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2010年5月30日 (日)

2SC2510x4 違法CBアンプの実力

Cb2_2

例の電力合成した違法CBアンプ、借用した大容量SW電源でテストしてみました。

結果は・・・700Wオーバー


とんでもないわい!


Cb2_1 下にあるのが、この前のミーティング時にJI3KDH氏が、持参してくれたネミックラムダ製1500Wの容量(24V, 63A)のスイッチング電源。
 2つの高速ファンが付いており、爆音が鳴り響きます。


Cb2_5 きたならしいテスト風景。前段の2SC2290ppをパスして電力分配しているところへ直接入力。出力もリレー回路をパスし、同軸で引き出した。

結果、電流は不明だが、28MHz 約40Wの入力で、700W以上の出力が出てきた。おそるべしCBアンプ!


Cb2_3

 ついでにスペアナで、高調波も測ってみた。
ご覧の通り、第2高調波が -41dB とLPFが付いていないのに思いのほか少なく、高次のものも殆ど出ていない。


Cb2_4

他のバンドはどうなのか?
  1.9MHz : 殆ど増幅しない。
  3.5MHz : ゲイン低い。200Wで飽和
  7MHz : 28Mより、ゲインはあるが450Wで飽和
  10~18MHz :   〃 500Wで飽和
  21~28MHz : ゲイン落ちるが750Wで飽和
  50MHz : 全く増幅しない。ダメ

という訳で、オールバンドで、そのまま使える訳ではありません。特に50MHzで全く増幅しないので、利用価値が半減であります。

本題だった、28MHzで高調波が少ない件、どうやら電力分配・合成器が関与しているようです。下のスペアナ写真は、10MHzを入力とした時ですが、PPの特長である奇数次の高調波が高く、第3高調波は基本波と比較して -10dB しか落ちていません。また、5倍以上もかなり減衰しています。50MHzが全く増幅しないことも、裏づけとなりました。

<このアンプに触れてみて・・・>
こんなもんで、700Wも出てくる・・・少なくとも400W程度なら実用範疇だろう。この領域のアンプを真空管で作ろうと思えば高圧危険だし、部品の入手も大変だし、苦労して作った3-500Zシングル50MHzアンプがバカらしくなってくる。真空管の時代は、とっくの昔に終わっているのをまざまざと見せつけられた感じであり、ストックしてある真空管でリニアアンプを作る気力が半減してしまったのであった。

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コメント

いつも楽しく拝見しています。
同じCBリニア ジャンクで入手しましたが2SC2510 3個が飛んでしまっていましたので、手持ちの2SC2290にファイナルを交換して12Vで使用しています。7〜28Mhz CWで各バンドLPFを通して300〜350W出ている様です。

投稿: toyama | 2010年5月31日 (月) 20時59分

toyamaさん、書き込みありがとうございます。

そうですか。この機種、多く出回っているんですかねぇ。2SC2290に交換したとの事、了解です。前段も2290なんで、計6本ですね。バイアスがかかっていないC級なんでCW専用アンプとしてはFBかと。
それと、各バンドごとのLPFは必須条件となります。ちゃんとそのあたりを理解して改造すれば、CBアンプは格安なQROアイテムであります。

投稿: JF3DRI | 2010年5月31日 (月) 22時34分

定格周波数では意外と2次高調波が少ないですね。優秀です。
さすがに他のバンドはかなりの高調波ですね。この場合、この状態でLPFで無理やり取り除くと、その高調波電力はLPFで消費されるということになるのでしょうかね。(LPFが熱くなる?)
裸の状態で、各バンド-40dB以下程度に追い込み、その後、LPFでさらに落とすのが正攻法なのでしょうか。
当方、MRF422×2AMP用に、手ごろな24V電源を探してますが、よい出物がないです。

投稿: JK1NMJ@斉藤 | 2010年6月 2日 (水) 21時14分

斉藤さん、こんばんは。

>高調波電力はLPFで消費されるということになるのでしょうかね。

LPFと出力端との間で反射を繰り返し減衰するという説もありますが、実際どうやって高調波成分が無くなるのかは私も説明できず、不明です。少なくとも、LPFでその電力が消費される訳ではなさそうに思われます。真空管式のπマッチなどのタンク回路は、フライホイール効果で電力が有効利用されるイメージはよくわかりますが・・・。
(LPF/HPFの両方を組み込み、HPF側を抵抗で終端するダイプレクサ型のLPFもありますね。)

28MHzで高調波が少ないのは、本文にも書いているとおり電力合成器の周波数特性が、40MHzを超えたあたりから悪くなっているからと考えられ、10MHzだと2次、3次の高調波は電力合成器の帯域内にあるから大きく出てくるものと思われます。

>裸の状態で、各バンド-40dB以下程度に追い込み・・・

基本的に同調回路が無い「ブロードバンド」なので、この手のアンプは、素の状態でバンド毎に高調波を抑える手立てがありません。出力側に入れるバンド毎のLPFに頼るしかないのではないでしょうか?
(常時電流を10Aとか流し、動作点をA級にもってくれば可能かもしれないけど非現実的ですよね。)

24V電源は、安価な13.8V電源を2台準備し、直列接続するというのはいかがでしょうか?

投稿: JF3DRI | 2010年6月 3日 (木) 20時24分

DRIさん
丁重な解説ありがとうございます。やはりかなり難しい話のようですね。当方もまったく理解できておりません。
電源ですが、13.8Vのスイッチング電源を2台直列にする方法は当初考えたのですが、なんだかとらぶりそうで、躊躇してます。並列運転よりはかなり安全そうですが・・
また、13.8Vの30Aクラスも、出物は多くありますが、わけわからないメーカーの物が多く、これまた手を出しづらいです。まあ気長に探します。

投稿: JK1NMJ@斉藤 | 2010年6月 3日 (木) 21時34分

2SC2510x4 違法CBアンプの実力を見て、あなた様は、スプリアの試験が出来る事、理解しました。
CBのリニアアンプを買ったのですが、これを、申請する為には、スプリアスが出ないように、ローパスフィルターを付ける必要があると思います。

現在、HIで1.4KWは出る、という事でCBのリニアを買ったのですが、まずは7mhzのローパスフィルターから、と、思っています。
つまり、CBのリニアアンプを改造してもらえませんか。
お願い致します。

papa

投稿: papa | 2015年5月10日 (日) 01時04分

電波法違反幇助および、改造に該当するものの修理は受け付けておりません。左上のポリシーをご覧願います。

投稿: JF3DRI | 2015年5月10日 (日) 11時52分

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