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2015年9月22日 (火)

FT-690mK2 FL-6020 パワー出ず

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YAESU FT-690mK2 パワーが少ししか出ない、音質がおかしいと言われたということでお預かりしました。オーナー様は、FL-6020を繋いでいるのに2.5Wしか出ないので、その後に50Wに上げるHL-66Vの入力ATT抵抗を削除して運用されていたとのことです。

まず、調べてみると殆どパワーが出ません。FL-6020の送受切り替えリレーも動作していないようです。細かく調べていくと、TXB(送信時に+Bが加わるライン)が送信にしても電圧がありません。

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左側の写真の赤いリード線は、HL-66Vのスタンバイを行うためにオーナー様が引き出したもののようです。このリード線をよく見ると、上蓋と本体の間から強引に引き出したため、挟み込みこまれて、リード線が破損し、シャーシとショートしてしまったようです。

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更にこのラインの回路を調べると、全面にあるコントロール基板から送信時のみ電圧が来るようになっていました。上記のリード線がショートしたため、ON/OFFするトランジスターが破損、電圧が来なくなったためと解りました。

このトランジスタは表面実装だし手持ちに無いため、オーナー様がジャンク品として同梱してくれた、もう一方のFT-690mK2から基板ごと移植することとしました。

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つづいて、FL-6020を診ると、本体に接触すべきバネが入った3本あるピンの1本が曲がっていました。歪んだまま、強引に取り付けたからと思われます。取り外して、なんとか修復することに成功しました。このピンはALCがフィードバックする端子のようです。

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FL-6020の中身も開けて目視チェック。問題はなさそうです。

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パワーが少なかったので、BPFを再調整することで、出るようになりました。このBPFか良くずれるようで、パワーが少ないといった症状のほとんどはこのズレのようです。

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最後に、HL-66Vのスタンバイ用電圧の取り出しですが、1kΩの抵抗を入れてショートしても内部のトランジスタが破損しないようにし、かつ挟み込みでリード線がショートしないよう、苦肉の策として、スピーカ取り付けビスを1本外して、そこから取り出すという方法としました。

古い機種なので、改造は問題ありませんが、現行機種を自分で改造した場合、メーカーは一切修理をしてくれないことがありますので、改造するときは、その回路がどのような回路か、ショートしても大丈夫かなど、きっちりと考慮する必要があります。

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コメント

 初めまして。
 私は、社会人現役当時から興味があったアマチュア無線ですが、定年退職をしてから念願の免許を取得した初心者です。
 今回、FT-690MK2に関する記事を読ませていただきましたが、大変参考になりました。
 私が所有している同機もパワーが出なくて困っていたところで、記事に従って調整を試みたところ無事復活しました。
 お願いがあるのですが、せっかく取得した免許ですので免許の上限の50Wで運用したいと考えていますので、リニアアンプを取り付けてSSB運用する場合の、スタンバイ端子を、本体のどこから取り出したらいいのかご教授いただきたくコメントを投稿させていただきました。
どうかよろしくお願いいたします。

投稿: 伊藤 実 | 2021年10月27日 (水) 07時04分

えーっと、この記事に書いてある配線図の通りで、そこから取り出せばOKです。

ただし、お使いになるリニアアンプによって、スタンバイ端子をアースとショートするのか、それともこの記事のように送信時に電圧を得るのかで変わってきますが。

投稿: JF3DRI | 2021年10月27日 (水) 10時07分

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