FT-1000MP 送受できない
YAESU FT-1000MP かつてはDXペディションで使われ一世風靡した機種ですね。修理するのは初めての機種となります。 どこか受信しているようだが、ダイヤル回しても変化せず、送受不能ということでお預かりしました。
まずは初めての機種なので、回路ブロックやら配線図を入念に調査。70.455MHz⇒8.215MHz⇒455kHz⇒DSPという構成になっていることを理解。ダイヤルを回しても受信できないということは、ローカル発振器がNGってこと。0.1~30MHz、どこを受信してもNG、VCOは切り替わるが・・・。
スペアナで1st Local信号を見ると・・・こりゃダメだ。PLLロックしていない。
そこで、ローカル発振部を重点的にスペアナ、オシロで確認。ひとつひとつ当たっていくと、VCOと位相比較する信号が全く来ていないことが判明。
外観からわかりませんがIFTのハンダ不良が原因でした。
再ハンダを行うことで、VCOはバッチリとロックし、正常になりました。
この機種を触ってみて、さすがに MP と名を付けていることだけあるなぁと。
私的には、大変良く出来ている無線機だと感じました。下記のようなこと。
・メンテナンス性に優れている。
⇒チップ部品使っているけど、詰め込みではなく余裕ある実装なので、
修理は案外楽。
・内蔵SW電源は、ヤエスが設計したもんでなく電源メーカOEM品
⇒ICOMのスイッチング電源はNGだけど、信頼性ありそうなガッチリしたものが
付いている。
・放熱板が余裕
⇒100W機でこれだけ大きな放熱板が付いているならフルデューティでも
いけそう。FT-1000Dの放熱板は小さくて最悪。比較にならない。
・DC 12Vファイナル
⇒FT-1000D, TS-940, IC-775DXなどはIMD特性重視で28V系を採用して
いるけど、どうしても壊れやすい。12V系の石は、特性重視ではない
けど壊れない。
ペディション等の悪条件でも故障せず、これだったら耐えそう。
・全体の質感が安っぽくない。
IFゲインが高すぎてセットノイズが多いとか、キークリックがあるとか欠点もあるようですが、これならまだ現役での使用に十分耐えうるな と感じた無線機です。
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