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2015年6月 4日 (木)

IC-729 受信音がおかしい

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アイコム IC-729 このモデルは初顔です。IC-726の後継機でHF+50MHzが付いた機種ですね。症状は「SSB, CW共にまともな音にならない」とのことでお預かりしました。

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動作させてみると、キャリアポイントがずれており、確かにまともな音になりません。写真のトリマーに付いている塗装がハゲでいるので、触った形跡があります。周波数カウンターで見ると大幅にズレており、再調整しました。
とりあえず、これで受信音はまともに。

総合テストを実施している時に1.9MHzでパワーが出ない不具合を発見しました。ファイナルのコレクター電流が流れているのに・・・。

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ふと気づくと、配線の噛み込みがあり、断線していることを発見。この線は、1.9MHz帯LPFのリレーのコントロール用で、これが原因であることは間違いありません。接続し熱収縮チュープで補修。

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しかし・・・ダメです。1.9MHzはパワーが出ません。そこで、リレー側を確認するため、ファイナルボックスを分解です。これは結構大変な作業。
外部電源を供給してリレーを動作させると正常です。ということは、リレードライブ回路

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リレードライブは、M54562Pが使われていました。1.9MHz時のみ、駆動電圧が出て来ないのでこのICが破損していることは確実です。
ちなみに、このIC、IC-4KLに使われていたもので手持ちがありました。

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交換することで、リレーが動作するようになり、TOPの写真の通り1.9MHzで100Wが出るようになりました。ICが壊れた原因は、噛み込みにより、リレー駆動電圧がショートし、過大な電流が流れたことのようです。

最終テストを実施したところ、CWモードで少しPBTが効きにくい症状が残りましたが、原因究明に至りませんでした。PBTを構成しているセラミックフィルターの特性が変わってしまっているような気もします。実用上、問題とならないので、これで完了としました。

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