カテゴリー「無線機修理/リストア」の262件の記事

末永く大切に・・・

2017年2月26日 (日)

FT-50, FV-50C 修理リストア

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YAESU FT-50,  FV-50Vの修理依頼です。SSBモードにすると音が出なくなるとのこと。

当機は、YAESUがSSB機を発売した黎明期の機種で、ホントウのビンテージ品です。FT-50は本体にVFOを持たずにバンドや周波数変更は、水晶を入れ替えて対応、水晶にVXOを掛けて数kHz動かすといったオトナの無線機です。

FV-50Cは外部VFOではなく、これがなければアマチュアバンドをカバーすることができません。

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ホコリが結構溜まっていたので、まずは清掃から。外観共に、1967年発売という年代物ですが、程度は良好です。

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ファイナルは白黒TV用の水平出力管12B-B14を2本パラレルにしてあります。このタマを使ってあるトランシーバーは初めておめにかかります。プレート電圧が300V程度と低いので、プレートバリコンも受信用のを使ってました。

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さて、本題の修理に取り掛かります。SSBポジションにすると、BFO発振停止してしまいます。発振管のCg電圧がなぜだか+50Vにも・・・こんなことありえないです。
回路を必死で追っていくと、ようやく発見。モードスイッチの接地すべきところのハンダが外れていました。
ガチャガチャ廻しているうちにその振動で疲労破壊したようです。修復し、これでSSBでも受信可能に。

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AF VRを絞り切っても、結構な音が出てきます。VRを廻しきってもゼロΩにならなく、これは接点復活剤でも対応不能でした。そこで、手持ちの物に交換しました。

その他のVRもガリオーム、スイッチ類の接触不良が酷く、対応してなんとか動作するようになりました。

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とりあえず送受信はできるようになったのですがVFOが非常に不安定で、中身を見てみることとしました。シールドもしていないし、スイッチでコイルを切り替えて発振周波数を変更しています。・・・これでは、どうがんばっても安定度を得るのは不可能です

こちらもスイッチの接触不良とダイヤル照明ランプがつかない症状(これはDC動作させるとデフォルトのようですが)を改善しました。トラッキングもやりなおしましたが完全にできませんでした。

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VFO単体のスペクラムも、こんな感じで高調波が多数出ていてよくありません。LPFが入っていないので当然ですが・・・。
この時代のものは、こんなもんということで仕方ないですね。解決するにはDDSモジュールを使って作り変えるぐらいしか方法はなさそうです。

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その他、スピーカーにビビリがあり、交換したかったのですが、同じ形状のものがすぐには見つからず、時間をかけて探すしかなさそうです。

フィルターの切れも甘く、高音のQRMがある音ですが、これもこの時代を満喫する要素と思っていただくしかなさそうです。あと、10W機ですが、40W近く出てきます。パワーだけはガッチリ、YAESUさんの無線機は、こういうのが多いですね。

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2017年2月19日 (日)

FTDX-401 パワーが出ない

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YAESU FTDX-401 パワーが出ない、ヘッドフォンで聴くとハム音が気になるとのことでお預かりしました。

FT-401Dなどと違って、当機種は6KD6 x2 を用い、入力560Wpep となっている元祖ハイパワー機です。当時、これを(正式に)使うには1アマを所持しており落成検査を受ける必要がありました。

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送信系を順に調べていくと、電圧等は正常。なのにドライブがかかりません。原因は、前のFT-901でも交換したYAESU ブランドのキャラメル型マイカコンデンサ、それも絶縁不良ではなく容量ヌケでした。100PF無ければならないのに4.2PFしかありません。この壊れ方は、初めてです。Mixerとドライブ段の結合用に使っているものでした。

これを交換することで200W出るようになりました。念のため、ドライブ段⇒ファイナルの同コンデンサも交換。

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電源用のシリコンダイオードもリード線の腐食が進んでいたので、交換しておきました。YAESUプランドのマイカと、ダイオードは機械的に交換しておくのがベターなようです。


ヘッドフォンで聴くと、確かにハム音があって聞きづらいです。スピーカーで聴いても多少は残っています。原因を考えてみました。

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まず、回路を追うと手持ちの配線図と違います。あれ・・・と思いながら、調べてみるとどうやら FT-400S のAF段と同じのようです。6BM8のSgにパスコンが入っていないのがハム音の原因ではないかとメボシを付けて、回路変更してみました。しかし同じ。
(右がFT-400, 左がFT-DX401)


次に、6BM8のグリッドに入っている結合コンデンサを外してもハム音は出たままです。

結局、原因は・・・

ACを扱うヒーター配線の実装方法(アースリターン)がまずく、ACがプレート電流と混ざってしまっている。

という結論となり、元から固有の特性であって対策は難しいという判断となりました。
オーディオアンプを組み立てた方は、ヒーター配線はツイストした線で行い、シャーシにACを流してはいけないというのが鉄則ですが、それが守られていないということです。

その他、多数のSW接触不良/VRガリ対策、トラッキング調整を実施し完了としました。
(オーナー様の意向により、洗浄は不要とのことでした。汚れもビンテージの味のウチってところでしょうか・・・)

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2017年2月 8日 (水)

FT-901E, FT-101ZSD 修理/整備

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表題の通り、FT-901E と FT-101ZSD の修理/整備依頼がありお預かりましました。まずは、FT-901E から。ヒータースイッチを入れるとヒューズが飛ぶとのこと。オーナー様は、内部をチェックされ、焼損している箇所を写真撮影して同梱いただきました。

FT-901E という機種はデジタル表示ユニット無しの100W機で、901発売当初の少ないロットで製造されたもののようで、ある意味、貴重なのかもしれませんね。

<FT-901E>

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オーナー様が指摘してもらった基板で抵抗が焼損し、取り外されたようです。


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配線図を見ると、ファイナル6146BのCgバイアスに関係しているものです。取り外したままだと、Cg=0Vなので過大電流が流れ、ヒューズが飛ぶということです。これが、焼損する理由/原因もスグにピンと来ました。


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悪名高きYAESUブランドのキャラメル型マイカコンデンサーの絶縁不良。ドライバーの12BY7Aのプレートは約300V印加されており、このコンデンサを通ってバイアス回路に逆流し、抵抗が焼損したというカラクリ。6146Bカットオフ時は -120V となるので、420Vが常時加わっており、キビシイ条件であることは間違いないですが、YAESUの他機種も含め、この形のコンデンサは、ほぼ100%絶縁不良を起こすようです。


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キャリアポイント、キャリアバランス、その他一連を調整、チェック。24時間エージングを実施、問題ないことを確認し、完了としました。


<FT-101ZSD>

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100W化されていません。ある意味、HF機の10Wモデルは珍です^^。

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トラッキングがズレていて送信と受信のピークが合わないとのこと。確かにズレており、再調整します。
その他、多数のVR, スイッチ類に接触不良があり、接点復活剤、接点洗浄を実施し、なんとかまともに動作するようになりました。


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エージングしていると、VFOが数百Hzズレ、また元に戻るという症状(QRH)を確認しました。まずはVFOのメカに注油したり、VFO供給電圧変動などを調べましたが問題ありません。

VFO内部となると少しやっかいです。


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そうこうしているうちに、RITを入れるとこの妙なQRHは無くなることを発見。RITを使わない時のバリキャプ電圧が不安定であることを突き止めました。(これを特定するに3日を費やしてしまった・・・)
RITゼロ点調整用の半固定VR接触不良と、RITスイッチ自体の接触不良が原因でした。


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マーカーの発振周波数も結構ズレがあり、その他一連の調整を実施し24時間エージングを行い問題ないことを確認、完了としました。

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2017年1月26日 (木)

TS-120S, TS-120V 修理

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先に修理したオーナー様からのもので、TS-120SCWの送受オフセットが1500Hzぐらいとなって交信できない、もう一台も TS-120VハイバンドでALCが振り切れてしまうとの事でお預かりしました。

<TS-120S>

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前回の修理で見逃していたようです。
CWの受信では800Hz程度の音が出たので、これで問題無いと判断していたのですが、実際は送信と受信が1500Hzのオフセットとなってしまってました。
サービスマニュアルに従ってキャリアポイントをきっちりと合わせてもダメです。キャリアは800Hzオフセットしているのになぜ1500Hzとなるのか???? 

イチから回路を追って、また各部のCWでの送信・受信でのオフセットがどこで発生しているのかを入念に調べたところようやく、突き止めました。VFOの発振周波数自体をズラせていたのです。

原因が分かったのですが、その調整方法がサービスマニュアルには全く書かれていません。            おっかしいなぁ~~

困った時はググる先生にお尋ね。ようやく、海外のサイトでそれらしき記事があり解決しました。    (調整箇所はとりあえず極秘事項としておきます)

という訳で、こちらは解決しました。

<TS-120V>

14/21/28MHzでPTTを押すとALCが振り切れます。USB/LSBでも同じ。そしてパワー計が振れるのです。うーん、これはおかしい症状だと、スペアナでその出力が何であるのか調べると、なんとどのバンドであろうが27MHz帯で10Wドカーンと出ていました。

要するに、異常発振してしまってるっとことです。

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ファイナル部やら色々と調べたところ、バンドスイッチのウェハーに手を近づけるとふらふらと発振周波数やら出力が変化します。ハンダクラックでも発生しているのかと叩いたり押したりしているうちに、バンドスイッチ自体を触るととまったり、また発振したりすることを突き止めました

なんと!! バンドスイッチの接触不良で発振を起こしていたのです。これは初めての症状、こんなことあるのですね。

接点洗浄を行うことで、発振は収まり正常となりました。

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Sメーターランプが切れていたのでオーナー様の意向でLED化。その他、キャリアポイント、リファレンス周波数など一通りの調整を実施、24時間のエージングも実施し問題ないことを確認して完了としました。

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2017年1月15日 (日)

TS-780 2台修理

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TRIO TS-780 2台の修理依頼です。1台は、センターメーターが動かない、もう一台は送信が出来ない、モードスイッチがぐらぐらということでお預かりしました。

<1台目>

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センターメーターが動かない・・・しかし、FMの受信は正常で十分な感度もあります。テスターで当たって見ても電圧は正常。メーターアンプのFET (2SK192A) が不良であることも考えられるので、交換してみましたが問題ありません

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スケルチも正常なので、セラミックディスクリミネーターか、その前のIFTが不良であるしか考えられず、部品入手困難なため、回路を眺めたところダイオードでリミッターを掛けてあるの外して、メーターの振れを良くする作戦としました。

結果は、写真の通り少し振れが少ないですがセンターがわかるようになり、これでご勘弁いただくことにしました。

<2台目>

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当機種は、メモリーバックアップに乾電池が使ってあり、その液漏れが非常に多く発生する機種で、ごたぶんに漏れず電池ボックスを交換してありました。しかし、漏れ出た腐食性の液体をきっちりと取り除いていなかったせいで、天板の裏と基板に腐食が回っていました。

あと、これを掃除し処理している時に、腐食した電池ボックスのカケラが転がり出てきました。どうやら、このカケラが回路のどこかをショートさせて送信できなくしていたようで、きれいにしたところ送信が問題なくできるようになりました。

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モードスイッチがぐらぐら状態。取り付けナットが緩んでいて、締め直しを実施。当機種のギミックであるFM CHにするとメインダイヤルがクリック感を持つ機構も絡んでいて、結構難しい作業でした。

<共通: Fズレ調整など>

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まずはPLLユニットの10.24MHz±10Hzを合わせる作業。2台とも結構ズレがありました。

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特に2台目は、水晶の特性が経年劣化で変化し、トリマーで調整しきれなかったため、トリマーと並列に抱かせてあるコンデンサーを除去することでようやく合わせ込むことができました。

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430MHz帯のリファレンスも再調整。また、IF基板に付いている41.560MHz合わせのトリマーも大幅ズレがありました。このトリマーは非常にクリチカルで、写真に写っているものでは、先端の金属が触れるだけでズレするので、セラミック製の調整ドライバーでないと合わせ込みが難しいです。

その他、受信系のIFTも結構なズレがあり、調整することで、ずいぶんと感度がよくなりました。

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2016年12月19日 (月)

FT-102 多機能不全

しばらく更新に間があいてしまい、申し訳ありません。
修理不能機だったり、そして今回のが思いのほか時間を費やしてしまったのが原因です・・・と言い訳。

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FT-102 の修理依頼があり、お預かりしました。受信ができなく、またヒータースイッチを入れるだけでヒューズが飛ぶとのことです。これまで何台も修理しているので、簡単に終わると考えていたのだけど、ところがどっこい2週間を費やすこととなってしまいました。

<目視検査 24V系電源NG>

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裏蓋を開けたところ、焼けたニオイがするのでイヌになって臭覚と視覚で入念に調査。基板が焼け、コンデンサが飛び出しているのを発見しました。ここは受信系の24V電源と、送信時カットオフする役割を担っている部分です。

ダイオード、トランジスターはショート、電解コンデンサはオープン状態でした。ACが受信系に流れたので、これはヤバイかもと、この系統を全て調べましたが大丈夫でした。

同等品に交換することで受信部は働くことを確認。10時間程度エージングしてみましたが、異常な発熱はなく再発することもありませんでした。

<リレー交換>

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受信がやはり不安定。これは、この機種の持病みたいなもんですね。シャフト下は接点洗浄、その他は同等品に交換することで完治しました。
※過去記事に何度も書いてます。



<バンドスイッチ接点洗浄、VRガリ対応>

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バンドスイッチ接触不良があり洗浄。真っ黒い汚れがありました。


<ヒューズが飛ぶ>

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過去の前例からファイナルのバイアス電圧が上がってしまっているのでは?? とテスターで調べたところ問題ありません。ということで、ヒータースイッチを入れてみたところ、30分ほどするとヒューズが飛びました。飛んだ後、新しいヒューズを入れヒータースイッチを切ったままバイアス電圧を測定すると-30V程度しかありません。
やはり、マイラーコンデンサの絶縁不良でした。

<これで完了ではなかった>

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TUNEモードで、180W (も)出るし、これで完了。というこで最終チェックとしてマイクを繋いでSSBで喋ってみると20W程度しか出ません。ALCも振れません・・・・

ここから4日間悩むことに・・・。


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SSB送信系信号の流れをイチから全てチェックしていったところ、455kHzのセラミックフィルターの通過損失が10dB以上あり、ここで信号が弱くなっていることをようやく突き止めました。代替品の入手は困難です。さて、どうしようか? せっかくここまでやったのになんとかならないか????


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穴が空くほど眺めた配線図 8MHzのX'tal Filter通過後にATTが入っていることに目を付けました。

「このATTをパスすればレベルが上がる!!」

Cでパスしたところ、まだレベル不足ですが100Wは出るのでなんとか使えるレベルだと判断しました。


<その他>

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28MHzパワーダウンするようになっていたのでSg電圧切替リレーを動作しなくするために茶色の線をカット。
また、WARCバンド送信開放も実施し、完璧ではありませんが完了としました。


はっきり言って 「もう、疲れたよパトラッシュ。」
これだけ時間がかかったからと、お代金を多く請求することもできず・・・。

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2016年12月 2日 (金)

IC-551, MX-6Z 修理

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アイコム IC-551 と ミズホMX-6Z 動作しないとのことでお預かりしました。
まずはIC-551から・・・。

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VCOアンロックです。でたらめなスペクトラム。当機種は、トリマーなど無く、調整する箇所がありません。十数時間かけて、PLL, PLL LPF, プログラマルデバイダーを調べたのですが、どうしても原因特定できません

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そこで、オーナー様と相談の結果、ジャンクのIC-551をオークションで落札し、移植手術をすることとしました。

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まずは、ドナーからPLL基板を外して取り付けようとしたのですが、配線のコネクター位置が異なりだめです。

ロットによって基板が異なっているのです。

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CPUが載ったコントロール基板ごと交換することにしました。取り外すのはかなりやっかい・・・。

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この基板もバージョンによって異なっていました。左がドナーからの、右がオーナー様の分です。どうやら、PLL基板とセットになっているようです。

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両方交換することでPLLがロックして正常となりました。

移植手術しようと思ってオークションで落札したものの、同一機種なのに使えないということが起こりえます。

24時間エージング、キャリアポイント、リファレンス等をチェックし問題ないことを確認し完了としました。

<MX-6Z>

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調べたところ、B BANDは正常ですが A BANDが何かおかしいことがわかりました。

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そこで、いろいろ調べているとA BANDの周波数可変範囲が極端に広いことが判明。なんと6MHzも変化しているのです。

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VXOを採用していますが、A BANDの水晶が不良でVXOではなく、LC発振器になってしまっているのが原因でした。

VXO水晶の入手は当方で困難なため、オーナー様で探していただくしか方法はありません。

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その他、再調整をして完了としました。

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2016年11月17日 (木)

TS-120S, VFO-120 整備

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TS-120S, VFO-120の整備依頼で、お預かりしました。

・周波数ドリフト (QRH) がある。 (両方とも)
・VFO-120でスプリットすると1.5kHzズレする。
・CWフィルターの取り付け。
・その他、各調整、チェック依頼


まずはドリフトから診てみます。

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冷えた室内(気温15℃台)で電源スイッチを入れ、そのまま1.5時間放置してみました。
内蔵のカウンター(カウンター自体のリファレンスも動くので100%正確とは言えませんが)で見たところ、 -700Hz 周波数が落ちました。(室温は21℃に上昇)
最近の無線機と比較すると「大変なQRHを起こしている!!」と感じられると思いますが、TS-120Sの仕様

[  電源ON 1分から1時間まで最大1kHz, その後30分当たり100Hz以内  ]

となっており、仕様上のスペックに入っています。時間経過後の100Hz以内も大丈夫です。これはアナログ式VFO (LC発振器) のため、これ以上の精度を出すのは不可能に近いのです。

7MHzあたりで

「あなたの無線機は100Hzズレました。修理された方が良いですよ !」

なんてイヤミ言われたら・・・。

「私の無線機にはQRHする機能があるのです!!  すごいでしょう !」

と自信を持って返答しましょう。

実際に「10Hzズレていると言われました、故障していると思いますので修理してください」なんていうナンセンスコールが時々あります。QRHというものが死語となり、おまけに1Hz単位までデジタル表示になってしまっているんで、そう感じるものと思いますが、自分の無線機の安定度/周波数確度をマニュアルで確かめてください。

100万円するロレックスのゼンマイ式腕時計より、1000円で売ってるオモチャのクオーツ式時計のほうが時刻を刻む精度が高いのと同じです。だからと言って、ロレックスがダメとは誰も言わないでしょう。

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VFO-120、確かにRITがゼロ点より大きくズレてしまってます。この調整は、写真の半固定VRで修正することができます。この半固定抵抗が接触不良を起こしていたのが原因でした。

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同梱いただいた、CWフィルターを取り付けます。なお、装着するとコネクターを刺す位置の変更が必要となります。

その他、本体RIT VRのガリ、キャリアバランス、キャリアポイントなど再調整し完了としました。ただ、CWモードでALCの振れが少ないのではないかとの指摘もあり、いろいろとチェックしたのですが、決定的な原因はつかめず、定格パワーは出ているので問題無しと判断致しました。

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2016年11月10日 (木)

IC-1271 出力ふらつき、レピーターアクセスできず

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ICOM IC-1271 1200MHz帯オールモード機、初顔です。
症状は、出力がふらつく、リピーターアクセスができる時とできない時があるということでお預かりしました。

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非常にきれいな個体で全面パネルにも、内部にもホコリ一つありません。メーターの照明ランプは切れてますね、LED化しておきましょう。

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まずは、出力がふらつくことから取り掛かります。ドライバーの柄でファイナルユニットを軽く叩くと、出力が変動します。これは、半田不良では無いかと・・・。
しかし決定打の感触がありません。
(まるで熟練者がやる打検検査)

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ようやく、怪しいところを突き止めました。同軸リレーです。

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内部を開けて見ると・・・。やはり、接点が相当傷んでました。たかが、10W出力なのですがこれだけ接点が劣化するのに驚きを隠せません。接触抵抗がじわじわ上昇して行ったのと1200MHzという高周波のためでしょうか・・・。HF帯ならキロワットを開閉できる感触のリレーなのですが。

接点を丁重に研磨することで、出力のふらつきは無くなりました。メーカーへ修理を出すと「同軸リレー交換、部品代15,000円」とかびっくりするような請求書が届くと思われます。

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次にレピーターアクセスが不能な件。88.5Hzのトーンが発生していません。当個体にはオプションの「トーンスケルチユニットUT-15」が装着されており、取説を読んだところ、このオプションを入れると、ここから発生するトーンが優先して使われるようになります。

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オーナー様と相談の結果、トーンスケルチユニットは取り外し、元から内蔵されているトーンを使う方針で修理を進めることとしました。要するに、このユニットが壊れているってことです。配線図も無く、使っているICが特殊で修理不能なためです。

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取り外すに当って、元から付いているジャンパーをメイン基板に付ける必要があります。オーナー様は、もう一台、修理用の予備機をお持ちだったので、そこから拝借し送付していただきました。

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ちなみに、内蔵してあるトーンエンコーダーからはこんな波形の信号が出てきます。これをFMに重畳するとアナログレピーターが開くということです。(階段状のキタナイ波形ですがww)

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その他、リファレンスの再調整。1200MHzで3kHzと結構なズレがありました。この基板までアクセスするのは弁当箱2段重ねになっているのでロジックユニットも外す必要があり、結構厄介です。

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このシリーズ最大の難点であるリチウム電池も3.3Vと申し分無い電圧があるので、まだまだ物忘れすることは無いでしょう。

その他、メーター照明LED化、エージング等を実施し問題無いことを確認し完了としました。

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2016年10月28日 (金)

IC-575D 送受不能

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IC-575D 時々送受信できるがダメな場合が多いとのことでお預かりしました。当方で電源を入れたところ、全く送受信できません。

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RF YGRユニットを調べていくと 1st Localである61.44MHzの信号が途絶えています
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PLLユニットを分解します。配線が混んでいて結構難しいです。

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配線図は、これ。リファレンスは正常発振しているので、その信号を2逓倍するどこかが故障していると判断できます。

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トランジスターの電圧は、全く問題無いので、基板を拡大鏡で細かく調べたところ・・・・見つけました。半田クラックです。
再半田することで、元気な信号が出てきました。表面には、発熱する部品は無く、単なるジャンパー線が付いているだけなので、その線の半田上げが悪かった可能性が高いです。

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照明ランプ切れのため、LED化を実施しました。手順などは、前々回のIC-275と同一でシールドが入っているので厄介です。

その他、リファレンス周波数、キャリアポイント、出力など一通りチェックし、筐体をクリーニングして完了としました。

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