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2012年12月18日 (火)

FT-401Dのリストア・・・(暫定完)

401_19

 YAESU特有・・・すなわちスイープチューブである「6JS6」を使ってあることに対するノウハウが未熟で、大変思い悩むことがあったのですが、なんとかまともな動作するようになりました。
(6JS6はキライだ^^)


401_16

 このバリコンの調整・・・すなわち「中和」で てこずってしまいました。どのような状況だったかと言うと・・・

 ・21MHzまでは100W出力する
 ・28MHzが全く出力でない・・・
  - IP=400mAなのに20W程度
  - プレートVCを回すと時折発振

なぜこうなるのか不明、あたふた。中古の 6JS6Aが不良なのか・・・などなど悩みまくり状態でした。結論からすると、中和の調整がズレていたってことです。で、その合わせ方がTRIOばかり (要するに6146B/S2001) やってきた私にとって感触が全く異なっていたのが原因です。中和がズレると発振するなんて、そしてあまりにもこのVCの調整がクリチカルだったことも添えて、考えられなかったからです。

先の 6SJ6C がああいう状態になった (東芝のグリーンベルト品なので新品に交換してあったのは確実)のは、交換した際に中和を取らず、ハイバンドでチューンを取ろうと長時間送信したからと推察できます。(ペイントで固めてあり、調整した形跡が無い)

ある意味、6JS6A を使いこなす上で中和が重要なポイントとなることは今回勉強になりました^^

さて・・・まだあります。

401_17

 受信していると時折「ごそごそ、ガリガリ」。収まって10分ほどしたらまた「ごそごそ、ガリガリ」・・・
 こういう症状の修理は難しい。RF AMPの 6BZ6 を抜いてやってみても同じ。だから1st MIX以降だと見当が付いた。1st MIX (6CB6) のグリッド電圧を測定すると、ふらふらと動いている・・・Sg 電圧も。このあたりとめぼしを付けて調べたところ、原因はカップリングコンデンサである20PFのディップドマイカの絶縁不良でした。 (写真の中央にある緑色のやつね) 取り外してテスターの抵抗計で見ても正常を示すのでやっかいです。

交換して 「ヨシ、完璧だ!!」 と安心したのもつかの間。今度は、ファイナルのアイドリング電流が大きくなって、調整VRでは落とし込めなくなってしまいました。これはピンと来た・・・12BY7A6JS6Aとの 「ヤエスブランドのカップリングコンデンサだ」 と。今までなんとも無かったのだが、中和の調整で送信を繰り返したせいか、こっちも絶縁不良、交換してOKとなりました。
SSBもバラモジを調整したぐらいで、モニターした限りでは歪は無く、大丈夫のようです。

401_18

  交換した部品たち。これから、他の部品もポツポツと不良になり、この機種も 「修理の無限ループ」 に突入していくことでしよう^^

(次回はスプリアス測定しますね。)

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コメント

 中和がずれると発振する…は例の重箱本にありましたので知っていたつもりでしたが、21と28でそこまで差があると自分では永遠に中和までたどり着かなそうです(^^;

 DC100Vの例のリレー、新品がご入り用でしたら複数個在庫ありますので、いつでもどうぞ。

投稿: JI3KDH | 2012年12月18日 (火) 20時52分

お疲れさまです。
やはり、無限地獄みたいな気がしてきました。どこぞの400/401レストア記事を読むと、コンデンサはほとんど交換しないとダメみたいな話だったので、まさかと思っていましたが…。
うちのFTDX401レストアもそろそろ再開しますので、いろいろと参考にさせていただきます。なお、キャラメルだけは最初に交換しました。片方は明らかに死んでました。

投稿: JH7CSU/1 | 2012年12月18日 (火) 22時28分

JI3KDHさん

いやはや・・・6JS6や6KD6などのスイープチュープは、送信管じゃないのでCpgが大きく中和は必須ってことでしょうね。Cpgが大きくなると中和を取るのがクリチカルになるのは当然のことです。

DC100Vリレー、了解です。これ、真空管のプレート電流でコイルを駆動しON/OFFしているんです^^

投稿: JF3DRI | 2012年12月19日 (水) 12時30分

JH7CSU/1 さん

某SNSではお世話になっております。「電解コンデンサは消耗品」というのが定説ですが、全て大丈夫でした。確かに交換するのも良いけど、動作する古い部品を残すっていうのもレストアの方針ではないかと思います。壊れたもののみを交換・・・この方針だと、ますます「修理の無限ループ」になっちゃうけど。

FTdx-400のレストア、がんばってください。同じ轍を踏まぬよう中和はお気を付けて^^

投稿: JF3DRI | 2012年12月19日 (水) 12時37分

ドレークのT4XCなんかのT4シリーズの送信機にもスイープ管が使われていて、中和をきちんととらないと途端に発振します。とても使いにくいですよ。

投稿: JF3LOP | 2012年12月30日 (日) 18時39分

ドレークの終段管はそうですね。6JB6の2パラと3パラがあったと思いますが・・・。
FT-dx401は6KD6 x2 なので更に中和が難しいのかも。SSBにおいて6146/S2001よりは歪みが少ないとのことですが。

投稿: JF3DRI | 2012年12月31日 (月) 16時17分

DRAKEの送信機には、中和を取る際にTS-520なんかにはあるファイナルのSG電圧を切り替える機構がありません。これも非常に調整のやりにくさのひとつなのです。

投稿: JF3LOP | 2012年12月31日 (月) 22時02分

JF3DRIさん はじめまして。こんにちは。鹿児島市のJK2NNU/6です。
FT401Dの記事大変参考になります。ありがとうございます。
FTDX401を手を入れながらローカルと和文CWで現役使用中です。
基板上のリレーが送信で固着するようになりました。
記事の中にリレーのことがありましたので譲って頂ければと思い連絡した次第です。連絡をお願いします。

投稿: 蒲地 勝 | 2015年10月14日 (水) 00時52分

DC 100Vリレーは一般的に販売されているので、パーツ店でお買い求めください。

投稿: JF3DRI | 2015年10月14日 (水) 01時51分

いまヒット中の映画「君の名は。」の高校のアマチュア無線部の背景にFTDX401がでてきます。おおきな画面でないと確認できないかもしれません。

投稿: JH4WBY | 2016年12月 5日 (月) 12時56分

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