IC-201 修理断念
IC-201 144MHzオールモード機。2台あるのは2個イチ修理でも、かまわないからやって欲しいとのことでお預かりしました。
「こんなの楽勝だわ・・・」とタカをくくっていたのですが、ところがどっこい、2個イチ対応もできず修理不能となってしまいました。
全く受信も送信もできず。FMはダブルコンバージョンになっており、2nd IFはかろうじて生きているという状態でした。そのような中、原因箇所を早く掴むため、2個イチの利点を利用して基板ごと次々と交換していったのですが、全くダメ。症状に変化ナシです。
それで、真剣にひとつづつ回路を追いかけたところ各ユニット基板どうじの配線がつながっていない箇所があるのを突き止めました。そして、そのユニット基板を配線してあるメイン基板を良く見ると・・・
各ユニット基板を接続するメイン基板から出ているコネクターに妙なジャンパー線がハンダ付けされていました。これは、当然ですが私が施したものではなく、お預かりした最初からこうなっていました。それも、2台共であり、至る所で、このような基板からコネクターピンに直接ハンダ付がなされてました。
これは過去に修理でアイコムのサービスが、このような処置をしたようです。メイン基板は両面になっており、このコネクターの反対側が半田不良になっていたので、このような対策をしたものと思われます。じゃぁ、なぜ、メイン基板を外して裏面からやり直しをしなかったか・・・その理由はピンと来ました。
「メイン基板を外すことができない構造となっている」
外せない・・・というのは間違いで、外すことはできるのですが、それをやろうとすると、全面パネルを含め組み立ててある全てのパーツを外し、なおかつ直接ハンダ付けしてある多数の配線を外す必要があり、膨大な時間がかかるのでアイコムのサービスは苦肉の策でこのような対策を取ったものと思われます。
同じ措置をしたのですが、治らず根本的な措置をしないとダメだったので、オーナー様に了解をもらって、修理を断念しました。全分解すると元に戻せなくなる懸念がありますし、それに費やす時間を考えると無理と判断したからです。ユニット基板どうしをジャンパー線で接続する方法もありますが、それも配線図の解析が大変ですし、本来の性能を出せるかどうか多くの懸念点があったからです。
という訳で、不本意ながら修理を断念としました。
| 固定リンク
「無線機修理/リストア」カテゴリの記事
- FL-7000 10年ぶりの再修理、メーターランプLED化(2024.10.20)
- 自作に適したファイナル DRI方式 SOT89 ⇒ TO220 変換(2024.04.18)
- FT-1000MP MARKⅤ バックライトLED化(2024.02.22)
- IC-2500 1200MHz PLLアンロック(2023.11.12)
- Collins KWM-2A の修理とTwitterでのプチバズリ(2023.04.30)
コメント
昔は修理することを考えないで設計したのでしょうかねえ。それとも時間が無限にある人用?時は金なりですからね。
投稿: kqh | 2014年6月 4日 (水) 12時37分
kqhさん
たぶん「メイン基板は壊れない」と想定して設計されたのでしょう。他のユニット基板は、単独で取り外せるようになっていて、メンテナンス性も良いですから。
投稿: JF3DRI | 2014年6月 4日 (水) 19時36分
こんなこと言うとアレですが、自分的には近ごろ立て続けにいけてなかったんで、西村さんでも断念ってことがあるのを知って安心したと言いますかなんと言いますか…え、一緒にするなって??
しかしこの構造はいただけませんね。僕でも楽勝やと請け負ってしまいそうですHi
投稿: JI3KDH | 2014年6月 4日 (水) 21時09分
修理した全てをブログに書いている訳ではなく、手に負えないものや、完全修理ができず中途半端で終わったものもありますよw
投稿: JF3DRI | 2014年6月 4日 (水) 22時49分