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2013年8月18日 (日)

FLDX-400送信機 修理

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 ヤエスの古い送信機 FLDX400 の修理依頼があり、お預かりしました。症状は、パワーが出ない、ヒューズが飛ぶとのことです。
 SSBの発生に455kHzメカニカルフィルターを使った機種、初めてです。・・・メカフィル分解修理まで至りました。


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 送信機だけのに、13球も使ってある・・・ 4回も周波数変換して目的のバンドに持ち上げている非常に複雑な回路構成をしています・・・ FT-401Dなどとは全く異なる回路ブロックです。



<送受切り替えリレーの断線>

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 プレート電流はちゃんと流れるのに、パワーが出ない。調べると送受切り替えリレーが断線していました。同じものは、入手不可・・・それに DC 100V で動作するリレーは手持ちに代用品がありません。


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 日本橋パーツショップを探しまくって、ようやく DC100V 密閉型リレーを見つけ、L字金具を利用して、このように取り付けました。 +Bである300Vから抵抗を通して駆動しており、オリジナルリレーと電流値が異なるため。その抵抗も計算し、新たに付け替えました。(15kΩ⇒24kΩ)



<メカニカルフィルターの内部リストア>

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 この機種のリストア記事をWebで検索すると、必ずと言って良いぐらい、国際電気のメカフィル内部のスポンジがぼろぼろになって修復する記事が出てきます。オーナー様に相談したところ「修復しておいて欲しい」とのこと。


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苦労して取り外し、中身を開けてみると・・・案の定、スポンジは、ぼろぼろべとべと状態。

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注意深く、スポンジを剥がし、IPA(アルコール)に入れてべとべとを落としました。組み立ては、スポンジを使わず、コットンを薄く裂き、巻きつける形としました。コットンは、年数が経ってもぼろぼろにはなりませんから。

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 ちゃんとフィルターの働きをしているか、インピーダンス整合を無視してスペアナ+SSGで特性を見たところ、ちゃんと特性が出ており一安心


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 ヒューズが飛ぶのはオーナ様が、定格より小さなものを入れてらっしゃったからのようで、定格の5Aに入れ替えることで飛ばなくなりました。その他、カップリンクコンデンサ(キャラメル型マイカ)の交換、中和、トラッキング、キャリアバランスの調整をして完成としました。

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