TL-922 バンドスイッチ交換、他
TRIO TL-922 「ハイバンドでパワーが出なくなり、バンドスイッチの故障だと思われます」とのことでお預かりしました。久しぶりに3-500zを触ることになります。
【最初に梱包を開けると・・・・】
35kgを超える重量物。梱包状態が悪かったようで、残念なことです。これは、梱包の件もありますが、TL-922の構造上の弱点でもあるようです。本体のシャーシに固定せず、両端面のダイキャスト部に片持ち固定しているんで、弱く、海外ペディに運送した方も同様に折れたようで、TL-922を梱包する時は、上面が下になるようにすれば良いと教えてもらいました。
【中身を開けてみると】
3-500zを外そうとすると、片方が妙なとこからスッポ抜けてきました。熱でハンダが溶けてしまったようです。確かに、ずいぶんと使い込んでありくたびれていました。
【バンドスイッチの交換】
当初、判断ミスでバンドスイッチは悪くないと判断したのですが、最終テストで21/28MHzが出力しないことで発覚しました。
【回路のモデファイ】
RFC、コンデンサを取り除きグリッドベタアースに変更。そして、アースリターンの強化。
(こちらでやったのと同じ)
【新しいタマのインストール】
これもオーナー様が同梱していただいたものです。堅牢で、最も信頼性のあるAmperex製の3-500zペア品。貴重な品物です。そのまま、SW ONは危険なので、まずはAC200VのところにAC100Vを加えて10時間エージング。200Vの正規電圧として、更に10時間エージングを実施しました。
【その他】
遊んでいる訳ではなく、スタンバイリレーをON/OFFすると、OFF時にやけに火花が飛ぶので、あれっと思った次第です。これでは、リグ側のリレー回路を壊してしまう可能性があります。
ずいぶんと手こずりましたが、オーナー様がいろいろと準備していたたいたこともあり、無事に修理完了することができました。
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コメント
底板に切り欠きのあるタイプ(初期のもの?)はこれがガンですよね。我が家にも一台、こうなってしまった部品取り機があります。しかしこれをペディにお持ちになるとは、すごいバイタリティですね…僕には真似できませんHi それから我が家の患者さんもそうだったんですが、リレーのサージよけダイオードが入ってないのも、初期のもの?の特徴みたいですね。しかしそれが入ってない922図面は、見たことありませんでした。
それにしてもバンドスイッチの交換、できればやりたくない作業ですね。お疲れさまでした。Amperexの感触はいかがでしたか?
投稿: JI3KDH | 2015年5月26日 (火) 22時54分
TL-922もバージョンがあるの、初めて知りました。1kWは十分出力できるけど、ハードな使用には向かないのは確かなようで。
お預かりした依頼品なので、そこまでアタマが回ってません。最初の写真通りAmperexはIg=150mAで1kW出力でてきましたんで余裕ありそうですね。ただ、グラファイトプレートなので熱慣性が大きく、ファンディレー時間を長くした方が良さそうな気も。
投稿: JF3DRI | 2015年5月27日 (水) 11時39分
はじめまして、いつも拝見させて頂いております。
TL-922ゴム足部の破損の対応につきまして、
ご存じかもしれませんが、
ねじ穴部が破損した場合は、
側板を外し、天地振替えすれば、同じ個所にねじ穴があります。
側板は上下対称に製作してあるようです。
投稿: Hi-Mitsu | 2015年5月27日 (水) 13時09分
了解です。情報ありがとうございます。
オーナー様へ伝えておきます。
投稿: JF3DRI | 2015年5月27日 (水) 14時38分