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2012年1月12日 (木)

IC-4KL修理・・・(2)電源分解

4kl_02  RFアンプ部と電源部、無事に分離して電源部のみをシャックに持ち込みました。すっかすかです。

 本題の電源部のチェックに入ります。


4kl_05

 そのまま、基板のところをアップで撮影。コンデンサの液モレはわかりませんが、腐食していて怪しいです。


4kl_03_2

4kl_04_2


基板を外してみました。裏面に素人がやったような空中配線があるし怪しさ満載。でも、ここの部分はうかつに手をだせないのですよね。配線図が無い!!

Ic4kl

 モノがモノだけに、サービスマニュアルを熟読して回路を理解しながら慎重に進めることとします。
・メイン電源(EP102と記載)はOEMで、内部回路は不明。
 ⇒これが最大のネック
・ACCV(RIGからのコントロール電圧13.8V)の電圧でRL2がオン
 R2,R3抵抗によるステップスタート開始。
  (このリニアはICOM製の対応したものでないと電源ONできない)
・REG UNIT Q1が時定数を持ってRL2,RL3がオン
 (そもそもSW電源なのになぜステップスタートが必要なのか?)
・DC-DC UNIT で40Vから+13.8V, -13.8Vを作っている。更に本体で
 +5Vに。(ロジック回路など)
・AC100V時には500Wとなっているが、AC電圧検出回路が無い??
  ⇒答え : 発売当時、国内向けIC-4KLは200Vでも500W出力であった。
    RTTYでフルデューティを謳っている。内部に1kW, 500W切替えSW有り。

・EP102のプロテクション条件(オーバーロードLED表示)
  - AC 90~132V時 DC38A±2.7A
  - AC 180~264V時 DC60A±1A
  - 過電圧保護 47V~52V
  - ヒートシンク温度80℃

ここまで調べ、結論としては、このEP102は、そんなにややこしいことをしておらず、40V,50~60Aの容量があるSW電源が別途用意できれば、完全修復可能となります。ただし、これだけ大きい容量のSW電源は、新品で購入すると結構なお値段となってしまうのは否めません。そこで修理方針として

 ①現在のEP102基板をなんとか修理する。
  →一番安価にできるが、基板の腐食や他の部品の劣化も考えられるため、
   動作しても信頼性に欠く。いつまた壊れるかわからない。

 ②別のものに交換(その1)
  →ヤフオクで50V, 50A程度のプロ用と題するものが中古だが割と安価
    (11,000円程度)に販売されている。これを使う。ただし、この電源ユニット
    に内蔵できるかどうかは不明。

 ③別のものに交換(その2)
  →コーセルから販売されているADA1000F-36というモデルが使えそう。
   価格は単品36,000円程度で、1kWを狙うなら2台、500Wなら1台搭載で
   完全修復できそうだ。高価となるが・・・。

ネットで検索したところリニアアンプのオーソリティである KK5DR Mr. Matt Ericksonhttp://kk5dr.com/4KL.htmのWebに同様な記事がありました。まずは①の方針でやってみましょうか。

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コメント

FETファイナルは大丈夫なのでしょうか?

電源だけだと案外簡単に直ってしまうかもしれません。ネ
私も似た様な物を持っていますが
車のバッテリー12V×4個=48Vで動かないかなと考えています。

皆様、興味深々です。ネ

投稿: NAO | 2012年1月13日 (金) 03時48分

NAOさん、まあまあ、そお焦らずに。RF部をいぢる楽しみは後にとっておきましょう。
ちなみに、このアンプはバイポーラーTrの2SC2652 x 8 でPowerMOS FETじゃないです。

投稿: JF3DRI | 2012年1月13日 (金) 21時53分

私のモノも先日、なぜか?

電源スイッチを入れても、「パチンと小さなリレーの音がするだけ」で、ONにならなくなりました。リグは快調です。ADA1000F-48を2台購入手配しました。(1台はFAN付き)

なんとか載せ替えての復活をもくろんでおります。

ただ、1アマなれど回路の理屈理解、配線に自信がありません。

現在研究中です。

(次に壊れたらOMに依頼しようと検索だけは昔に済ませてありました)

投稿: Atsu | 2024年1月 8日 (月) 10時09分


>OMに依頼しよう

このOMというのがもし私であるなら…下記を読んでください。

この記事は2012年です。今は、2024年、12年が経っています。その間に私はおいぼれてしまいました。気力の体力も。

あのでかい重いIC-4KLを玄関で分解してシャックがある2階まで運ぶ時に、もし転落したら私は終わってしまいます。一人暮らしなので誰も助けに来てくれることもなくそのまま1ヶ月後に腐乱死体で発見とかいうストーリーになることは目に見えています。

何度も何度も何度も書いているように修理受付は既に終了していて対応していませんので了解願います。ブログTOPを見ないで検索で記事に直接飛んで来られるので、そう書いていることすら理解してもらえない人が多いのは確かですが。

じゃぁ、修理記事を削除しておけ!! という意見もありますが、技術を持っている人に対しては参考になるという意見もあって残してあります。

投稿: JF3DRI | 2024年1月 8日 (月) 11時42分

大変参考になりました。自力で修理完了しました。ありがとうございます。

投稿: Atsu "JM1JZN" | 2024年1月21日 (日) 20時03分

それはおめでとうございます。
こいつの電源交換は板金加工のスキルが必要なので簡単ではなかったと思います。

投稿: JF3DRI | 2024年1月22日 (月) 11時52分

結局、電源を外部に設置し、コモンモード対策を完璧に打ちました。

今遠征中のクリッパートン島のパイルにも太刀打ちできました。

投稿: Atsu | 2024年1月26日 (金) 21時30分

お世話になります。2台目の4KLもDIY修理が完了しました。FT8で電力合成器が焼けたモノです。それ以前にあやしい部分が有り、そちらは13.8Vを別だてで供給しクリア。OMのヒントから解決出来ています。こちら、40Vはまだ生きています。

投稿: Atsu | 2024年4月 1日 (月) 19時41分

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