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2010年9月 1日 (水)

軍用受信機BC-603の中身

Bc603_1 戦車搭載軍用受信機BC-603の中身、写真にとってみました。
 まずは全景ですが、マイクと比較するとだいたいの大きさが把握できると思います。そんなに大きなものではありません。

(つづきをどうぞ)


Bc603_2

 配線側。防湿塗料が塗布されており、独特のニオイがします。戦車搭載ということで、振動に耐えられるよう、配線はしっかりとしています。


Bc603_3

クローズアップ。年代を感じるのは当然か。
60年以上経ってますものね。


Bc603_4

 反対側。全部で10球の真空管を使用。メタル管とガラス管と混在している。


Bc603_5

 プリセット部の拡大。一旦、ボタンを引っ張って、マニュアルでセットし、ボタンを押し込むことで、プリセットできる。プリセットと言っても、バリコンの角度を合わせ込むだけなのだが、このメカニカルな機構は良くできている。今だと、ICメモリーで簡単なんですけどね。


Bc603_6

 音声出力が6V6, その他 6SL7 とかオーディオでポピュラーな真空管が使ってあります。


Bc603_8

 この頃、真空管の+B電圧(200~250V)をどうやって得ていたか・・・。現代のように半導体もなく、スイッチング電源で昇圧することはできません。よって「ダイナモーター」と呼ばれる、直流低圧のモーターで回転させ高圧が発生する発電機で得ていました。(実物はありませんが)
 この後、バイブレータと呼ばれるブザーのように振動してスイッチングするものが使われたようです。

さて、この受信機、全く利用価値があません。改造してAMが受信できるようにはなるようですが、この周波数帯だと違法CBを聞く程度となってしまいます。でも、動作するかは試してみたいと思います。

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コメント

バイブレーターはパワーが取れないので小さなセットへ限定的に使われ、マンパックは専ら電池が主力だったと思います。

ダイナモは飛行機のセットやモービルセットには沢山乗ってました。実に騒音が高くてうんざりしましたが当時としては仕方が無いですね。

この受信機は2mhz台のIFなので結構ワイドでしょうね。6H6があるのでAMワッチの改造は出来そうですが超広帯域でいい音が出ると思います。Hi

送信機は1619と1625だったんですね。30W定格で長いロッドアンテナが標準セット。ヨーロッパ戦線で活躍したことでしょう。

投稿: JA3GN | 2010年9月 2日 (木) 10時09分

バイブレータは、実働している音を聞いたことがありますが、ダイナモーターは無いです。負荷に応じて回転数の変動とかあるのでしょうね。
AM受信に改造するとHi-Fiどころか、複数局同時受信になっていまいそうですが・・・機会があれは試してみます。といっても動作すればのハナシですが。

BC-604の部品が少し残っていたので、別記事に書き込みました。1625は、ピンが特殊な807の12V管ですね。

投稿: JF3DRI | 2010年9月 2日 (木) 21時08分

ダイナモーター 懐かしいものです。開局当時真空管6m機を父親のミゼットの荷台に搭載すべく使いましたが当時はロータリーコンバーターと呼んでいました。米軍放出品で12V入力DC625V,300mA出力だったのでしたが、起動時の突入電流が大きくそれによる反トルクでコンバーターが転がった覚えがあります。それにより6146ファイナルは立派に働きましたが。

投稿: 岡田 JA1HYE | 2019年2月26日 (火) 09時52分

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