壮絶死した電源の修理(その1)
「居酒屋ガレージ」でおなじみの下間さんから頂いた(引き取ってきた)内部のトランジスタが壮絶死をしている電源、ダイワのPS-560WⅡの修理を正月そうそう試みてみました。
詳しいことは上記にある居酒屋ガレージ日記に記されている通りで、省略しますが、この電源は2系統、同一回路であり、Low電圧側では「並列運転」、High電圧側では「直列運転」されているのは間違いないようです。
まず、目を付けたのが下側のパワートランジスタが見た目では正常であることです。要するに、1系統は生きているのでは??という期待があります。
制御回路基板。ディスクリートの部品が多数使われており、解析する気力はありません。(製造元に依頼すると配線図は有償で送付してくれるようですが・・・)
ここも目視した限りでは、焼損している部品はありません。
じゃ、AC100Vを入れてみようかということで、スイッチONしたところヒューズが見事に飛んでしまいました。
下間さんが見放した物・・・やはりダメかと思いつつも、2次側のブリッジダイオードや平滑コンデンサをテスターで当たってみるも、ショート状態でなく、電圧が出てきても良さそうな状態です。
1次側(AC100V側ね)をテスターで当たると、完全にショート状態。トランスは正常。調べていくと、保護回路らしきリレーが付いており、回路を追うと、どういう訳か、リレーが動作すると1次側をショートする回路構成になっていました。ショートすることで、ヒューズが飛び保護するようですが、こんな保護の仕方は初めて目にしました。
で、ショート状態である原因は、このリレー接点が溶着状態になったままのためでした。
保護回路はパス・・ということにし、リレーを取り外して恐る恐る電源を入れたところ・・・・
ほれ、Low側で正常に電圧が出てきました。電圧調整もちゃんとできます。1系統は生きているのでは?という勘は大当たりです。
さて、壮絶死したパワートランジスタ 2SD845 を交換することで、完全修理できるか?ですが、この石は廃品種となっています。Webを探したところ販売しているお店もあるようですが、結構高価なようです。 この形状は「MT-200」と言うようですね。安価な代替品ないかしら?
あるいはT03Pなど(秋月で売っている2SC5200だと@200円)に交換してしまうかですね。
とりあえず、ここまで修理が出来たことの報告であります。
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コメント
あけましておめでとうございます。いつも楽しく拝見しています。今年もよろしくお願いします。
しかし、それにしてもエライ保護回路ですねぇ。ショートさせてヒューズを飛ばすなら、もっと違うこと考えたら良さそうなものですが。ともあれ原因解明おめでとうございます。
Koichi
投稿: Koichi | 2010年1月 3日 (日) 01時06分
なんと!
そんな保護回路(?!)とは… ちょっと信じられません。
壮絶死したデバイスを除き、パワー系が生きているようでなによりです。
元回路を復元するか、回路を見直し作り直してしまうか、ちょっと悩んでしまいますね。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2010年1月 3日 (日) 05時28分
OZ3TQI Koichi さま
あけましておめでとうございます。
最近、貴殿のブログを見に行ってません。そういえばCOP15が開催され各国の要人が集まり、ものものしい雰囲気じゃなかったのでしょうか。また、じっくりと拝見させていただきます。
リレーは確かにa接点タイプなので「回路を切る」ことはできません。妙な回路です。
居酒屋ガレージ店主さま
こんな保護回路、アリなんでしょか?AC100Vをショートすれば一瞬ですがリレー接点には大電流が流れますよね。ヒューズが飛ぶにせよ、リレー接点が溶着してしまって当然のようにも考えられるのですが・・・。この回路が働く条件を追っていませんが、この回路は動作しないようにしておきます。
投稿: JF3DRI | 2010年1月 3日 (日) 10時04分