TX-88Aのリストア・・・(測定編)
<バンド毎のスプリアス特性>
(3.5MHz)
3.579545MHz水晶そのまま、逓倍なし。第2高調波は-39dBとぎりぎりアウト? でも、3倍以降はキレイに落ちている。
(7MHz)
2ndステージで2逓倍する構成。第2高調波は-40dBでセーフ(?) 3.5MHzの基本波(低調波)も少し出ているが問題ない。
(7MHzその2)
スパンを50MHzまで広げてみた。これも、3倍はキレイに落ちており、それより高次のスプリアスも無い。
(14MHz)
このバンドから1stステージが同調回路(3.5/7MHzは非同調)となり、1stステージのプレート側で7MHz同調(2逓倍)、2ndステージで2逓倍となる。第2高調波は -43dB 。ただし、3.5MHzの高調波が乱立し、目立ってきた。
(21MHz)
1st ステージ7MHz, 2ndステージが3逓倍で21MHzとなる。第2高調波より、1st ステージの7MHzが低調波として多く出ている。 (-39dB)
(21MHzその2)
こんどは、1stステージに7MHzの水晶を用いて21MHzを得てみた。(2ndステージが3逓倍) 低調波は少なくなって第2高調波レベルが -46dB と実用範囲となった。
(28MHz)
上記と同じく、7MHzの水晶を用いて1st ステージで14MHz, 2ndステージが2逓倍で28MHzとなる。第2高調波は、-48dB落ちて大変良好。
上の測定値を一見すると、簡単に目的周波数を得ているように見えるかもしれないけど、実はそうではない。逓倍に合った周波数にバリコンをまわして同調させないととんでもない周波数が出力されたり、発振を起こしたりする。同調のテクニックは必要・・・
写真は21MHzを出そうと誤って18MHzが出てしまった例。8W近い出力が簡単に出てくる・・・スプリアスも多いし、大変危険です。
<総評>
どちらかと言えば思っていたより、スプリアスは少なかった・・・
(もっと多いと予測してた)
パイマッチの効能なのか? ただし、パイマッチのプレート、ロードVCの調整方法によって、スプリアス(高調波や低調波)の発生具合が大幅に変わる。特に、ロードバリコンを抜いて最大出力に持ってくるとスプリアスレベルが大きくなることを確認。プレート電流は60mA近辺とすべきで絞りだすような調整法はまずいということがわかった。(古い教科書に書いてますね。)
※長くなったので変調具合は次回とします。
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コメント
測定結果を興味深く拝見しました。元トリオの設計陣はなかなかのものでしたねぇ。
大昔のTV-IFが15m付近だったこともあって、やたらTVIに出会ったような気がするのですが、電波法の基準には そこそこ適合していたとは驚きです。
ΠマッチはLPFですからロードVCを抜いて無茶をしない限り高調波抑制に効果があるのでしょう。
低調波の抑制は初段の同調回路が鍵でしょう。Qを上げることは難しいですからLC2段とか双同調回路を入れるといいのでは。もっとも、調整に手間取ることになりますけどねぇ。Hi
今後の展開を楽しみにさせて頂きます。
話は変わりますが またTX310が来ました。今度は水没品ではありませんので西村さんを見習ってリストアしてみるかなとも思っています。
目下、疲れを癒すため温泉治療中で長年の垢を落とし、乾燥中。同調用のゴムベルトは疲労のため落伍していました。さて どうなりますか、お知恵拝借を願うかもしれませんので宜しくです。
投稿: JA3GN | 2012年11月23日 (金) 06時21分
山崎さん、おはようございます。
リストア記事はネットで多く見かけるのですが、スプリアスを測定したデータがどこにもないので、やってみたかったのです。
思っていたより良い結果だったので驚きですが、ダミーロードでの測定ですし、実際にSWRが高いアンテナを接続すると悪くなるんてしょうね。
あと、8MHz台6逓倍の50MHzがどんな特性をしているか? です。これの外部VFO-1をいじくっているのですが、別途書き込みたいと思います。
TX-310了解です。TS-520のチェーンによる機構部品が有ったハズなので探しておきます・・・使えるかどうかわかりませんが。
投稿: JF3DRI | 2012年11月23日 (金) 09時56分