4-400Aは代用できるか(2)
その2 ・・・ TL922への装着とエージング(burn-in)
さっそくコメントでつっこまれましたが、TL922はコンパクトに設計しているため、高さが高い4-400Aのプレートがシールドに当たると装着できない可能性があります。また、写真のようにソケットを少しだけ沈めてあるので、ハカマをはいている4-400Aがきっちりと刺さらない可能性もあります。
とりあえずやってみたところ、プレートのクリアランスは5mmは無いようですが、なんとかなりそうな感触を得ました。ソケットの方は、確かに完全に入りきれてないようですが、TL922のKenwood謹製ソケットは結構バネ圧が強く、こちらも実験程度ならいけそうな感触でしたので装着してみました。
何年も使っていない直熱管を使うには、新品/中古を問わず、手順を踏まなければ内部でプラズマやアーク放電を起こし、一瞬で周辺回路を含んだ破壊が起こることがあります。
よって、まずパラ止めをはずし、フィラメントのみの点灯を行いました。この状態で約5時間。定格より低いフィラメント電圧からやった方が良いと書いてあるサイトもありますが、直接ONです。
※良く見えるように黒い衝立(賛否両論あるパンチングメタルね)を取り外してあります。
次に、パラ止めを装着してCWレンジ、2,000Vを恐る恐る印加。バーンってことも無く大丈夫、ホットする瞬間です。
このままの状態で更に1時間程度してからOPERATEにしてレスティングが流れるか見てみました。CWモードでは殆ど流れませんが問題はなさそうです。
次のステップとして本格的に内部ガスの吸着にかかります。4-400Aに代表されるダッシュ管は、プレートの温度が上がることによってガス吸着を行います。よって、これらの球はプレート最大損失付近で使うとプレートがオレンジ色になるのです。「赤くするなんてかわいそうに」と思われるかもしれませんが、赤くなって普通なんです。また、ガス吸着し真空度を保つためには赤くしなければならないともいえます。(全ての真空管がそうでないので注意、赤くしてはいけないのも当然あるんで)
という訳で、ちょっと強引ですが、少しだけドライブをかけてプレートを離調し流れたプレート電流を全てが損失となるようにしてみました。写真の通り、こんがりと焼けてきてます。ちょっと解りづらいですがEimacと東芝、特性の差を懸念しましたが、ほぼ同じような焼けぐあいです。(さすがはプロ用途・・・)
3-500Zと比べて、何と表現すべきなんか、言うならば「熱慣性が小さい」ようで、パッと赤くなり、ドライブを切るとサッと元に戻るイメージです。
ここまで来て、この2本が正常に働くことが確認できました。
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