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2015年12月

2015年12月26日 (土)

HL-1KFX Power MOS-FET破損交換

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東京ハイパワー HL-1KFX プロテクションが働いてパワーが出ないとのことでお預かりしました。

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送信状態にしたところ、アイドリング電流が全く流れません。また、電圧をチェックしたところ、ゲート電圧がゼロ。Power MOS-FET MRF150が破損しています。

MA/COM製のMRF150が付いており、一度交換した形跡があります。ハンダ付けも怪しく、ショートさせた痕跡もあり、そのあたりが破損につながったのでは?? とめぼしをつけました。破損しているので、交換する必要があります。

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オーナー様がMA/COMのMRF150を手配していただきました。このFETは、MA/COM社やMICROSEMI社がセカンドソースとして製造しているので、入手は割と楽です。

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交換完了。4本中、3本がNGでした。交換するにおいて、取り付けビスのトルク不足な箇所もあったので、やはり、前回の交換に問題が有ったものと思料致します。

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マッチド・クアッドを使った訳ではないので、バイアス電流の設定は重要です。前回の該当機種修理記事にも書いたとおり、このアイドリング電流設定VRは非常にクリチカルで、テクニックを要します。ヘタすると、ドカンと電流が流れ、またFETを破損する可能性もあります。
(回路設計が良くない)

その後、10分間の連続出力テスト、エージングテストなどを実施して完了としました。

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2015年12月19日 (土)

IC-820D 液晶交換・・・だがしかし・・・

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アイコム IC-820D 液晶表示ユニットの交換依頼。オーナーさまがトライされたようですが、途中で断念されたようで、ばらばら状態で届きました。

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最低限の配線をして電源を入れてみたところ、このような状態です。これはダメですね。IC-736と共に、このネガ液晶は劣化しやすいようです。

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同梱されていた、交換用ポジ液晶とフィルターしかし、これが悩む結果となるとはつゆ知らず・・・。

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リボンケーブルの配線やコネクター類が多く、結構やっかい。液晶は、異方導電性ゴムコネクタによって接続されており、ハンダ付けは不要なところはGood

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交換したものの、正常に表示されません。FMモードを選択したのにLSBとか、TONEを入れるとLSBCWとか・・・。
施工失敗、間違ってしまったかと再度分解してみるも問題無し・・・悩みまくり・・・。

サービスマニュアルから部品番号を調べてみると、オーナー様が同梱いただいた液晶は IC-821用 のもので、IC-820とは異なっていて、別のところが表示されてしまうというカラクリでした。 (ワタシは間違っていなかった!)

IC-820用 ⇒ FTD-12525AAH
IC-821用 ⇒ FTD-15518ABH


アイコムには、もうこの液晶のパーツ在庫はありません。周波数は正常表示されるので、オーナー様より、このままの状態でOKの了解を得ました。

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リボンケーブルの接触不良があり、送信にならないトラブル等がありましたが、なんとか解決。その他、リファレンス周波数のズレがあったので、調整し完了としました。

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2015年12月13日 (日)

JRC NRD-72 受信機周波数変わらず

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JRC 船舶業務用受信機 NRD-72 、ダイヤルを回しても周波数が全く変化しないとのことで修理依頼がありました。

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左のMHzダイヤルはちゃんと変わりますが、全く変化しません。コントロール回路はCPUを使っておらず、4000シリーズのCMOSロジックのみで組んでありました。

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メインダイヤルを回してもロータリエンコーダーからパルスが出ていません。受光素子であるフォトダイオードが不良であることを突き止めましたが、代替品がありません。

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オーナー様と相談し、エンコーダー自体を市販のものと交換することとしました。購入したのはコパル電子の1回転50パルスのもの。A相、B相の出力となっています。

このエンコーダー出力を上記配線図のA点、B点に接続することで、すんなりとUP/DWNするようになりました。形状が異なりますが、オーナー様は金属加工が得意で、ご自分で対応するとのことです。その他、調整できるところは再調整を実施し、完了としました。

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2015年12月 4日 (金)

ミズホMX-7S Sメータ振りきれ

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ミズホ MX-7S ピコ7、修理不能だったIC-732と同一オーナー様のもので、Sメーターが振りきれて受信もできないとのことでお預かりしました。

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過去に一度だけ、ピコシリーズを診たことありますが、挿入部品を非常に高密度で実装してあり、表面実装とは別の意味で修理が難しい機種 (私だけかもしれませんが・・・) です。

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回路を追ったところ、Sメーターは、IF段のデュアルゲートMOS FETのソースを見ているようで、RF出力と切り替え無しに兼ねる巧妙な回路を採用していました。Sメーターのゼロ点調整は、ちゃんと半固定抵抗が付いており、大幅にズレていたようで、調整することでゼロ点に追い込むことができました。特殊な半固定を使っており、これは故障すると代替が難しそうです。

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送信は正常動作しました。再調整しましたが2Wに届かないままですが、このパワー計も小さい出力は数値が信頼できるものではなさそうなので、これぐらいなのかもしれません。

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IC-732 修理不能

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アイコム IC-732 初顔です。特別な理由があって、どうしても修理して欲しいとのオーナー様からの依頼。送信/受信共にできないとのことです。

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外観上は IC-736 と同じなので、該当機種から50MHzを削除したものと思っていたのですが、全くの別物。中身は、IC-721やIC-723に近く、PA部の放熱板も同一でした。挿入部品の基板とチップ部品基板が混在しており、ちょうと移行期だったのでしょうか。海外品番はIC-737らしいです。

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何も受信できないというのはローカル発振が停止またはミキサーに加わっていない・・・とメドを付けて調べてみると、なんとDDSユニットのクロックが発振しておらず、出力もありません。カスタムICが不良であってこのDDSモジュールを交換するしか修理方法は無く、誠に残念ですが、修理不能となってしまいました。

これまで多数の修理をやってきましたが、DDSユニットの不良は初めてです。

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