クラニシ BR-510D 修理
クラニシのアナテナアナライザー BR-510D 強い静電気が掛かり、UHF帯は動作するがHF~VHF帯が動作しなくなったとのことでお預かりしました。もしデジタル回路が故障していたら、修理不能という条件付きで。
クラニシも倒産して、修理不可能なんですね。
周波数カウンタがでたらめな表示をしているので、発振していないと判断。そこで、手持ちの自作ディップメータを発振させて、基板に近づけてみると・・・カウントが始まりメーターも振れました。発振回路の故障と断定です。
中身は基板が別れており、結構複雑な回路となっています。
写真は、発振回路の基板。ここの何かが不良となっていることは間違いありません。
簡略化された配線図はネットで見つけましたが、デジタル部分を大幅に削除してあるようです。また、UHF帯の発振回路も記述がありません。
それでも、HF~VHF帯発振回路はその通りだったので、重点的に調べると、矢印で示した 2SK998 というJ-FETがゲート・ソース間がショート状態になっていました。
このFETは、ネットで探しましたが入手困難です。そこで、規格を調べると自作派には定石 J-310 が近いことがわかり、3本共交換することとしました。
結果は思った通り、発振を開始しメーターが勢い良く振れました。しかし、微妙に特性が異なるせいか、周波数を可変していくと上端と下端で発振停止していまうレンジが見つかりました。それでも、150MHz以上がダメとかであり、アマチュア無線の各周波数帯は全てカバーしており、問題ないと判断しました。
サービスマニュアルが無いので、校正法がわからずそのままとしましたが、75Ωの終端を付けてみると、ちゃんとSWR=1.5 ( 75/50 = 1.5 ) を示し、完了としました。
| 固定リンク
| コメント (4)
| トラックバック (0)
最近のコメント