IC-4KL 修理第2弾・・・(3)原因解明
取説よりプロテクションが掛かる条件は下記の7つ。
1.放熱板の温度が90℃以上
2.電力合成のパワーバランスが崩れたとき
3.ALC電圧が規定オーバーしたとき
4.コレクター電圧が規定値を超えたとき
5.出力電力、入力電力が規定を超えたとき
6.エキサイターとIC-4KLのバンドがマッチしないで送信した場合
7.ALC接続していない場合、ALCレベル調整不良の場合
ガチガチですね、ホント。真空管だったらここまで必要ないのに。さて、どれに該当するか・・・もう一度、回路をチェックしたところ・・・
LPFの切り替えリレーが動いていない。
ことに気がつきました。要するに2SC2652ppを4基合成した出力がオープンした状態。上記の 「6.エキサイターとIC-4KLのバンドがマッチしないで送信した場合」 に該当していると判明。
リレーが働かない理由を回路図を見ながら追っていきました。
バンド毎のリレーは M54562P というICに接続。このICは何者なのか? 調べてみたところ内部でトランジスターをダーリントン接続してあるドライバーで、バンド別入力電圧があるのにONされず、リレーが働かないことが判明しました。
結局、この石が故障しており左図のようにしたところリレーが動作するようになりました。IC交換しても良いのですが、入手困難のようだし、リニアアンプON/OFFスイッチ(AMPLIFIERスイッチ)がOFFの時であってもリレーが動作していても問題ないと判断したからです。リニアを使わないときは、リニアの電源スイッチをOFFすれば良いことだし。
2つのドライバーICを通すっていうの、良くない設計のように思います。また、この故障と電源が故障したこととの因果関係は不明ですが・・・。
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コメント
DRIさん お見事!
投稿: 水島 | 2013年5月28日 (火) 15時03分
原因解明でよかったですね.
私もICOMのキカイでこの手のICのポート不良があったときに『親ガメの上に子ガメ』でディスクリートで組むという醜いことをやりましたが..Hi
このIC,マルツにはあるみたいですね.
投稿: Yamada | 2013年5月28日 (火) 16時16分
水島さん
例のカウンター修理で、デジタル系もなんとか診てやるという気力が付きました^^ 基板のゲジゲジを見るだけでしり込みしてましたけど^^
Yamadaさん
最初はディスクリートで組んでやろうと私も考えましたが、回路を追ったら「これでもいいんじゃ」になっちゃいました。
M54562Pは松本無線パーツでも販売されてましたが、コントロール基板の全てのコネクタターを抜いて両面スルーホール基板からの交換は2次被害のリスクがあると思った意図もあるからです。
投稿: JF3DRI | 2013年5月28日 (火) 23時51分