FT-102 2台まとめて修理
<1台目>
この機種の持病であるリレーが接触不良となっており、RFユニット内の送受切り替えおよびプリアンプ用リレーを4個交換、手直しし、更にアンテナリレーも交換することで、とりあえずは動作するようになったものの、SSBがまともな音にならず調査したところ、原因はSHIFT/WIDTH の内部調整が大幅にズレており、再調整を実施で完治しました。
下側が1台目ですが、やけにメーターランプが暗く、ディマー調整があるのかなと調べたところ、そんなものは無く、ランプの配線が2つのムギ球を交換した際に直列に繋いであったことが原因でした。並列になるように配線変更すると今度は明るすぎだったので抵抗を入れて輝度を調整しました。純正のランプを使っていなかった・・・ってことでした。
(現オーナー様がこのようにしたのではありませんでした。)
<2台目>
同様にリレーを交換。1台目もですが、バンドスイッチ軸の下にあるリレーは高さがぎりぎりの状態で付いているため、互換性があるリレーをうまく取り付けることができず、分解して接点を洗浄する方法で対処しました。
アンテナリレーは、完全に切り替えせずの状態だったため、こちらも交換です。この交換も結構やっかい。ヘタすると、配線を切ってしまうので注意が必要です。
リレーを交換しても全く受信ができません。配線を追って調べたところ、後から追加されたようなLPFが入力回路に入っており、そこのマイクロインダクターが断線してました。0.26μHと小さな値なので、ラッピング線をくるくる巻いて自作で対応。また、そこのコンデンサも破損してました。アンテナリレーが不良だったので、送信出力が回り込んだ、又は誘導雷を受けたのかもしれません。
これで受信はできるようになったものの、プリアンプが全く効きません。増幅素子としてカスコード接続してある J-FET 2SK125 がショートモード不良となっていました。
(ますます送信出力の回り込み or 誘導雷が疑われる) 互換性のあるJ-310に交換することでバッチリ治りました。
続いて、送信テスト。・・・出力が全く出てきません。プレート電流はドライブによって増加してくれます。。。ということは、パイマッチ回路またはそれ以降の回路に原因があると見込んで、調べていたところ、なんとロードバリコンの2セクション目がショートしてました。
バリコンの羽根と羽根の隙間に金属クズでも入っているのかと思い、直流で3Aぐらい流す (挟まっている金属を焼ききる手法) をやってみましたがダメ、羽根をこすってしまっているようで無駄な抵抗でありました。
代替品も保守パーツもありません。本来ならここで 「修理不能!」 いや、それはもったいない。そこて取った対策は、2セクション目のみを使わないで1と3のみを使い、更に容量不足の懸念から150PFの固定コンデンサを追加する手法としたところ、なんとかローディングが取れるようになりました。(DRIオリジナル根性修理)
プリアンプ回路以外を配線図上で不良箇所を表すとこんな感じです。ちなみに、断線したマイクロインダクターと破損したコンデンサーがある回路は、1台目のFT-102には実装しておらず、改良のために追加されたもののようです。
今回の交換した部品たち。右が1台目、左が2台目です。特に2台目は、こんな多くの多臓器不全とは思いませんでした。
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コメント
終段の配置もTS-520と比べ、ホントパツパツに作り上げているのですね。PCBがスルーホールでないのが救いですね。
投稿: jf3lop | 2014年8月 9日 (土) 10時20分
すばらしい!
オーナーさんには,末永く使ってほしいですね.
投稿: JE1SGH | 2014年8月14日 (木) 08時43分