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2017年4月

2017年4月24日 (月)

FT-301SとIC-371、整備と修理

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YAESU FT-301S 初にお目にかかります。YAESU初のオールソリッドステート機ですね。送信がうまくできない、受信もチェックして欲しいとのことでお預かりしました。

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先般、修理したFT-221と筐体は同じ。そこにHFを詰め込んだというイメージです。プラグイン式になっており、こちらもエキステンダーボードが無ければ完全な調整はできません。


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状況を調べてみると、回路は正常動作しており、受信最大点と送信最大点が異なるという症状でした。FT-101と同じくギロチンが付いており、トランジスター式であるがTUNEツマミでバンド別に合わせ込む必要があります。
写真の通り、トリマーが多数付いており、バンド毎の調整は結構めんどうでした。このトリマーだけではなく、裏面にも調整箇所があります。

トラッキングのやり直し、マーカー周波数の合わせ込み、キャリアポイントなど一連の調整を実施することで問題なく、10W出るようになりました。デュアルゲートMOS FET 独特のミキサーノイズ音ですが、感度も十分となりました。

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ICOM IC-371 ものすごく感度も悪く、出力もほんの少ししか出ないとのことです。チェックしたところ、確かにその通りでした。

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送信も受信も同時にダメ」一番考えられるのは、ローカル発振器の出力レベルが落ちているのではないかとメボシを付けました。

スペアナでレベルを測定したところ、大当たり。-44dBmしかありません。


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PLLユニットに問題があることは確実です。配線図と照らしあわせながら、ワンターンコイルを近づけて、360MHz台の局発レベルを探ると・・・ あれれ、-10dBmと高いレベルがあるではないですか!!


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ここまで詰めると、配線の断線かハンダクラックしかないと確信。PLLユニットの基板を外してみると驚愕の事実が・・・。
「ハンダ付けされていない!!」

出荷検査をすり抜け30年間、接触だけで動作してきたのですね。基板面とこのハンダが外れたリード線の間の微妙な容量Cで360MHzが弱く通り抜けるのも高周波のイヤラシイところ。デジタル回路だと、完全に動作しませんから。

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きちんとハンダ付けを行い、再度RF YGRユニットで局発レベルを見ると、ごらんの通りレベルがガンと上がり、同時に感度も送信も正常になりました。


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オーナー様が懸念されていたリチウム電池ですが、まだ十分残っており、10年程度は大丈夫でしょう。


その他、メーターランプのLED化、一連の再調整を実施し、完了としました。

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2017年4月16日 (日)

FT-102 いつもの故障では無かった

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FT-102 何台も修理しているので、楽勝だと考えていたのですが思いの外手こずりました。故障依頼内容は下記の通り。

 ① 各バンドメインダイヤル回し低い周波数側で発振停止する。
 ② 感度が悪い。
 ③ 周波数ズレがある。


まずは①から。

確かに、どのバンドも低い側で発振停止し、デジタル表示が消えて受信も送信もできなくなってしまいます。まず、疑ったのはVFOそのものがバリコンの接触不良が起こって、停止するのではないかと・・・。

VFOの出力を取り出して単独で診ると、5.5~5.0MHz正常発振しており問題ありません。では何か??? 特定のバンドだけなら、当機種はPLLを使っているのでそのバンドのVCOアンロックが考えられますが、全バンドがアンロック???  はて???

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周波数構成図を見ると、丸で囲ったBPFが怪しいとメボシを付けました。ここがズレると全バンドアンロックする可能性は大きいです。


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大当たりです。スペアナで診ると、低い周波数側で大きく信号レベルが下がって、BPFの特性がズレてました。平坦になるよう、再調整することで、正常にロックするようになりました。


②感度が悪い。
102_01a これまで何台も交換してきたリレーをまずは疑ったのですが、既に交換されており調べたところ接触不良は無く、問題ありません。このRFユニット以降に問題がありそうです。

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RFユニット以降はIFユニットです。まずは、IFT関係をざっと再調整してみました。少しは良くなりましたが、まだ感度は十分に上がりません。

そうこうしているうちに搭載してあるCW ナローフィルターを通すと、ガンと感度が上がることに気が付きました。


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ナローフィルターを入れた信号通過経路は青色、通常は赤です。となると、矢印で示したスイッチングダイオード(ショットキーバリアダイオードが使われている)が怪しいと考えらます。1SS97はもう入手困難ですが、販売店を見つけ、手配/交換してみましたが、大きな変化無し。

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うーん、これは何だろう??? もう一度原点に帰ってIFTの調整をやってみたところ、コアが中に入りきってもピークが得られないものを発見。このIFTが不良となっていると判断しました。


さて、どうしようか? 前回やった苦肉の策が、ここでまた活きてきました。上記の配線図にあるATTをパスしてゲインを稼ぐことです。そもそも、ここにATTが入っていることが理解できません。強いていえばナローフィルターを通す時のロスを補正することでしょうかねぇ。

ATTをCでパスすることでIFゲインが上がり、十分な感度が得られるようになりました。

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Fズレはリファレンス調整にて、その他WARCバンド開放されていなかったので開放処理、各箇所の再調整と動作確認、スイッチ類の洗浄、ガリオーム対応を実施し完了としました。

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2017年4月 4日 (火)

FT-221 修理、複雑な回路だった

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YAESU FT-221 古い2mオールモード機です。症状として・・・。

  1.送信不可。
  2.FMスケルチ効かず。
  3.ダイヤル照明切れ。


とのことでお預かりしました。

<送信不可>

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数時間に渡って、ずいぶんあちこち調べたところ、モードスイッチを切り替える際に一瞬だけパワーが出ることを発見。なんのことは無い、モードスイッチの接触不良でした。
理由が分かれば簡単なんだけど、発見するのが大変なんですよね、修理って。


<FMスケルチ効かず>

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当機種はプラグイン式基板になっていて、ピンポイントでの不良部品特定を実施するにはエキステンダーボードが必要です。入手できないので、スケルチに関するトランジスターを交換してみることにしました。
運良く、2つのTrを交換することでスケルチが効くようになりました。


<ダイヤル照明のLED化>

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一度交換してあったのですが、また切れてそのまま浮いた状態になってました。電球の取り付けゴムも無くなっており、考えた結果、アース側をシャーシから取ることとし、タマゴラグを近くのビスで固定し、LEDのマイナス側をそこに接続する方法で対応しました。これも結構めんどうな作業でした。併せて、メーターの電球もLED化を実施。

終わりではなかった。

10分に一回程度PLLがアンロックします。当機種はアンロックすると、メーター照明ランプがチカチカとフラッシュするしくみになっていて、ブチブチ音と共に時々アンロック、元に戻るのくりかえしが発生しました。

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PLL回路をサービスマニュアルどおりに調整しても治りません。PLL回路を眺めると、PUT(Programmable Unijunction Transistor)が使ってあり、その目的も含めて、まる1日考えることに・・・・。PDとか分周の入ったPLL ICを使っていないのでよけいややこしい。

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ようやく気がついたのは、バリキャプの電圧を変えて144MHzから146MHzまでの4バンド分割共振点を調整していること。サービスマニュアルには、ここを受信最大に調整しろとしか書かれていません。このチューニング電圧がPLLユニットにも来ていたということで、これを調整することで難なくロックしました。
(この調整がズレると受信感度低下と共にPLLロックしなくなってしまう)


再調整することで、ようやく安定するようになりました。


<おまけ>

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マイクゲインのとこが2連VRに変更され、TRIOのTS-700と思われるツマミが付いていました。これなにか??? と触ってみるとパワーコントロールになっていました。
詳しい回路は追ってませんが、こんなModsができるのですね。

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