Sg安定化回路テスト
電源部でNewとなる回路、すなわちPowerMOS-FETを用いた安定化回路の検証を行いました。とりあえず、2SK2225は使用せず、破壊しても良い手持ちジャンクの2SK794(VDSS=900V)を用い、いつも送信管のテストで用いている真空管式カラーTVのトランスを用いた800V電源を用いてです。(900V耐圧で800Vを使うのは少し危険なんですが・・・)
結果は、思惑どおり(JF3IPR大前さん設計どおり)の動作をしてくれ、安定化した電圧を取り出すことができました。
欲を出して、電流制限回路(配線図の赤で囲った部分)が正常に働くかもチェック。確かに120mA程度で電流制限はできたものの、制御用のFETが吹っ飛んでしまいました。
破壊した理由・・・この回路だと、負荷がショートなどの過大電流が流れると制限は掛かるものの、定電流が流れっぱなしになるため、MOS-FETに過大な負荷がかかることとなるようです。(例えば、入力600Vで100mAだと、600x0.1=60WがFETでの損失となる)
これを回避するためには、回路を遮断するトリップ回路を設けるか、あるいは「フの字特性」にする必要があります。いろいろと考えた(フォトカプとSCRを使ってトランスの1次側を遮断とか)のですが、ワタシのアタマでは設計しきれず、Sg回路がショートすることは考えにくいため、とりあえずはこの回路を使うこととしました。
バラックで、実験した残骸・・・こんなもんに800V印加するのは自分でも恐ろしいと感じているのですが・・・。
で、なにやら大きな別のものがくっついていますね。はい、絶対に破壊されない方法・・・そこで試しに使ってみたデバイスがVces=1400V, 損失=1100WのIGBT。使うことが無いと思っていたんですが、なな、なんとこれがうまく働いてくれました。
もちろん実際には使いませんけどね。
| 固定リンク
「4-400A PPアンプ製作」カテゴリの記事
- 真空リレーの装着(2013.07.30)
- 4-400Aリニアアンプ動作中!!(2011.10.08)
- Sg安定化電源回路の解説(2011.01.06)
- 不可解な現象(2010.11.23)
- マッチドペアを探す(2010.11.21)
コメント
電圧設定のVRにガリが来たときの対策を。
VRの中点がオープンになると下のFETのゲートが浮遊。
これはまずい。
VRの1-2間を短絡して2(中点)がオープンにならないように。
(抵抗値を見直す必要があるかもしれない)
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2009年2月 1日 (日) 18時14分
なるほどね。じゃ、ゲートとアース間に適当な抵抗を入れてオープンにならないようにします。出力電圧はEo= (R1+R2)(Vz+Vgs)/R2-Vgsで計算しました。
それと、1つ間違い発見。上側のFETゲートに発振防止用として1kΩの抵抗を入れたけど、これだとダイントロン現象による逆流対策(電流制限用のツェナーの順方向を通って、下側のFETに流れ込む)にならないですね。
投稿: JF3DRI | 2009年2月 1日 (日) 20時31分
G-GND間に抵抗だとVR中点オープンだと、FETはオフとなるので
最大電圧が出てしまいますが。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2009年2月 3日 (火) 11時39分
電圧が下がるとFETの損失が増えて破壊すると考えたからです。(Sg電圧が下がると多く流れる方向に動く)
テストでFETが破壊した時、全ての電極がショートモードとなったので、最大電圧が印加されてしまった。
4-400AはSg=800Vまで耐えられるので、FETが破壊されない、この方が良いかなと思って。
投稿: JF3DRI | 2009年2月 3日 (火) 21時24分
>VRの1-2間を短絡して2(中点)がオープンにならないように。
肝心のこれを行わなかった理由を書き忘れていました。
①計算で可変範囲を調べたところ、使っている10kΩVRでは、目的の350V~520Vが達成できなかった。
②50kΩのVRにすれば可能だけど、最大電圧付近で、VRの許容電力0.5Wを超えてしまう。
です。
投稿: JF3DRI | 2009年2月 4日 (水) 21時07分
なるほど!
了解です。
投稿: 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO) | 2009年2月 5日 (木) 09時54分