IC-731S修理・・・(2)送信不良の原因
送信MIXの後、10W PA部へのコネクターを抜いてテストすると、ちゃんと信号は出ている。PA部にSSGから直接 +6dBm程度の信号を入れてやると12Wぐらい出てくる。。。おかしいなぁ~と悩んでいたところ、たまたま、この機種独自の外部アンテナ入力ジャンパーを外すと、出力が弱いながらも正常な電波が出てきた。ピンと来たのは、送信時も受信回路が働いている・・・
送信時に、受信回路の電源供給をOFFするトランジスター、2SB562 のコレクター側に送信時も電圧が来て、受信回路が動作してしまってました。コレクター <=> エミッター間のショート。この先に故障したタンタルコンデンサーがぶら下がっているのではないのですが、道連れでショートしたと推定できます。左側の写真の通り、手持ちの一回り大きい規格である2SA1020に交換したところ、バッチリ直りました。
要するに、送信時にアンテナ入力を通じて、受信回路も同時に動作してしまい、発振していたってことです。
バックアップ電池も2.7Vと下がっていたので、交換しておきました。
今回の修理で交換した部品たち。
この後、キャリアポイントや、バラモジヌル点の再調整を実施。これで大丈夫だと思いますが、もう少し様子を見たいと思います。
前回にも申しましたが、この機種は小粒でぴりりと辛い、基本性能は良い機種と今回も触ってみて感じました。カンガルーポケットは例の如く壊れてました。
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コメント
はじめまして。ブログを拝見しただけで、いきなり731sの修理をお願いし、初対面にもかかわらず、快く引き受けてくださり有り難うございました。
ややこしい故障のようでしたが、素早い修理完了と機器の到着で、大変助かりました。
今後もどんな機器の修理状況がお目見えするか、ブログを拝見させて頂きます。
また、機会がありましたら、お世話にならせてください。
投稿: Abe | 2013年2月18日 (月) 17時43分
Abeさま
送信不調だったので、少しあせりましたがなんとか修理にこぎつけました。パズルを解くような感覚で、推理が当たったときはホッとします。
投稿: JF3DRI | 2013年2月19日 (火) 09時29分