IC-760PRO電源故障・・・完了
入手したのは、サンケンの 2SC4140 と オリジナルの 2SC3162 。 2SC4140は、IC=18A, PC=130Wと2SC2307より規格が大きいものです。いづれも、VCBO= 500V で、200~240V ACを整流したものをスイッチングする用途に設計されたものです。@350円と@250円だった。
破壊した方のトランジスターのクローズアップ。ダイカストの放熱板とコレクターがリーク、炭化してショートし、トランジスターが破壊したのが理由のようです。AC100Vを倍電圧整流した電圧が印加されるので、じわじわと絶縁不良を起こしていったのでしょう。シリコンシートも炭化している。
もう片方も、完全ショート状態になってました。外してみると、何故だかこちら側だけ、銅板が挟んであります。放熱を良くするためなのか・・・理由は定かではありません。
取りつけに当たっては、熱抵抗を極力減らすため、シリコングリスを塗布。付けすぎはいけませんが・・・
ポリカーボネートビスが無かったので、絶縁ブッシュを介して金属ビスで取りつけました。耐圧に懸念があるかもしれませんが、強く締め付けできるので放熱性はこちらの方が良いかと・・・。
びくびくしながら、仮接続して電源ON!!
バッチリ動作しました。このままで、送信(負荷を掛ける)したり、数時間のエージング。大丈夫でした。
こんな感じで、取り付けてあります。デカイ無線機なので、作業は楽。電解コンデンサーの交換も考えたのですが、メンドウなので今回はやめ^^
おまけで、電源の配線図を。古い人間 (?) だと、「あっ、コレSEPPそっくりじゃん」 とピンと来るのではないでしょうか? 入力トランスでドライブして中点(配線図間違ってますね)からコンデンサを介して出力トランスへ。その後整流。こんな回路、今ではもう、使われないですね。
それと、この回路にあるN110というヘンな部品が鬼門なんです。まだ、壊れていないけど。
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コメント
いやぁ凄いですねぇ。悪魔祓い完了ですか。オメデトウ御座います。
お祓いに必要なお供えものがTR2個とは的確な選択ですね。
お祓い終了時には「やったぜ」というエクスタシーが得られたでしょう。
なお、暫くの間は無線機の棚に「**のぎょうざ」をお供えして悪魔のリベンジに備えましょう。
くれぐれも食べてはいけません。効果が無くなります。
投稿: JA3GN | 2012年6月23日 (土) 04時18分
こんにちは
>この回路にあるN110というヘンな部品が鬼門
そうですね,ネオン管とCDSなんですが,こいつが劣化しますと起動しなくなります.
私の場合は無理矢理フォトカプラを突っ込んだんですが..スマートじゃないですね(汗
投稿: Yamada | 2012年6月23日 (土) 06時26分
JA3GNさん
今回修理できましたが、こっちを直せばまたあっちっていう風に、モグラタタキの時期に達しているのは確かです。でも、これまで使った無線機の中で一番長く使っているので、それだけ自分が気に入っている機種なんでしょう・・・
Yamadaさん
はい、貴局のブログも大いに参考にさせていただいております。N-110が入手できないのでこんなふうに工夫している方がいらっしゃいます。壊れてもなんとかなりそうですね。
投稿: JF3DRI | 2012年6月23日 (土) 19時27分
JF3DRIさん
そうですね,私も手持ちの部品を使ってご紹介の記事と同じことをやったのですが,ネオン管の輝度とCDSの感度の相性が悪かったのか,起動はするものの,『じわー』っとスイッチが入る感じで気に入らず,同じく手持ちのフォトカップラにしてしまいました(汗
また同じ症状を繰り返すかもしれないという気持ちとオーナーさんが近所なので『ダメだったらいつでも持ってきて.』という安易な気持ちからです.
幸い,再入院はしてきていませんがHi
投稿: Yamada | 2012年6月23日 (土) 22時17分
Yamadaさん
情報ありがとうございます。CdS + ネオン管は CdSが反応が遅いので、この部分で遅延を行う主旨でもあるのかなと思ってましたが、ただのACが来ているかどうかを判断するものなのですね。
投稿: JF3DRI | 2012年6月24日 (日) 00時17分
ということは、普通のリレーで良いのかも? (スペース的に難しいかな)
投稿: JI3KDH | 2012年6月24日 (日) 16時23分
そうですねえ,ようはDC±140Vが用意できたあとにおもむろにレギュレータICを動かすということだと思いますね.
投稿: Yamada | 2012年6月24日 (日) 18時12分
杉山さん
DC280Vで働く超小型リレーだったら対応できそうです。大きなのは、弁当箱に入りそうにないです^^
投稿: JF3DRI | 2012年6月24日 (日) 19時51分
driさん ご無沙汰です。相変わらずアクティブですね。台風4号でまたR7000が骨折、トホホです。ところで放熱器とTR間の銅版ですが、エミッタ接地のようにコレクタ電位が動いても他に影響を及ぼさないようにシールドのために使うことがあります。これを静かなGNDにそっと落とすのですが、これかも知れません。これがないと放熱器が巨大ノイズ源になったり、コレクタ出力容量がとてつもなく大きくなって高域特性に影響が出ることがありますので。
投稿: JA2HVW 水島 | 2012年6月26日 (火) 08時53分
JH2HVW水島さん
お久しぶりです。6月台風の4号、当初は大阪近辺直撃コースだったのてヤバイと思っていたのですが、東へズレてしまいましたね。アンテナが曲がったとのこと、お気のどくです。
銅板が入っている件、了解です。おっしやる通りかもわかりません。銅板の入っている方は、Q3,Q5側で、コレクタにスイッチング電圧が印加される側であり、また、この弁当箱(放熱器)はどこかで1点アースされているようで、無線機本体のシャーシへ取りつけにおいて、絶縁ブッシュを用いてビス止めしてあり不用意に直接シャーシへ落ちない(コストのかかる)設計となっています。高周波屋さんのICOMが設計したオリジナルSW電源であり、無線機への内蔵ってことで設計技術陣がいろいろとテストをしてこうなったと推察できます。この弁当箱は完全密閉してあり、開けるためには尋常じゃないタッピンビスの数です。まるでマイクロ波のキャビティ。一滴の水(ノイズ)も漏らさないといった意図が伝わってきました。
投稿: JF3DRI | 2012年6月26日 (火) 20時21分
銅板の件ですが筐体とコレクタ間に金属板を入れる事により、その間の静電容量を半減させるために入れる物と思われます。その結果スイッチングノイズが静電結合により筐体に漏れ出すレベルを抑える効果が期待できます。
また、IC1(N110)はコントロールIC2をソフトスタート(立ち上がりのパルスが一瞬に広がらない様に)させるためのものです。(パルスが一瞬に広がると2個のTrが両導通になり一瞬にしてTrが昇天します)
なお、このスイッチング方式はハーフブリッジ方式といわれ比較的高い電圧をスイッチングする時によく使われる回路で、現在でもよく使われている回路方式です。
これをもう一回路と組み合わせて使用するのがフルブリッジ方式といわれるもので、半導体式リニアーアンプの電源に使用されています。
投稿: Hagihara | 2012年6月29日 (金) 02時44分
Hagiharaさん
解説ありがとうございました。SW電源では確かにはハーフブリッジですね。古い人間には上側と下側の中点にC23が入っているのでOTL回路と言った方が良かったかもしれません(この回路ではトランスをドライブしていますが^^)
N110の動作はソフトスタートの意図もあるのでしょうか? Yamadaさんのご指摘で、再度回路を眺めましたがQ1のベースにはC9とR11で時定数を持たせているので、280V DCの有無を判断しているだけのような気もします。また、IC2の出力(T3をドライブする回路)はPushPullになっているので、電源ONの瞬間にT3の2次側に両SWトランジスターのベースを同時にONする電圧が印加されることは無いと判断しましたが・・・
ネオン管の放電開始電圧は70~80Vなので、入力AC 230Vの設定(ジャンパー線による)をしていてAC100Vを加えてしまった場合、ネオン管が光らず、電源が入らないようにするためではないか?と・・・
じゃぁ、逆にAC100Vの設定をしていてAC230Vを加えたら。。。コンデンサが爆発してトランジスタも昇天、煙もくもく^^ (その保護は無い)
細かく解析しても意味ありませんが・・・
投稿: JF3DRI | 2012年6月29日 (金) 20時21分
CDSだとミリsec,フォトカプラだとマイクロsecの立ち上がりでしょうかね,不具合を生じる可能性があるのか,たしかに気になるやっつけ仕事だったんですが,今のところ燃えたという報告はありません^^;
Q1ベースの時定数は高圧がかかってからC9が充電される間だけスタートアップ用電源からレギュレータに給電して起動安定後はレギュレータ出力からの供給で自走するんですね.
投稿: Yamada | 2012年6月29日 (金) 22時46分