YAESU FT-736M 50/144/430/1200MHz、CWフィルターとフルオプション実装した25W機です。オーナー様からの故障状況と要望は・・・。
1.FMが全く受信できない。
2.メインダイヤルがスムーズに変化できず飛ぶことがある。
3.メーター照明ランプ切れ (LED化して明るくなるようご要望)
4.電源ユニットの電解コンデンサ交換要望
5.内部をチェックしたところ何か液体が入った痕跡があるのでチェックして欲しい。
とのことです。
<1.FMが受信できない>
まずは内部を開けてみると・・・。 (5.の液体の侵入)
これはいけません。筐体天板の放熱スリットから、なんらかの
腐食性が非常に強い液体が侵入したようです。まずは、この錆びを除去し、基板のパターン切れが無いかを入念にチェックしました。
そして、部品面もルーペでチェックすると・・・
ひどく腐食したパーツを発見。これらを交換しましたが、まだダメです。この基板はRX UNITでFMが受信できないことに関係しています。
信号の流れを追っていくと、FM検波に届いておらず、
IFTが不良(2次側巻線が腐食により断線)していることがようやく解りました。
こんなIFTは
入手困難。455kHzなので、そこらのジャンクAMラジオ基板から移植する方法も考えたのですが、寸法が中途半端でダメです。
FM使えないのは制約が高いので悩みまくって、可能性がある方法は無いかと知恵を絞り出しました。
そこで思いついたのがコレ。1次側は生きているので、多少の
インピーダンス不整合は承知の上、Cで2次側と結合するというものです。
目論見どおり、見事にザー音が出てきてFM受信できるようになりました。幸いにも感度低下もそんなに感じられません。これでFM受信OKとなりました。
<2.メインダイヤルの動作>
全面パネルを分解してエンコーダー部を調べたのですが、ブラックボックス化されていて手を付けることができません。。配線図にも記載がありませんし、
残念ながら修理不能です。
<3.メーター照明ランプLED化>
そのままLED化したところ、どうも暗い。メーター照明は電球のサイド側からの明かりを主に取っているようで、前方に光軸が出るLEDではダメのようです。そこで、
LEDの頭をヤスリで削り、サイド側に光が照射するように加工しました。
取り付け後はこんな感じ。これでも、目に見えて明るくなったという感覚にはなりませんでしたが。。。FT-757やこの無線機のメーター照明は、下からなので仕方ありません。
<4.電源ユニット電解コンデンサ交換>
ネット検索すると、多くの症例が出てきますね。現状、問題ありませんが写真の3つが良く液漏れするようで耐圧が50Vのものに交換しておきました。
<5.その他>
受信チェックをしていたところ、430MHz帯の
下位ループPLLが不安定なことに気が付きました。この基板の取り外しが結構たいへんでしたが、VCO再調整で正常となりました。
他のバンドも再調整し、パワーチェック、リファリンス調整、全面パネルツマミ洗浄して完了としました。ただし今後も腐食が進む可能性があり別の部分に不具合が生じる可能性はあります。
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