IC-720A 修理 ・・・(3) 完治は断念!!
続きです。結論として、ダイヤルUP不具合、そして別の症状の修理も断念して現状 (とりあえずは使用できる) で修理を完了することとしました。理由はピン数の多いデジタルICの交換に関して・・・・
・両面基板を使っているため、専用工具
(半田吸取り機など)が必要であり吸上げ
電線で行うと基板パターンの剥離なとを
引き起こす懸念がある。
・内部に湿気が掛かった形跡があり、基板自体が水分を吸収し、リークを起している
可能性も否定できず、IC交換しても完治する保障がない。
・上記の理由で2次被害が発生し、全く動作しなくなることも考えられる。
ということです。その他、多臓器不全を起しており、修復した箇所とできなかった箇所を次ページに記します。10Hzステップで使うと、違和感なしでUPができるし、修理はここまでとし、オーナーさまへ返却することと致します。
※てっとりばやく言うと、DRIラボの修理能力では限界です。
<ATTスイッチを入れると、全く受信できなくなる>
このユニットの中に入っているリレーの接触不良が原因でした。こんなリレーありませんので、取り外して分解、接点の清掃を行い、修復しました。
<ゼネカバ受信時1.6MHz以下の低い周波数で受信不可となる>
<PLLのロックアップタイムが長いバンドがある>
明らかにPLLユニットの不具合で、調整を試みましたが、弁当箱が3段積みになっているような構造になっていて、PLLユニット一番底。右の写真のところまで分解、取り出してみましたが、接続コネクターが短くて動作させたまま調整するのは不可能(コネクタ延長ケーブルが必要)なため、これも断念。無理です。
<28MHzの100W 化>
これもずいぶんと回路を追ってようやく解りました。写真の青色の線をカットすればOKです。これは完了。
※なぜ、あのようなメンテナンス性の悪い構造をしているかの考察
この筐体、モノバンド機の IC-251,IC-551 と同じなんですね。そこに、無理やり機能が盛りだくさんで複雑な回路をぶちこんだからだと推測できます。こうせざるを得なかったのだろうけど、修理泣かせの構造です。
※この機種に関しては、今後、修理は受け付けないこととします・・・所要時間、20時間、徹夜一回・・・メゲました^^
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コメント
いつも拝見しています。当機10年ほど前から受信機として使用しており、不具合多々あるため勉強して修理しています。ロータリーリレーの掃除も含めて1年ほどしてやっと半分くらい治りました。ご承知の通りえらい構造ですので残りの道も長そうです。しかし少しずつやり遂げていくと確実に自分のものになっていくような気がします。
IF基板は半田クラックが多発しているようなので半田付けをやり直していますが音と泡を立てながら吸い込まれて行くので製造時から半田の基板への吸い込みが良くなかったのかもしれません。
とにかくえらいリグで技術も含めて自らのものにするという気迫と根気がなければ治せそうにありません。根気は途切れ途切れでものろのろ歩んでいきます。
投稿: k-murak | 2018年3月25日 (日) 19時49分