郎です。50MHzでJAとEuがQSOするのにどれだけ大変なことかも知らずに。

HF帯でもあちこちのJA局に届いているらしく、クラスターとか見て適当に送付しているだけのようです。

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