« FT-102 やはりリレー不良 | トップページ | FT-707 発煙、コンデンサ焼損 »

2015年3月22日 (日)

IC-R7000 受信できない

7000_00

ICOM IC-R7000受信機の修理依頼。25MHz~1300MHzの広帯域受信機、この手の修理は初めてです。症状は 1.全く受信できない。 2.メインダイヤルがガタガタ

7000_03

7000_04


まず受信ができないところから。スペアナで調べてみると、PLLがアンロックしていてVCOがフリーランしています。詳しく調べたところ、リファレンスにしている12MHzの水晶が発振していません

7000_05

発振用のトランジスタを交換してもダメ。水晶をトントンと叩くと発振してくれますが、すぐに発振停止。電源ON/OFFによって発振することもあるが、非常に不安定。
結局、12MHzの水晶が不良でした。そこで、たまたま持ち合わせが有ったHC49Sタイプの水晶に交換してみたところ、発振を開始し、受信が再開されました。

7000_06

しかし、受信周波数が正確に合いません。また、100Hzステップでの周波数可変 (この水晶をVXOして可変している) が調整してもうまく可変範囲に入りません。R58がその調整VRなのですが、最小値にしても調整しきれないので、100kΩを220kΩに変更・・・しかし、それでもダメでした。
配線図から、この水晶は12.002MHzで微妙に異なり、12.000MHzではダメなようです。水晶を特注するとか方法はありますが、ここは修理不能として目をつぶってもらうこととしました。

7000_08

受信はするようになったものの、感度が悪い。SSGから-80dBmを入れてようやくSが振り始める程度と。
ふと、背面のNコネクタを見ると・・・こりゃダメだ。

7000_09

7000_10

Nコネの中心導体を曲げて接触するようにしてみても、まだ感度が悪い -90dBm程度がようやく検出という程度。コネクタを交換のため分解してみると・・・
          驚愕の事実が!!
ハンダが付いて付いていない。 これでも、VHF~UHFと高い周波数だとC結合で通り抜けるので、オーナー様は感度が悪いまま「こんなもんか」と使い続けてらっしゃったのでしょう。この菱型のタイプは無いので角座タイプに交換することで、感度ばグンと上がり、-110dBmが検出できるようになりました。

7000_01

メインダイヤルがガタガタ。これは、分解してみると、固定用のナットがかなり緩んでいました。また、汚れやホコリも多く、金属メッキのスイッチ類もサビています。

7000_11

7000_12

分解清掃、研磨することでキレイになりました。

|

« FT-102 やはりリレー不良 | トップページ | FT-707 発煙、コンデンサ焼損 »

無線機修理/リストア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: IC-R7000 受信できない:

« FT-102 やはりリレー不良 | トップページ | FT-707 発煙、コンデンサ焼損 »