6CA7/EL34 Push-Pull アンプ
つづいて、もう1台・・・まともなのはこの2台だけです。
6CA7/EL34のプッシュプルアンプ、キットではありません。これ、はっきり言ってカネ掛かってマス。ご覧の通りトランス類は TANGO で固めており、このトランス類だけでウン万円した記憶がある。製作した時期は、6BQ5のアジを覚えた直後。
使用している真空管は
・出力管 6CA7/EL34 (SIEMENS) x 4 (Push-Pull x 2)
・初段管 12AX7 (MATSUSHITA) x 2
・位相反転 6FQ7 (TOSHIBA) x 2
・カソフォロ 12BH7A (TOSHIBA) x 2
の計 10本です。
回路は、ムラード型(ミュラード型)位相反転+カソードフロアという贅沢(?)なもので、原典は「電波科学」という雑誌に、いろんな出力管アンプ記事(KT-88, 6550, 6L6GCなどね)で多く採用されていた回路を流用したものです。最近では、この回路は使われなくなったようです。また、6CA7自体が高感度なんでカソフォロなんて必要ありません。
そうそう、+B電圧は約450V印加されており、UL(ウルトラリニア)接続もせず、5極管接続 固定バイアス(もちろんNF掛けています。)とし、大出力を狙ったものです。測定してませんが 50W+50W は十分出ているものと思います。
こちらも1点アースを厳守した結果、残留ノイズは6BQ5アンプ以上に抑えることが出来ています。配線は、雑誌を参考にしましたが、一応オリジナルです。
回路的に見ると、現在主流になっている6DJ8などの低rpのタマを使ったものと比較すると、多分、F特がイマイチ伸びていないことは確かとかんぐってますが、それでも「大音量で聴いても居眠りができる」音質で、私的には満足しています。
プレートからの輻射熱のすごいこと。まさしく、遠赤外線ヒータであります。トランスの塊みたいなもんなんで、重いこと重いこと・・・腰をいわしまっせぇ。
という訳で、マジメに作った真空管式オーディオアンプは、この2台のみです。
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コメント
EL34ですかあ・・
私もかなりのオーディオマニアでして、一度は拝みたい(聞きたい)出力管ですね。
今は山水のMOS-FETアンプですが、いずれは真空管式アンプをオーディオセットに加えたいと考えております。
オーディオの世界では今でも結構玉が幅を利かせておりまして、完成品、キットが多数あり、悩ましいです。(先立つものがありませんが・・)
投稿: JK1NMJ@斉藤 | 2009年6月 3日 (水) 22時42分
歪み率やF特は、半導体アンプの方が遥かに優れているのに真空管アンプが、なんで心地よく聞こえるんでしょうかね。耳が肥えていないワタシでも違いはわかります。
「真空管アンプ用」「高音質」と名の付くパーツは、ソケット1つにとっても異常とも言えるお値段が付いていますね。6CA7/EL34は、まだロシア/中国あたりで製造されており、供給は当分の間、問題なさそうですが、テレフンケンとか、製造中止となったブランド品は、これまた、とてつもなく高価。その違いウンヌンするようになったら地獄の泥沼であります。
投稿: JF3DRI | 2009年6月 3日 (水) 23時31分
皆さん
6CA7いいですね。実家にパラレル・プッシュプルのモノラルアンプ(PA用)がありますが、今や部品取りです。
PTが3-500Zアンプに鞍替えしたりと・・・球は日立の6CA7で整流は5AR4が2本です。
f特やTHDはTr式に遥かに劣るのに、耳に馴染むのは不思議でしたが、元々フラットな音って疲れますよね。
それにしても西村さん、気合が入った作りですね!。
こう言う話を聞いていると私も鳴らしたくなりました。
帰省したら6080でA-7を鳴らしてみます。
投稿: JH2CLV@望月 | 2009年6月 4日 (木) 06時57分
大枚はたいて作ったこのアンプも、稼動時間は50時間にも満たないです。結局、聴く時間も無いしデカイしリモコン操作はできないことで、我が家の居間へはデビューできず、お蔵入りですわ。代わりに、CDやらMDやら盛りだくさんの安っぽいミニコンポが占拠。
投稿: JF3DRI | 2009年6月 4日 (木) 20時29分