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2014年11月

2014年11月17日 (月)

FT-707S 送信出力出ず

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YAESU FT-707S  この機種は新顔で、初めてとなります。質感も良く、メンテナンス性も優れており、ざっとみたところなかなか良い感触を得ました。回路はPLLではなくプリミックス方式になっており、たくさんの(バント毎の)水晶を使っています。

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送信出力が出ないということでお預かりしました。調べたところ・・・電源コネクターのところにジャンパー線が走っており、そこに電圧がありません。このジャンパーはトランスバータを接続した時にファイナルを切り離す役目をするようになっているところです。

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回路を追うと、AVRユニットに接続されており、リレーから出力される送信系の+B電圧が供給されていません。ネット検索するとリレーの故障も多くあるようですが、基板裏面に耐熱チュープがかぶっている抵抗が断線していることがわかりました。

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1Ωの金属皮膜抵抗で、後から追加された抵抗のようです。1Ωの抵抗が切れるってことは、回路がショートしているんじゃないかと、調べたのですが問題ありません。ネットからの故障事例ではタンタルコンデンサのショートモード故障もあるのですが。
 交換することで、ちゃんと10W出力が出てくるようになりました。

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最終チェックをしていると18/24MHzが送信できないことが判明しました。サービスマニュアルには、WARCバンド送信の改造方法(ダイオードカット)が書いてあるのですが、どこを見ても基板上のそのナンバーのダイオードがありません。おかしいなぁと思いつつ、配線図から追っていくとようやくわかりました。
この機種IC-707は、WARCバンド有り無しだけでなく、製造番号によって基板や回路が異なるようになっているようで、サービスマニュアルに嘘が書いてあるので信じてはいけません^^

結局、抵抗が断線した理由として、電源コネクターの端子がなんらかの原因でショートし、抵抗に過大な電流が流れて焼損⇒断線たものと推察されます。

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2014年11月 6日 (木)

TS-830 表示出ず/送受できず

830_00TRIO TS-830S 1月に修理した個体ですが、こんどは表示が出ず受信も送信もできなくなったとのことで再入院です。

830_04

 まずはスペアナで診てみると、ローカル発振出力がありません。VCOは発振しているのですが、VFOと連動して周波数が変化しません。・・・これはPLL回路のアンロックだと判断して診断していきました。

しかし・・・。

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VFOから順番に当たっていきましたが、特におかしいところはありません・・・。特定のバンドじゃなくて全バンドがダメなので、PLL自体の不具合と推測し、チェックしていくとバンドによって分周比を変えている74LS163BCDコード入力のところの電圧が9V以上もあり、また、バントスイッチを回しても電圧変化がありません。

そう、不良はここじゃないんです。

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原因は、カウンターユニットのDC 12VからDC 5Vを作っているツェナーダイオードがオープンモードで不良でした。オープンになったため、ロジックICの5V供給に対して10V近い電圧が印加されてしまって正常動作しなかった・・・ってことでした。
しかし、よくICが全滅しなかったなぁ・・・と。

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