東京ハイパワー HL-1KFX 修理
東京ハイパワー(THP) HL-1KFX 、ソリッドステート500Wリニアアンプの修理依頼があり、お預かりしました。
THP社は、周知の通り倒産してしまったので、修理できなくなってしまいました。そこで我が DRIラボ の本領発揮です。
異なったバンドスイッチで送信してまい、電源は入るがスタンバイが全く効かなくなったとのことです。分解して調べてみたところ、コントロール回路に入っている、特殊なヒューズが飛んでいました。調べると大東通信機というメーカのヒューズであることが判明し、オーナー様に手配いただきました。 (なんで、こんな特殊なのを使っているの?? )
ヒューズ交換で、コントロール回路は動作したものの、パワーが出ません。アイドリング電流が全く流れず、10W入れると3Wしか出てこなく、減衰器となる症状だったので、出力のPower-MOS FET MRF-150が故障しているとてっきり思い込んで、その旨をオーナー様に連絡し、オーナー様が手配してくださいました。
しかし・・・4個全てを取り外して、チェックしたところショートでもオープンでもなく、ドレインに電圧を印加し、ゲートに数100キロΩの抵抗を通してバイアス電圧をかけると、ちゃんと電流が流れ、正常です。
交換しても良いのですが、正常なものをわざわざ交換するのも、もったいないことなので、再度組み立てて、外部のCVCC電源を使ってやってみたところ、バイアスVRが大幅にズレており、どうやらこれが原因だと目安を付けました。
バイアス電流を約100mA/1本に設定、これが大変クリチカル。VRを回しすぎるとドカンと電流が流れてしまい、テクニックが必要です。この調整後、もう一度RF入力を入れてやってみたところ、約70W入力でぎりぎり500Wの出力を得ました。
このアンプの電源は、安定化回路が無く、トランスからブリッジ整流したまま大容量の平滑コンデンサを通しているのみとなっています。よって、電圧変動も大きいですし、プラス・アルファの出力は見込めないと判断しました。
| 固定リンク
「リニアアンプ」カテゴリの記事
- FL-7000 10年ぶりの再修理、メーターランプLED化(2024.10.20)
- (写真のみ、とあるブツ)(2024.05.19)
- RAYTHEON 6KN6=6KD6ではないかという考察(2023.02.14)
- リニアアンプ自爆スイッチ(2017.02.28)
- FL-2100B 整備(2016.07.22)
「無線機修理/リストア」カテゴリの記事
- FL-7000 10年ぶりの再修理、メーターランプLED化(2024.10.20)
- 自作に適したファイナル DRI方式 SOT89 ⇒ TO220 変換(2024.04.18)
- FT-1000MP MARKⅤ バックライトLED化(2024.02.22)
- IC-2500 1200MHz PLLアンロック(2023.11.12)
- Collins KWM-2A の修理とTwitterでのプチバズリ(2023.04.30)
コメント
東京ハイパワーのリニアアンプHL-1KFXを使用して、SSTVにオンエアしています。
14MhzのSSTV出力500Wでオンエアしていましたが、プロテクターランプDRIVEが点灯し動作しなくなりました。
SSTVは連続通信となりますので、ファイナルがいかれたと思います。
修理可能でしょうか
JN1VNW
投稿: 江森 忠男 | 2014年8月25日 (月) 11時47分
他のバンドでパワーが出るようでしたら、14MHz LPFの焼損、出ないのならファイナル破損でしょうね。
左上のカテゴリーにある
「1.修理のご依頼について」
をお読みいただき、その中に書いてあるアドレスにメールで連絡ください。
投稿: JF3DRI | 2014年8月25日 (月) 12時00分
こんにちは。当方、東京ハイパワー製リニアアンプ「HL-1.2Kfx」を使用しておりますが、「28MHz」で運用中、突然、『バシッ』と音がして、前面パネルの『FUSE(LED)』のワーニング・ランプが点灯し、電源が落ちてしまいました。取扱説明書によると、『パワーアンプ部上のドレイン保護用ヒューズ(15A)が、切れた時に点灯します。』および保護機能の記述として、「FUSE(ヒューズ切れ)」では、『パワーアンプの異常でパワーアンプ基板上のヒューズ(15A)が、切れた場合にこの保護が動作し、受信状態となります。この保護が作動した場合、パワーアンプ基板に異常が起こった可能性がありますので、弊社サービス課へ、ご連絡いただきますよう、お願いいたします。』とありますが、ご存知の様に、東京ハイパワーは、倒産して、連絡のしようがありません。新品時に保守部品(予備)として付属の「15A」のヒューズを使いました。(筐体のカバーを開けて、パワーアンプの基板上のヒューズ(15A)が、2箇所あるのを確認し、その内の一つが切れているので、取替えました。カバーをかぶせて、メインスイッチをオンにすると、同じワーニングランプが点灯しますので、再度、切れたヒューズを取替えました。同じ繰り返しを10回行いました。)が、結果は同じなので、「終段のトランジスタ」の『SD2933』×4個の導通をテスターにて、チェックしましたが、抵抗なしの「0オーム」となりますが、これは、どういう現象なのかが判りません。どちらに相談したらよいか分からず、このサイトを検索し、ここに記載しております。アドバイスやお答えを上記メールアドレスあて、いただけます様、どうぞよろしくお願いします。
投稿: 山田 寛 | 2015年3月25日 (水) 12時13分
東京ハイパワー HL-1KFX 修理の記事を拝見しました。
私もMRF-150を飛ばしてしまったので、VRF-150を4つ購入し交換しました。そのままでもほぼ500W出ていますが、調整をしようと思っています。
しかし調整する段階までいかないのです。半田付けを外してまで調整するとは思えません。メーカー製なので多分どこか仕掛けがあって(例えばFUSEをはずしてそこにメータを入れるとかetc)簡単に調整する方法があるのではと思っているのですが?解りません。
企業秘密でなければご教示ください。
投稿: ja1noj | 2015年12月 8日 (火) 11時21分
MRF150はエンハンストメント型のPower MOSFETです。Gate電圧がゼロボルトだとどうなりますか?
これがヒントです。
投稿: JF3DRI | 2015年12月 8日 (火) 12時15分
東京ハイパワー HL-1KFX 修理の記事を拝見しました。
私も電源が入るのですがパワーが全然出ませんそこで友人に修理依頼をしましたが回路図だけ有りません
もしあれば譲って貰えませんでしょうか
如何か宜しくお願いします
投稿: 北谷 憲茂 | 2019年1月25日 (金) 19時10分
北谷 徳茂さん、HL-1Kfxの回路図あります。まだお探しでしたら連絡してください。お送りいたします。
投稿: 川端 忠司 | 2019年3月26日 (火) 13時00分