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2014年6月27日 (金)

IC-575D 過電圧印加

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アイコム IC-575D の修理依頼。運用中に安定化電源が壊れ、20V近い電圧が印加され、送信ができなくなったということでお預かりしました。
 当局も使っていた時期があり、その当時はFT-655と共に感度重視の無線機でした。PBTつまみがDATAレベルに変更になった後期モデルで、内部の空冷ファンにホコリも殆どなく、酷使された形跡はなく非常にキレイな個体です。


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調べたところPAユニットの入力までは、正常動作しています。過電圧でPAユニットのパワートランジスタが壊れたのは間違いなく、全滅していたら大変だなぁと思いつつ、このユニット単体を動作させて調べることとしました。


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注意深く目視すると、3段アンプ構成の前段のベースバイアス抵抗が焼損しています。前段のトランジスタ 2SC1971pp が破損しているのは間違いなさそうです。次段以降が壊れていないかをチェックするために、写真のコアにリンクコイルを仮に付けてそこからSSGで信号を入れたところ、パワーが出てきました。これで、後段は生きていると判断。


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オーナー様から中古の 2SC1971 を入手いただきました。当トランジスタは、非常に入手困難で、海外品はリマークした偽物が数多く出回っているので注意です。
狭いところに押し込んであり、苦労しましたが交換することでPAユニットが動作することを確認しました。


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さて、これで終了と思って、組み立てて受信してみると・・・何だかおかしい。音が濁って聞き取れない。ある周波数では全く受信できない・・・
ローカル発振器をスペアナで見ると、なんと2つの信号が同時に出てきてました。配線図を眺めるとVCOが3つあり、そのうちの2つが同時に発振してしまっている・・・ピンと来ました。


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その原因は・・・なんと、金属シールドと基板上のジャンパー線の間に、ハンダくずが入り込んでいて (正確には、シールド板の基板へのハンダが上部に盛り上がっていた) ショートしていました。 (左の写真の赤丸で囲んだところ。) これを見つけるのにどれだけ悩んだか・・・。
ぎりぎり、接触していなかったのが、私が分解した時になんらかの影響で接触、ショートしてしまったと考えられ、過電圧印加は全く関係なさそうです。

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この部分の配線図。①②③と受信周波数によってVCOを切り替えていく構成になっているのですが、矢印のところがショートして②のVCOが発振しぱなっしっていうカラクリでした。当初は Q20デジトラ のコレクター、エミッタ間ショートも疑い、交換しましたが当然、関係無かったです。


トリマーコンデンサによるVCOロックアップ電圧の調整、キャリアポイントなどの調整を実施し、完了としました。

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