FDAM-3 / TR-1100 修理
<FDAM-3>
「なぜVFOが2つあるの??」 最もな疑問です^^ 送信系は逓倍、受信系は、ヘテロダインを使っているから「キャリブレーション」を取ってからなのですね。当時は、当然の手順でした。
送信側のVFOが発振していませんでした。発振回路のFETに供給されるべく電圧がゼロ。回路を追ったところ、ツェナーダイオードとトランジスタのレギュレータが入っています。
そのトランジスタ (配線図に記載されてあるものとは別なもの、CDC8000が付いていた) が完全オープン状態。ツェナーダイオードもショート状態になっていました。このマーブルチョコみたいな石は、IC-71を修理した時も故障しており、古いアイコム機は疑ってみる必要がありそうです。規格が不明ですが、単なるレギュレータなので汎用で安価な PN2222A を付けたところバッチリ動作しました。
<TR-1100>
サイドポケットから、無線機に似合わない砲弾型のマイクが出てきます^^ このマイクに付いているスライドスイッチがPTTの働きをします。VFOがひとつのように見えますが、キャリブレーションは必要で、次期モデルのTR-1200からフルトランシーブとなりました。
ずいぶんと悩んだのですが、マイクアンプのゲインが著しく低下しており、これが変調が乗らない原因と判断しました。
メンテナンス製が悪く、不良箇所を診るためには、基板全体の配線やハンダ付けを外す必要があり、それを行うと2次被害が出る可能性があります。そこで、マイクアンプの回路をそのまま基板パターン面に作ってしまう方法としました。
とりあえず、変調は乗るようになりましたが、FDAM-3より変調が浅く、調べたのですが良くわかりません。この機種の変調ぐあいはこんなものなのか、マイクが劣化しているのか・・・。他にも個人的に手を加えたいところがありますが、骨董価値も十分ありますのでこれで完了としました。
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コメント
ぶろぐ ずっと拝見しています。FDAM3 懐かしいですねぇ。私が四国駐在の時に持って行った無線機です。この器械は本当にヒットしました。
内蔵のロッドアンテナで下宿や社用車からもQRV。香川県の五色山頂上でJA5の方々とアイボールしました。この時、JA5の方が持っておられたのがTR1100。偶然ですね。(笑)
JA-CQなどでは再び「AM復活」が記事になっていますが、QRPであれば割合簡単に電波が出せるのでアマチュアの自作には適当な題材でしょうね。
しかし、811A_PPなどでラックに組み付けまで出るようでは戦前の無線機そのもので、いささか??です。
こうなればe-bayあたりでBC610(いまやご存じない方が大半でしょうけど)などを探してくると喜ばれるかもですね。
投稿: JA3GN | 2014年1月11日 (土) 06時54分
懐かしいですねえ。
昔のローカルQSOの相手が使ってました。
TR1000も数局いました。
私はTR1200を使いました、周波数の確度が不足なのでJR310でモニタしてました。
FDAM3の周波数はよく動きましたHi
投稿: Yamada | 2014年1月11日 (土) 12時20分
50MHz移動運用 = FDAM-3という図式が有った時代ですね。現代の無線機と比較すると回路的には、AMラジオ + 逓倍式の送信機といった感じで、回路規模も1/10程度じゃないでしょうか。
BC610って 250TH がファイナルの送信機ですね。タンクコイルがプラグイン式になっていて、そのコイルが時々オークションに出ていました。
投稿: JF3DRI | 2014年1月12日 (日) 00時09分
FDAM-3、受信段のVFOが送信時は電源供給を切るようになっています。
これを常時通電すると、ちょびっとですが受信周波数の安定に。
回路図Q3下の500Ω左側を受信電源ラインから外し、常時通電ラインにつなぎます。
送信周波数のズレは、これも常時発振するようにして、リレー+コンデンサで発振周波数を飛ばして(受信の邪魔にならないよう低いほうに)あれこれしていました。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2014年1月13日 (月) 15時11分
JH3DBOさん
FDAM-3の配線図は、下間さんのWebでも発見しました。QRH対策は確かにそうすれば良さそうですね。ただ、今となってはQRHというのも死語みたいになっちゃったので、QRHする無線機も味があっていいのでは・・・と。 特に50MHz AMで使う場合、お互いが5~10kHzズレてQSOしていたなんてザラでしたからHi
投稿: JF3DRI | 2014年1月14日 (火) 23時27分