YAESU FT-102 前回修理をお受けした同じオーナ様所有の2台目。こちらは発売されて、すぐに購入したとのことです。故障内容は、前回と同じく受信感度が極端に悪いとのこと。
(最終的には、前回の3倍以上を時間を費やすことになってしまった・・・)
前回と同じく、リレーの接触不良。この機種の故障は、このリレー不良が全てと言っても過言じゃないくらいようですね。当個体は、前回修理したようにリレー単体を分解することができないオムロンG2E-187Pというリレーが使ってあり、交換するしか手法はありません。それに、 G2E-187P は製造中止となっていて、代替品は G5V-1 となっており、オーナー様に手配いただきました。しかし、大きさが異なりそのまま交換できません。(左の写真のように小さい) そこで、ピン足を曲げて加工し、基板に挿入することで対応することになります。
元付いていたリレーと同じ寸法に足を曲げて、狭い場所にある基板に取り付けるのは至難の業。4個交換するに、3時間近く時間を費やしてしまいました。
さて、無事に交換を完了して、受信もできるようなり、送信テストをすると、全くパワーがでません。配線図を見ながら、また3~4時間費やしたでしょうか・・・。その原因は、下側の基板を外した時に、配線材が引っ張られて、ラグ板への半田が外れていたことが原因でした。どこに接続されていた線なのか、全くわかりません。このワイヤーハーネスをかき分け、ようやく分かったのがDRIVE VRへの配線でした。色分けもしていないし、これは修理に酷な実装です、YAESUさんww
ようやく、パワーも出たし、これでOKかと再度、受信テストをしたところ・・・
1. どうも、まだ感度が悪い。
2. ノイズっぽくアンテナを付けなくともヘンなビートが受信される。
3. アンテナを接続しないでも強力な CRI北京放送が弱く受信できる。
これは、まだ何かあるぞ!! と原因調査を続行。その原因は・・・
上の写真を見て、お分かりですね。
製造出荷時から、こんな配線だったのでしょうか? それともこの部分をメーカが修理した時に間違ったのだろうか?? それは、わかりませんが、こんな状態でも一応、受信できるってのが高周波のなせる技、そしていやらしい所。デジタル回路だと、動くハズありません。これを発見するにまた2~3時間・・・
配線変更することで、受信感度も向上し、おかしなノイズもなくなり完了としました。
<追加>
10時間程度エージング。受信はOK 、じゃぁもう一度送信のテストってことで、ヒータスイッチを入れて送信にしたところ、プレート電流が振りきれてヒューズが飛びました。ヒューズを交換しても、また飛んでダメ。気を取り直して・・・再挑戦。
6146Bのグリッドバイアス電圧が、マイナス20V程度しかありません。しかも、ふらふらと動いています・・・。あちこち調べたところ、マイラーコンデンサーの絶縁不良が原因でした。テスターで測定すると、MΩ台を示すのですが、電圧を印加すると、リーク電流が増えるようです。
エージングの仕切り直しです。
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