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2007年5月 1日 (火)

TL922は手がかかる(まとめ)

Tl922_8

  TL922の不具合点のまとめです。他にもあるようでしたらご指摘ください。

 

 

 

 

 

①パラスチック発振の問題
 1-1 プレート回路のパラ止めがVHF帯でHigh Qである。
   →Low VHF-Q パラスチックサプレッサーの採用
  →グリッドRFCを除去し、直接接地する。

②3-500zパラレル動作に関する問題
 2-1 フィラメント配線の順番
  →配線の変更

 2-2 フィラメントを直列接続させて点火しているため
   フィラメント電圧の高/低が生じる。
      (3-500zはもともとトランスレス式真空管のような規定がない)
  →対策は困難

③フィラメントラッシュカレントの問題
 3-3 ラッシュカレントにより、フィラメントの変形
    あげくの果てはGKタッチにつながりうる。
  →ステップスタート回路追加
  →フィラメント電圧が高めなので、5Vを超えないよう
   微調節する必要有り

④送受切り替え回路(スタンバイ回路)がDC 100Vで動作
 4-1 無線機のリレー接点耐圧を超える場合が多い。
  →スイッチングトランジスタまたはフォトMOSリレーなどによる
   低電圧化

⑤送受切り替えリレーの問題
 4-1 切り替え時間が遅い。
 4-2 むき出しのリレーのため接触不良が起こる。
    (特に微弱信号を通過させる受信時に問題)
  →バキュームリレーに変更すれば理想的だが・・・

⑥筐体からのスプリアス
  →分解し、ネジ留め部の塗装をはがしてシールドを
   強化すると低減するとのレポート有り。

⑦その他、保護回路/クーリング
 7-1 バイアスツェナーダイオードの破壊
  →高圧回路にサージ吸収用抵抗の挿入、保護ヒューズの
   挿入

 7-2 冷却不足対策
  →ファン前にある黒いパンチングメタルは不要??

海外のWebで TL922 Mods というページを見つけました。AG6K氏の内容を忠実に実装し、写真で解説しているので解りやすく参考になります。

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コメント

 あと、小生は気にならないのですが、ピン部分の冷却が考慮されていないためにハンダが溶け出したりの事例が複数あるそうで、下部からファンを当てている人も多いようですね。周囲の空間が狭いとそうなるのかな。

投稿: JI3KDH | 2007年5月 5日 (土) 12時55分

SB2000ASとか真空管ピンそのものから半田が解けだしているのは見たことがありますが、TL-922でも事例があるんでしょうか?
Eimacの純正エアーソケットは、締め付けバネが弱いんで接触不良が起こり、その熱で溶けだすこともありますね。チムニーを使わない場合ね。

 今回、銅板でシャーシへ落としたんで、シャーシへの放熱効果も期待できるかな。

投稿: JF3DRI | 2007年5月 5日 (土) 17時26分

はじめまして。電子パーツメーカーにて勤務しているエンジニアです。無線機器へ搭載しているリレー機器なども製造(納入)しておりますがハムの事は良くわかりません。

ただ、ちょっと気になったので・・・
⑤送受切り替えリレーの問題と御座いますが、こちらのリレーは想像するに比較的大容量の接点部を持つリレーではないのでしょうか。ケースを持たない開放型リレーのワーク環境に粉塵が流入するのでしたら「ケースを持たないため接触不良が発生する」と言う要因もありえます。しかし、ハムの機器は工場などと異なり一般家庭の環境ですので無視できるレベルです。

開放型リレーのメリットは、コイル通電時に大気は反応し発生するガスが全て大気に放出され接点の酸化が少なくできます。また、大容量接点リレーは接点の開閉時に発生する微少なスパークが接点を洗浄する効果を利用して性能維持を行っており、ケースがあると逆効果になります。

リレーは消耗品です。たとえ未使用のリレーでも接点は空気と化学反応し確実に酸化がすすみます。

ケース、特に密閉型が有利なのはスパークが発生せず、よりコンタクト性能が求められる微小負荷用リレーです。

秋葉原で購入したリレーがスグ壊れた・・・って場合は長期保管されたリレーと思って間違いないでしょう。

この手のリレーは頻繁に稼働している方が耐久性が延びます。

ご参考まで

投稿: 通りすがりのエンジニニア | 2010年5月21日 (金) 08時55分

通りすがりのエンジニニア さん

書き込みありがとうごさいます。
そのリレーの現物は

https://jf3dri.tea-nifty.com/blog/2007/05/tl9223_661a.html

にあるものです。確かに「むき出しのリレーのため接触不良が起こる。」という表現は適切ではないかもしれません。
送信時の電力(インピーダンス50Ωで500~1000W)を通過させるには良いのですが、受信時は、μVオーダの微弱信号を通過させるので、それが問題になるのです。接点のショットキーバリアのようなもので、ブロックされてしまうと考えています。大きなリレーのスペックシートには「微弱信号のを扱うところには使用しないように」と明記されているので間違いは無いと思いますがいかがでしょうか?

投稿: JF3DRI | 2010年5月21日 (金) 20時22分

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