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2015年1月

2015年1月22日 (木)

HL-1.2Kfx 高額に付き修理断念

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東京ハイパワー HL-1.2Kfx リニアアンプの修理依頼。修理料金が高額となり、オーナー様の意向で修理断念となってしまいました。 

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Power MOS-FET SD2933 のパラレルプッシュプルで構成されているのですが、4本共ドレイン<-> ゲート間がショート状態になっていて不良となってました。この石を探したところ、Mouser で販売しているのですが16,666円/本 (4本で66,000円以上) と非常に高価。

そこで、オーナー様と相談、出力が落ちるのを覚悟の上、比較的安価なMRF150で代用 (HL-1Kfx化) を試みたのですが、規格を良く調べるとパッケージの大きさが異なり、取り付けビスのスパン寸法が長く、放熱板に取り付けることができません。

ということで、誠にもったいなく残念ですがオーナー様の意向で修理中止となりました。

ゲートに50Vも印加すると、ドレイン電流がドカンと流れてヒューズが飛び、保護されるハズなのですが、何故4本共こんな故障のしかたをしたのか、そのプロセスは不明です。

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2015年1月16日 (金)

HL-200BDX パワーが出ない

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東京ハイパワー HL-200BDX 修理依頼。正常にパワーが出ないとのことでお預かりしました。 2アマの上限、200Wを出力できるリニアアンプとして大変貴重なアンプですね。東京ハイパワーが倒産した今、この仕様のアンプを入手するのは大変困難となってしまいました。

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回路は、THP120 (東京ハイパワー専用の形名で、東芝の2SC2879ではないかと言われている) のプッシュ・プルを2つ電力合成したもので、CB用の HL-200B などとは大違い、きっちりしたバンド毎のLPFも完備した「真の200Wアンプ」に仕上げられています。下の方に並んでいるTO-220パッケージのトランジスタのようなものは50/100W入力でも使えるアッテネーター。

まずは、電源を入れてテスターで各部電圧をチェックすると、片側のコレクターに電圧がありません。どこかで切断しているようです。

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原因はコレでした。外観から見るとヒューズは切れていません。しかし、端面を良く見ると溶断する線とヒューズの端面のハンダが浮いてしまっていることがお分かりかと思います。ガラス管ヒューズ自体の不良って結構ありますので、要注意です。
20Aの在庫が無かったため、半田付けをやり直して修復しました。

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ヒューズの修復で120W程度は出るようになったのですが、それ以上ドライブをかけるとプロテクションがかかってしまいます。1本トランジスタが交換してあり、そのあたりも疑ったのですが、結局プロテクションを動作させるスレッショルドVRを調整することで200Wオーバーの出力を得ることができました。

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2015年1月13日 (火)

Drake T-4XC パワーが出ない

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Drake T-4XC 送信機、パワーが20W程度しか出ないとのことでお預かりしました。この機種は初顔です。

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まず、回路を理解するため配線図を眺めました。プリミックス方式であることは解りましたが、これまで診てきた国産の真空管式無線機と大きく異るところが多数あり、かなり難解。
  1.ファイナルのカットオフはカソードを
    浮かせて。


  2.チューンを取る時はAFトーン発振器の信号で。
  3.ファイナルへのAM変調回路がある。

と特殊です。

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各種発振回路が正常動作してるかをチェック。バンドスイッチを回したところ、14MHz と 1.8MHz の局発用水晶が発振していないことが判明。TS-510Dでやった「叩き起こす措置」を実施したところ、14MHzは発振を開始しましたが、1.8MHzはダメでした。水晶を交換するか、回路変更するしか手はありません。


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当機種はAC120Vで働くようになっています。とりあえずはAC100Vで動作させ、チェックしていくとトラッキングが全バンドに渡って大幅にズレており、やり直したところ40W程度の出力が得られるようになりました。
しかし、いくらAC100Vで動作させているからと言って、40Wは少なすぎ。


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ファイナルボックスを開けて、目視チェックしたところパラ止めがどうもおかしい。抵抗が焼損しているように見えます。
それに、ちょっとこのパラ止めはコイルの巻き数が多すぎのような気も。




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パラ止めを自作し、交換してみました。交換することで出力は50Wを超えました。ファイナル球は6JB6のパラ。このタマは、モノクロ真空管TV用のスイープチューブでプレート損失が17Wしかありません。6JS6Cが30W, 6146Bが35Wですから、比較すると半分程度しかなく、能力的に見てもこの程度がせいっぱいなのかと思いつつ、スライダックを用いてAC電圧を115Vまで上げてみると、なんと最初の写真のように、ほぼ100Wをクリアしました。

かなりギリギリの動作なのでチューニング時間は極力短く、CW運用もほどほどにしないとタマのライフが極端に短くなりそうです。

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2015年1月 8日 (木)

FT-101ES パワーが出ない

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YAESU FT-101ES パワーが出ないとのことでお預かりしました。この機種も初ではありませんが、多岐に渡ったバージョンがあるし、直感的に修理ができないので時間がかかってしまいました。

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ドライブがかかっておらず、ファイナルのIPがアイドリング以外流れません。そこで、ドライバー管の12BY7A周辺をチェックしたところ、抵抗が焼損していました。配線図に赤字で書いていますが、なんと18kΩのところに1.8kΩが付けてあり、これでは5.1kΩが焼けるハズです。また、10μのパイパスコンデンサが付いていません。オーナー様に問い合わせたところ、動作しないものを入手したらしく触っていないとのことです。

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5.1kΩ, 18kΩが入手できなかったので、5.6kΩ, 20kΩとし、電解コンデンサも付けました。
これで、ファイナルのドライブがかかるように。
(10μ 315Vの電解コンは、バージョンによっては付いていないのもあるようで、もともと付いていなかったかもしれません・・・このあたりがYAESUのイヤラシイところ)

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出力がでたものの、不安定だったのでリレー接点の洗浄と、バイアス回路基板(オーナー様がコンデンサを全て交換したものを予め用意していただいた) を入れ替え、ようやく安定して出力が出るようになりました。

トラッキング、キャリアポイント、キャリアバランス等を調整し、完了としました。

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2015年1月 1日 (木)

新年のごあいさつ 2015

Nenga2

アクセスカウンターは135万を超えました。こんな拙いブログですが、読んでくざたる方がいるようで、大変嬉しく思ってます。今年も、なるべく頻繁に更新していきますのでどうぞよろしくお願いします。 
de JF3DRI 西村

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